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花月堂

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社花月
花月堂本店(北武フーズ吸収合併後) 2022年9月14日撮影
花月堂本店(北武フーズ吸収合併後)
2022年9月14日撮影
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
047-0264
北海道小樽市桂岡町2-20[1]
北緯43度08分30秒 東経141度08分43秒 / 北緯43.14167度 東経141.14528度 / 43.14167; 141.14528座標: 北緯43度08分30秒 東経141度08分43秒 / 北緯43.14167度 東経141.14528度 / 43.14167; 141.14528
本店所在地 047-0032
北海道小樽市稲穂2丁目2-7[2]
北緯43度11分46秒 東経140度59分53秒 / 北緯43.19611度 東経140.99806度 / 43.19611; 140.99806
設立 1851年[3]
廃止 2017年4月1日(合併による解散)
業種 食料品
法人番号 7430001037925 ウィキデータを編集
事業内容 和洋菓子製造販売[1]
代表者 古川昭男(2010年時点)[1]
資本金 3,377万円[1]
従業員数 160名(2010年時点)[1]
特記事項:2017年4月1日株式会社北武フーズに合併し解散
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花月堂(かげつどう、株式会社花月)は、日本製菓業者北海道小樽市に所在した[1][2]。150年以上の歴史を持ち、北海道最古の企業の一つとして知られ[4][5]新倉屋澤の露と並ぶ小樽の老舗の製菓業の一つであったが[3]2010年平成22年)民事再生手続開始申立により倒産した[6]2017年(平成29年)北武フーズに吸収合併され、その傘下で営業を継続している。

沿革

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1851年嘉永4年)[3]越後国新発田藩の菓子司(菓子屋)である杉本次郎吉が「杉本花月堂」の名で創業した[4][7]。当時は新発田藩の御用菓子屋であった[2]。2代目も杉本次郎吉を襲名し、初代と共に藩主に献上する寒菊(米菓子の一種)や落雁羊羹を作る名手であった[1]

1903年明治36年)、3代目のときに、港町として栄えていた小樽に移り[1]、同じ店名にて開業した[2][4]1950年昭和25年)に札幌市に進出したが、1960年(昭和35年)に1億円の負債を抱えて倒産[4][8]。その後、1972年(昭和47年)に小樽市内の稲穂大通商店街沿いに本店を移転し[4]、17年がかりで店を再生[8]1981年昭和56年)には、社名を「花月堂」に変更した[4]

最盛期の菓子の種類は百以上であり[9]チョコレート饅頭「ちょころまん」、「花福」、塩味のゼリー菓子「蝦夷の香」[7]、洋菓子「運河の恋人達」などで人気を博した[9]。特に「蝦夷の香」は昭和初期に開発された和菓子の代表格であり[9]コンブ水飴寒天など北海道産の原材料が厳選されており[2]、作曲家の團伊玖磨により「昆布の香りの有名な菓子」と絶賛された[10]1992年平成4年)には桂岡工場を新築移転した[4]2003年(平成15年)には売上増と店舗展開を目指し、2007年(平成19年)までに小樽市内をはじめ後志、札幌に計30店舗を構えた[4]

花月堂堺町店

しかし、この計3億円以上に達する工場新築費が重荷となった上に、約2000万円を投じた多店舗展開も失敗し、赤字経営に陥った[4]。観光客への営業力の弱さ、販売額の減少も指摘されていたため、2005年(平成17年)には小樽短期大学に経営支援を仰ぎ[11]、小樽の中心観光地にある堺町店を全面的に手直しして観光客向けの開放的な店舗とし、知名度向上や商品開発の拠点とすることを図った[12]。さらに北海道中小企業再生支援協議会の支援を受け、事業再生計画を策定したが、客単価の減少と共に、2010年(平成22年)には猛暑によって盆時期の売上げが前年度と比べ1000万円減少した[4]

こうして店舗の売上減少や過大な設備投資の影響による資金繰りの悪化、さらに昔ながらの和菓子中心で新たなヒット商品を生み出せなかったことによる経営難の末[13]、同2010年11月24日に札幌地方裁判所民事再生手続の申立てを行ったことを発表した[4][8]。観光客に人気があった先述の堺町店を同2010年末に閉店し、翌2011年(平成23年)には札幌市などに展開する16店を閉鎖した[14]

2017年(平成29年)には、小西政秀による異業種企業グループ「北武グループ」の一つである総合食品メーカー「北武フーズ」に吸収合併され、銭函工場に新たな機械を導入するなど設備投資を行うことで生産力を向上させ、後に至っている[15]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h 花月堂の歴史”. 小樽のお菓子 花月堂 (2007年). 2010年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月30日閲覧。
  2. ^ a b c d e 入江他 1990, p. 23
  3. ^ a b c 北海道新聞社 1984, p. 135
  4. ^ a b c d e f g h i j k 創業159年の花月堂負債6億円 民事再生手続申立て」『小樽ジャーナル』小樽ジャーナル社、2010年11月24日。2019年4月30日閲覧。
  5. ^ 「創業100年超 全国2万1066社 道内最古は小樽・花月堂」『北海道新聞北海道新聞社、2009年8月15日、全道朝刊、8面。
  6. ^ (株)花月堂 北海道小樽市」『東洋経済ニュース東洋経済新報社、2010年11月26日。2019年4月30日閲覧。
  7. ^ a b 小樽セルフィーユ 1989, p. 118
  8. ^ a b c 「道内最古企業の花月堂、再生法を申請」『朝日新聞朝日新聞社、2010年11月25日、北海道朝刊、26面。
  9. ^ a b c 「経済ホットライン おじゃまします 菓子製造・販売 花月堂 時代のニーズ追求」『北海道新聞』1995年9月5日、樽B朝刊、27面。
  10. ^ 「この品この店 小樽 道産の風味豊かな菓子」『北海道新聞』2001年9月27日、全道朝刊、11面。
  11. ^ 「樽短大「花月堂」経営を支援 菓子の老舗 販売アップへ 学長が社長兼務 学生は市場調査で実習」『北海道新聞』2005年9月4日、全道朝刊、2面。
  12. ^ 津野慶「花月堂 再生の拠点に 堺町店、10日に新装開店 商品開発に樽短大生参加 喫茶強化しくつろぎ感」『北海道新聞』2005年12月7日、樽B朝刊、27面。
  13. ^ 「中小菓子メーカー 倒産漸増 道内 原材料価格高騰響く」『北海道新聞』2011年1月21日、全道朝刊、9面。
  14. ^ 「花月堂16店閉鎖 従業員100人解雇 今月末で札幌圏から撤退」『北海道新聞』2011年1月20日、全道朝刊、3面。
  15. ^ 設立満50年」進化続ける北武グループ近未来に向けた企業戦略を読む」『月刊クォリティ』第53巻第2号、太陽、2018年2月1日、NCID AN10126614オリジナルの2019年4月28日時点におけるアーカイブ、2019年4月30日閲覧 

参考文献

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外部リンク

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