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耳取遺跡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
耳取遺跡
耳取遺跡
Location in Japan
Location in Japan
新潟県における位置
Location in Japan
Location in Japan
耳取遺跡 (日本)
所在地 日本の旗 日本 新潟県見附市
座標 北緯37度30分27秒 東経138度55分12秒 / 北緯37.50750度 東経138.92000度 / 37.50750; 138.92000座標: 北緯37度30分27秒 東経138度55分12秒 / 北緯37.50750度 東経138.92000度 / 37.50750; 138.92000
標高 76 m (249 ft)
歴史
時代 縄文時代

耳取遺跡(みみとりいせき)は、新潟県見附市熱田町にある縄文時代環状集落遺跡[1][2]2015年(平成27年)10月7日に国の史跡に指定され[3]2018年(平成30年)2月13日に指定区域が追加された。

位置・概要

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見附市街地の南方約2キロ、通称耳取山と呼ばれる標高70から77メートルの丘陵頂部に5万平方メートルほどの平坦地があり、ここに縄文時代の集落跡がある。遺跡の存在自体は明治時代から知られていたが、1967年(昭和42年)に初めての学術的な発掘調査が実施され、縄文時代中期から晩期に至る集落遺跡であることが確認された。その後、当地に開発計画が持ち上がったことから、2011年(平成23年)から2014年(平成26年)にかけてあらためて発掘調査を実施。遺跡地の中央部に縄文中期中葉、西側に後期前葉、東側に晩期後葉の遺構が位置することがわかった。遺跡は2015年(平成27年)10月7日付けで国の史跡に指定。その後、2016年(平成28年)に再度調査が実施され、従来明らかでなかった晩期の遺構の全容が確認された。2018年(平成30年)に史跡の追加指定が行われた。史跡指定地は2018年(平成30年)の追加指定分を含め、39,418.68平方メートルである[4]

遺構

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概観

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前述のとおり、縄文中期中葉、後期前葉、晩期後葉の遺構が確認されている。縄文中期・後期・晩期の3期にわたる遺跡は北陸地方ではまれであり、後期集落跡の面積(約16,000平方メートル)は北陸最大級である。1つの遺跡のなかに、断続的とはいえ、これほど長期間にわたる遺構が確認され、しかも各期の遺構が少しずつ場所を違えて存在する例は、北陸のみならず、日本全国でもまれである[5]

縄文中期の遺構

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遺跡中央の平坦地に中期中葉を中心とする集落遺構がある。集落の規模は南北約60メートル、東西約70メートルで、南西方向が開いた馬蹄形をなす。竪穴建物跡13軒が検出され、うち8軒が中期中葉、3軒が中期後葉、残る2軒は正確な時期不明となっている。建物跡にともなう炉は、土器埋設石囲炉2基、土器敷石囲炉1基(以上中期中葉)、複式炉とみられるもの3基、地床炉または石囲炉1基(以上中期後葉)となっている。中期の遺物としては土器のほかに硬玉製の小珠1個、大珠2個が出土している[6]

縄文後期の遺構

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遺跡中央の平坦地から西側の緩斜面にかけて、後期前葉を中心とする集落遺構がある。南北約200メートル、東西約120メートルの環状集落で、中心に27×20メートルほどの広場がある。後期の遺構としては、長方形平面の掘立柱建物跡42軒、楕円形建物跡24軒が検出されている。広場の南東隅には、方一間(柱間が正面・側面とも1間)で、長軸140から150センチの柱穴を有する建物跡が検出されており、住居というよりは、なんらかのシンボル的建物とみられる。集落の北端、東端と広場の南端には、墓域と断定はできないが、人骨の散乱する区域がある[7]

縄文晩期の遺構

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遺跡東側の緩斜面に晩期後葉を中心とする集落がある。南北約80メートル、東西約70メートルの環状集落で、中心に30×20メートルほどの広場がある。2016年(平成28年)の再調査の結果、亀甲形、五角形、長方形及び落棟式の掘立柱建物跡計55軒が検出された。縄文晩期の集落で、掘立柱建物のみから構成されるものは、日本全国でも珍しい[8]

脚注

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  1. ^ 耳取遺跡とは/見附市役所”. www.city.mitsuke.niigata.jp. 2020年11月15日閲覧。
  2. ^ 耳取遺跡”. sitereports.nabunken.go.jp. 2020年11月15日閲覧。
  3. ^ 見附市教育委員会: 耳取遺跡が国史跡に正式指定!”. www.mitsuke-ngt.ed.jp. 2020年11月15日閲覧。
  4. ^ 見附市教育委員会 2018, p. 1,2,18.
  5. ^ 見附市教育委員会 2018, p. 34,35.
  6. ^ 見附市教育委員会 2018, p. 20,21,35.
  7. ^ 見附市教育委員会 2018, p. 20,21,36.
  8. ^ 見附市教育委員会 2018, p. 21,33,37.

参考文献

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  • 見附市教育委員会『国史跡耳取遺跡保存活用計画書』見附市教育委員会、2018年。 
リンク

関連項目

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外部リンク

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