蓬田紀枝子
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蓬田 紀枝子(よもぎた きえこ、1930年(昭和5年)2月1日 - )は、日本の俳人。宮城県仙台市生まれ。俳人協会顧問、日本現代詩歌文学館評議員、日本文藝家協会会員。
経歴
[編集]昭和20年、阿部みどり女に師事、「駒草」入門。
平成6年、「駒草」二代目主宰八木澤高原逝去に伴い主宰継承。
平成12年、第14回俳人協会評論賞(『俳人阿部みどり女ノート「葉柳に…」』)[1]。
平成15年、「駒草」主宰引退(以後顧問)。
令和2年、第19回俳句四季大賞(句集『黒き蝶』)。みどり女の「目が三分、心が七分」の写生を受け継ぎ、日常の自然を詠む[2]。
著作
[編集]句集
[編集]- 『野茨』(1974年、駒草発行所)宮城県芸術選奨
- 『自註現代俳句シリーズ 蓬田紀枝子集』(1975年、俳人協会)
- 『一文字』(1987年、富士見書房)
- 『青山椒』(1995年、富士見書房)
- 『はんてんぼく』(2006年、角川書店)
- 『黒き蝶』(2019年、朔出版)俳句四季大賞
評伝
[編集]- 『俳人阿部みどり女ノート「葉柳に…」』(1999年、私家版)俳人協会評論賞
- 『脚注名句シリーズ 阿部みどり女集』(2012年、俳人協会)
作品
[編集]- 濡髪へ寒夜の汽車を通しやる(『野茨』)
- 冬暁の灰皿きのふからきれい(『野茨』)
- 寒暮少し夕焼け母に還らねば(『野茨』)
- ことごとく枯れて仁王の眼を残す(『一文字』)
- 梅雨畳蟻の魂のみ走る(『一文字』)
- 雪止んで星一粒を送り出す(『青山椒』)
- 朝涼や浸して五指の上の水(『青山椒』)
- 大ざくら夏をしだるる葉陰かな(『青山椒』)
- 赤松の赤を覚まして牡丹雪(『はんてんぼく』)
- 海鼠切り大海の水流れ出づ(『はんてんぼく』)
- 元旦の雪あをあをと畳まるる(『黒き蝶』)
- 失つてしまへば兄に積もる雪(『黒き蝶』)
句碑
[編集]- 仙台市野草園に「はんてんぼく今は芽吹きの大樹かな」の句碑がある[3]。