考課令
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考課令(こうかりょう)は、令の篇目の1つ。養老令では第14番目に位置しており、全75条からなる。『大宝令』では考仕令と称されていた。
唐の考課令を継承したもので、『飛鳥浄御原令』の考仕令が、『大宝令』で考仕令と選任令とに分かれたものである。内外文武官の一年間の功過行能を調べ、叙位・昇任を決める考課にまつわる規定であり、選叙令と合わせて、官人の人事制度として機能し、律令制下の古代日本の官僚制を支えた篇目である。
→詳細は「考課」を参照
諸司の長官(長官がいない場合は次官)による所属官吏の勤務評定として、長官は1年間の功過行能を記録し、本人に読み聞かせた上で、考第を決め、「考文」として太政官に報告する。その際の基準としての「善」および「最」の制度が重視され、それぞれ何点を得たかによって、長上・分番・帳内・資人・国司・郡司など役職によって異なる評価の基準が定まる。そのほか、犯罪による評定の下降、本主による家令の勤務評定、官吏登用試験の方法と事務手続きなどを定めている。
参考文献
[編集]- 『角川第二版日本史辞典』p328・330、高柳光寿・竹内理三:編、角川書店、1966
- 『岩波日本史辞典』p399、監修:永原慶二、岩波書店、1999年
- 『日本の歴史3 奈良の都』、青木和夫:著、中央公論社、1965年