荒野にて
荒野にて | |
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Lean on Pete | |
監督 | アンドリュー・ヘイ |
脚本 | アンドリュー・ヘイ |
原作 |
ウィリー・ブローティン 『荒野にて』(早川書房) |
製作 | トリスタン・ゴリハー |
製作総指揮 |
リジー・フランク ダーレン・M・デメトレ ヴァンサン・ガデール サム・ラヴェンダー |
出演者 |
チャーリー・プラマー トラヴィス・フィメル クロエ・セヴィニー スティーヴ・ブシェミ |
音楽 | ジェームズ・エドワード・バーカー |
撮影 | マグヌス・ジョンク |
編集 | ジョナサン・アルバーツ |
製作会社 |
ザ・ビューロウ フィルム4・プロダクションズ 英国映画協会 |
配給 |
カーゾン・アーティフィッシャル・アイ ギャガ |
公開 |
2018年5月4日 2019年4月12日 |
上映時間 | 122分[1] |
製作国 | イギリス |
言語 | 英語 |
製作費 | $8,000,000[2] |
興行収入 | $2,455,027[3] |
『荒野にて』(こうやにて、Lean on Pete)は2017年のイギリスのドラマ映画。監督はアンドリュー・ヘイ、主演はチャーリー・プラマーが務めた。ウィリー・ブローティンが2010年に発表した同名小説を原作としている。
2017年8月から9月にかけて開催された第74回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に出品され、プラマーが新人俳優賞に相当するマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞した[4]。
ストーリー
[編集]チャーリーは15才で、長らく父親のレイと2人だけで、オレゴン州ポートランドのデルタ・パークで暮らしていた。ある日、チャーリーは、デルタ・パーク内の競馬場に馬を出走させるために来ていた馬主のデルと知り合い、厩舎で馬の世話をする仕事を見つけたが、そのしばらくのちに、父親は寝取った女の亭主に襲撃されて大怪我をし入院することになってしまった。チャーリーは厩舎の仕事でリーン・オン・ピートという名前の競走馬との絆を深めていった。父親は、傷がもとで敗血症を起こし死んでしまったが、チャーリーには身寄りと言える人は、ずっと昔に父親と3人で一緒に暮らしていたマージ伯母だけで、彼女のところに行けなければ、養護施設へ預けられるのだった。だが、父親はマージ伯母の連絡先を伝えることなく死んでしまった。チャーリーは荷物をまとめて、デルタ・パークの厩舎に逃げ込んで、ピートの横の小部屋ですごし始めた。やがて、ピートは売却馬だけのレースで勝てず、デルはピートをメキシコに売る(おそらく屠殺される)ことにした。チャーリーは、ピートをデルのトレーラーに積むと、そのままウマの居場所を捜すための旅に出た。ガソリンも所持金も尽きて、チャーリーとピートは、東部オレゴンの荒野を歩いて、マージ伯母のいると思われるワイオミング州を目指した。
キャスト
[編集]- チャーリー・トンプソン: チャーリー・プラマー
- レイ・トンプソン: トラヴィス・フィメル - チャーリーの父親。
- ボニー: クロエ・セヴィニー - 女性騎手。
- デル・モンゴメリー: スティーヴ・ブシェミ - 厩舎のオーナー。
- シルヴァー: スティーヴ・ザーン - チャーリーが炊き出しで知り合った男。
- リン: エイミー・サイメッツ - レイの恋人。人妻。
- マイク: ジャスティン・レイン - チャーリーが出会った元軍人。
- ダラス: ルイス・プルマン - マイクの相棒。
- マージー伯母さん: アリソン・エリオット - レイの姉。
なお、トーマス・マンの出演シーンはポスト・プロダクションの過程で全てカットされた[5]。
製作
[編集]2015年5月、アンドリュー・ヘイがウィリー・ブローティンの小説『Lean on Pete』の映画化に着手したとの報道があった[6]。2016年7月7日、スティーヴ・ブシェミがキャスト入りしたと報じられた[7]。11日、チャーリー・プラマーの出演が決まった[8]。17日、クロエ・セヴィニーとトラヴィス・フィメルが本作に出演することになったとの報道があった[9]。9月、エイミー・サイメッツ、スティーヴ・ザーン、トーマス・マンの出演が決まった[10][11]。2017年3月、ジェームズ・エドワード・バーカーが本作の楽曲を手掛けることになったと報じられた[12]。
本作の主要撮影は2016年8月13日にオレゴン州で始まり、同年9月10日に終了した[13]。ロケ地にはポートランドやバーンズが選ばれた[14][15][16]。
公開
[編集]2016年5月、A24が本作の全米配給権を、カーゾン・アーティフィッシャル・アイが本作の全英配給権を獲得したとの報道があった[17]。2017年9月1日、本作は第74回ヴェネツィア国際映画祭でプレミアを迎えた[18]。10日、第42回トロント国際映画祭のスペシャル・プレゼンテーションで上映が行われた[19]。10月5日、本作はロンドン映画祭で上映された[20]。
当初、本作は2018年3月30日に全米公開される予定だったが[21]、後に公開日は同年4月6日に延期された。
評価
[編集]本作は批評家から絶賛されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには162件のレビューがあり、批評家支持率は90%、平均点は10点満点で7.9点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「『荒野にて』は感傷的なメロドラマに堕すことを回避し、人生の岐路に立つ主人公に感情移入しつつも、客観的な姿勢を維持している。同作での演技によって、チャーリー・プラマーには確かな才能があることが証明された。」となっている[22]。また、Metacriticには44件のレビューがあり、加重平均値は80/100となっている[23]。
