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芳野三絶

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

芳野三絶(よしのさんぜつ)は、吉野山南朝への感傷を詠った漢詩のうち、代表的な3首の七言絶句をいう総称。芳野は吉野の雅称。

全文

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梁川星巌の「芳野懐古」

今来古往事茫茫 今来 古往 事 茫茫
石馬無声抔土荒 石馬 声無く 抔土荒る
春入桜花満山白 春は桜花に入って 満山白し
南朝天子御魂香 南朝の天子 御魂香し

藤井竹外の「芳野懐古」

古陵松柏吼天飈 古陵の松柏 天飈に吼ゆ
山寺尋春春寂寥 山寺 春を尋ぬれば 春 寂寥
眉雪老僧時輟帚 眉雪の老僧 時に帚くことを輟め
落花深処説南朝 落花 深き処 南朝を説く

河野鉄兜の「芳野」

山禽叫断夜寥寥 山禽 叫断 夜 寥寥
無限春風恨未銷 無限の春風 恨み未だ銷せず
露臥延元陵下月 露臥す 延元陵下の月
満身花影夢南朝 満身の花影 南朝を夢む

頼杏坪の「遊芳野(芳野に遊ぶ)」を入れることもある。

万人買酔攪芳叢 万人 酔を買って 芳叢を攪す
感慨誰能与我同 感慨 誰か能く 我と同じき
恨殺残紅飛向北 恨殺す 残紅の 飛んで北に向うを
延元陵上落花風 延元陵上 落花の風

関連項目

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