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胸部外傷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

胸部外傷(きょうぶがいしょう)とは、胸部において外傷を負った場合を言う。重症外傷ではこの胸部外傷を占める割合が非常に高い[1]

多発外傷では胸部外傷の合併率が高く、大量出血や合併症、凝固異常により致死的な外傷となる。胸部外傷における緊急手術は主に開胸術で行われ、胸腔鏡下手術による治療も行われているが、胸腔内出血が多量である場合は術野の確保が難しく止血に時間がかかってしまうため適さない[1]

胸部外傷は呼吸器外科医が救急診療を行う疾患の一つであり、肋骨骨折のみでは保存的加療となることが少なくないが、気胸や血胸を伴う場合は胸腔ドレナージを必要とする。また、大量血胸などを認める場合には手術適応となる[2]。胸部外傷では心外傷が最も緊急性が高い疾患であるため、心タンポナーデを念頭に循環器科医心臓外科医との連携も必要となる[3]

脚注[編集]

註釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b 凝固異常を呈した多発外傷例を胸腔鏡下で止血した一例”. 日本呼吸器外科学会 (2021年1月). 2024年2月10日閲覧。
  2. ^ 胸部外傷に対して入院加療を行った60症例の検討”. 日本呼吸器外科学会 (2022年7月). 2024年2月10日閲覧。
  3. ^ 心外傷の4例”. 仙台市立病院医誌 (2001年7月). 2024年2月10日閲覧。

参考文献[編集]