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能登・佐渡地震

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
能登・佐渡地震[1][2]
本震
発生日 1729年8月1日[1][2]
享保14年7月7日[3]
規模    気象庁マグニチュード Mjma6.6-7.0[1]
プロジェクト:地球科学
プロジェクト:災害
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能登・佐渡地震(のと・さどじしん)は、1729年8月1日享保14年7月7日)昼八ツ時(14時ごろ)、能登国佐渡国に被害をもたらした、マグニチュード6.6-7.0と推定される地震である[1][2][4][5][3]。享保能登地震と呼ばれることもある[6]

歴史記録

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能登半島の先端で被害が大きく、能登国珠洲郡鳳至郡で死者5人[4]、家屋全壊・損壊791棟[2][5]。山崩れ1,731か所[5][3]。鳳至郡・珠洲郡の各村々の潰家数や山崩れなどは、加越能(加賀国越中国能登国)について記録した『眞偽一統誌』にまとめられている[7]

輪島村では、総戸数593のうち、28軒潰れ、86軒半壊[5]加賀国金沢では被害なし[5]。なお、揺れの様子については「重蔵宮奉加帳」(『新収日本地震史料補遺』所収[8])に記録があるほか、加賀藩が藩内の被害について幕府に届け出た記録が「護国公年譜」『加賀藩史料 六』にある[6]

『輪島市史資料』所収の『大刀禰嘉作家文書』には、時国村(現輪島市)の収納蔵を地震のために移転する願い出が記されている[9]

佐渡については『佐渡志』[10]に「地震屋頽れて死する者多し。」とあり[11][12]、佐渡国でも死者、家屋倒壊があった[2]。しかし、佐渡における詳細の記録は未発見[13]

地震像

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能登半島北側沖を走る複数の海底活断層によって引き起こされたとの見方がある[14]

離水した生物遺骸の分布高度から、本地震においては輪島沖セグメントの断層が活動したと推定され、このあたりの海岸が0.2 - 0.3 m程度隆起したと推定される[15]

本地震においては、能登半島の東北部が震度6以上の揺れに見舞われたとみられる一方で、2007年能登半島地震では、能登半島中部から南西部が震度6以上と、互いにそのエリアは重ならず相補的に見える[16]

2024年能登半島地震は、1729年、2007年などのいずれの地震よりも、規模の大きなものになった[17]

脚注

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  1. ^ a b c d 石川県の地震活動の特徴”. 地震調査研究推進本部. 2024年1月2日閲覧。
  2. ^ a b c d e 新潟県の地震活動の特徴”. 地震調査研究推進本部. 2024年1月2日閲覧。
  3. ^ a b c 『小松旧記』に見る地震資料” (PDF). 市史へんさん第280号. 小松市史編纂担当 (2023年7月1日). 2024年1月5日閲覧。
  4. ^ a b 石川県の活断層 森本・富樫断層帯調査の結果” (PDF). 石川県 (1999年3月). 2024年1月4日閲覧。
  5. ^ a b c d e 宇佐美 1987, p. 78.
  6. ^ a b 有史以来最大か…能登地震が揺さぶった「源平」に育まれた伝統文化”. 読売新聞. p. 1 (2024年1月22日). 2024年1月24日閲覧。
  7. ^ 武者 1943, p. 325-329.
  8. ^ 東大地震研 1989, p. 387.
  9. ^ 東大地震研 1983, p. 246.
  10. ^ 武者 1943, p. 325.
  11. ^ 特集 『佐渡災異誌』にみる佐渡の地震と津波の記録”. 佐渡学センターだより 特集号 (2011年4月25日). 2024年1月24日閲覧。
  12. ^ 有史以来最大か…能登地震が揺さぶった「源平」に育まれた伝統文化”. 読売新聞. p. 2 (2024年1月22日). 2024年1月24日閲覧。
  13. ^ 宇佐美 1987, p. 79.
  14. ^ 能登の地震活動なお活発、5月末までに震度1以上433回…専門家「より大きな地震の恐れ」”. 読売新聞. 読売新聞社 (2023年6月4日). 2024年1月5日閲覧。
  15. ^ 宍倉正展・越後智雄・行谷佑一, 2020, 能登半島北部沿岸の低位段丘および離水生物遺骸群集の高度分布からみた海域活断層の活動性, 活断層研究, 2020巻, 53号, p33-49
  16. ^ 都司 2011, p. 241-243.
  17. ^ 加納靖之, 能登半島で発生した過去の被害地震, ノート

参考文献

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  • 宇佐美竜夫『日本被害地震総覧』(新編)東京大学出版会、1987年3月10日、78-79頁。ISBN 4-13-060109-1NDLJP:9585993 (要登録)
  • 都司嘉宣『千年震災 -繰り返す地震と津波の歴史に学ぶ』ダイヤモンド社、2011年5月。ISBN 978-4-478-01611-4 
  • 武者金吉 編『大日本地震史料 増訂 第二巻 自元祿七年至天明三年』文部省震災予防評議会、1943年。  pp.325–329国立国会図書館サーチ
  • 東京大学地震研究所 編『新収 日本地震史料 第三巻 自宝永元年至天明八年』日本電気協会、1983年。  pp.246–247
  • 東京大学地震研究所 編『新収 日本地震史料 補遺 別巻』日本電気協会、1989年。  pp.386–390