出典
[編集]- ^ “荒野にて”. 映画.com. 2018年12月4日閲覧。
- ^ Tom Grater (2017年9月9日). “The story behind Andrew Haigh's 'Lean On Pete'” (英語). Screen Daily 2018年6月25日閲覧。
- ^ “Lean on Pete (2018)” (英語). The Numbers. 2020年9月1日閲覧。
- ^ “第74回ベネチア国際映画祭はギレルモ・デル・トロ監督新作に金獅子賞!”. 映画.com. (2017年9月10日) 2018年3月31日閲覧。
- ^ Kyle Turner (2018年3月19日). “A Place To Always Go Back To: Andrew Haigh and Charlie Plummer Talk Lean on Pete” (英語). Paste 2018年3月31日閲覧。
- ^ Wendy Mitchell (2015年5月21日). “Andrew Haigh's next film to be 'Lean on Pete'” (英語). Screen Daily 2018年3月31日閲覧。
- ^ Ali Jaafar (2016年7月7日). “Steve Buscemi Set To Star In Andrew Haigh’s ‘Lean On Pete’” (英語). Deadline.com 2018年3月31日閲覧。
- ^ Ali Jaafar (2016年7月11日). “Charlie Plummer Lands Lead Role in Andrew Haigh’s ‘Lean On Pete’” (英語). Deadline.com 2018年3月31日閲覧。
- ^ Ali Jaafar (2016年7月19日). “Chloe Sevigny And Travis Fimmel Join Cast Of Andrew Haigh’s ‘Lean On Pete’” (英語). Deadline.com 2018年3月31日閲覧。
- ^ Tom Grater (2016年9月10日). “First look: 'Lean On Pete'” (英語). Screen Daily 2018年3月31日閲覧。
- ^ Amanda N'Duka (2016年9月13日). “Tommy Flanagan Sings Along With ‘The Ballad Of Lefty Brown’; Thomas Mann Joins ‘Lean On Pete’” (英語). Deadline.com 2018年3月31日閲覧。
- ^ “James Edward Barker to Score Andrew Haigh’s ‘Lean on Pete’” (英語). Film Music Reporter. (2017年3月15日) 2018年3月31日閲覧。
- ^ “Middle of #nowhere last day on #leanonpete🐴 thank you” (英語). Chloë Sevigny's Instagram. 2018年3月31日閲覧。
- ^ “'Lean on Pete' filming in Portland” (英語). Oregon - KPTV - FOX 12. (2016年7月21日). オリジナルの2017年8月31日時点におけるアーカイブ。 2018年3月31日閲覧。
- ^ “Day 3....” (英語). Andrew Haigh's Instagram. 2018年3月31日閲覧。
- ^ “Film crew seeks movie extras” (英語). Burns Times-Herald. (2016年8月24日). オリジナルの2016年8月27日時点におけるアーカイブ。 2018年3月31日閲覧。
- ^ Melanie Goodfellow (2016年5月13日). “A24 picks up Andrew Haigh’s 'Lean On Pete' for North America” (英語). Screen Daily 2018年3月31日閲覧。
- ^ David Rooney (2017年9月1日). “'Lean on Pete': Film Review Venice 2017” (英語). The Hollywood Reporter 2018年3月31日閲覧。
- ^ “Lean on Pete” (英語). TIFF. 2018年3月31日閲覧。
- ^ Benedict Seal (2017年10月5日). “London Film Festival Review: Andrew Haigh‘s ‘Lean on Pete’” (英語). Vague Visages 2018年3月31日閲覧。
- ^ Ashley Lee (2017年12月7日). “'Lean on Pete' Trailer Introduces Charlie Plummer and His Horse” (英語). The Hollywood Reporter 2018年3月31日閲覧。
- ^ “Lean on Pete (2018)” (英語). Rotten Tomatoes. 2018年11月16日閲覧。
- ^ “Lean on Pete Reviews” (英語). Metacritic. 2018年11月16日閲覧。