豚萎縮性鼻炎
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豚萎縮性鼻炎(ぶたいしゅくせいびえん、英: atrophic rhinitis, AR)は、Bordetella bronchiseptica単独感染あるいはPasteurella multocidaとの混合感染を原因とするブタの感染症。豚マイコプラズマ肺炎、豚胸膜肺炎と合わせて豚の三大呼吸器病と呼ばれる。混合感染のほうが重篤な症状を示す。家畜伝染病予防法において届出伝染病に指定されている。
原因
[編集]Bordetella bronchisepticaはグラム陰性好気性球桿菌であり、強い皮膚壊死毒を産生するⅠ相菌と産生しないⅢ相菌があるが、病原性を示すのはⅠ相菌である。Pasteurella multocidaはグラム陰性好気性短桿菌であり、莢膜抗原からA~E型に分類されるが、病原性を示すのはD型とA型である。直接接触および飛沫により感染が成立する。3週齢以前での発症率は高いが、6週齢以後では発症率は極めて低い。
症状
[編集]感染初期にくしゃみ、流涙、水様性鼻汁、目頭の皮膚に黒褐色の斑点(アイパッチ)がみられ、病状が進むと顔面頭蓋の変形を起こす。後遺症として鼻曲がりを示すことがある。
診断
[編集]治療
[編集]サルファ剤、テトラサイクリン系抗生物質、カナマイシンなどを飼料添加あるいは鼻腔内スプレーとして用いる。
予防
[編集]妊娠豚にワクチンを接種し、初乳を介して子豚に抗体を移行させる。
参考文献
[編集]- 清水悠紀臣ほか 『動物の感染症』 近代出版 2002年 ISBN 4874020747