胎盤停滞
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胎盤停滞(たいばんていたい、英: retained placenta)とは、胎子娩出後、胎子胎盤が母胎盤から剥離しないで子宮内に残存し、一定時間内に排出されない状態である。遺残胎盤とも言う。
ウシにおいて多発し、乳牛における発生率は7%から15%とされる。ウシでは通常、胎子娩出後3時間から8時間で排出されるが、12時間以上経過しても排出されない場合を胎盤停滞という。一般に泌乳量の多いウシ、乾乳期に過肥のウシ、運動不足のウシで発生が多いものの、胎盤停滞の明確な原因は明らかにされていない。地域によってはセレンとビタミンEの欠乏が関与することもある。治療法として自然排出を待ち、排出後に抗生物質を投与する方法、胎盤の用手剥離、胎盤の軽度の牽引、オキシトシン、エストロゲンなどの子宮収縮作用を有する薬剤の投与などがある。
なお、ヒトでも起こることがあり、分娩後異常出血の原因となり得ることが知られている。
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- 山内亮監修 『最新臨床家畜繁殖学』 朝倉書店 1998年 ISBN 4254460201
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
- 浜名克己, 中尾敏彦, 津曲茂久編 『獣医繁殖学 第3版』 文永堂出版 2006年 ISBN 4830032065