蛇使い
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概要
[編集]蛇使いは、蛇(主にインドコブラ)が入っているカゴやザルの前で笛を吹き、コブラを操るように見せる芸(コブラ踊り)を行う。この際のコブラの動きは、笛の音に反応しているものではなく、蛇使いが足でカゴを叩く振動や目の前の笛の動きに反応しているものである[1]。
蛇使いは集団で村を作り、幼い頃からコブラの飼育に従事して演奏者とコブラが訓練を重ねる世襲制を取っている。コブラの首元にも似た形の笛はヒョウタンから作られる[2]。
発祥のインドでは、数十万人もの蛇使いが存在していたが、2000年代後半からインド当局が野生生物保護法の適用が厳格化しコブラの捕獲が事実上不可能となった。警察による摘発も進んだため、2010年代に入るとインド国内からは急速に姿を消している[3]。
美術の中の蛇使い
[編集]「オリエンタリズム」の画家の題材のひとつとして、多くの画家によって「蛇使い」が描かれた。
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(画)アルフレート・ブレーム(c.1883)
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(画)ダニエル・エルナンデス・モリーリョ(1881)
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(画)ナスレディーヌ・ディネ (1889)
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(画)ジャン=レオン・ジェローム。『蛇使い』(1879年頃)
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雑誌「Wesleyan Juvenile Offering」の挿絵( 1865)
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インド、バラナシのヘビ使い
出典
[編集]- ^ “キングコブラ”. ナショナルジオグラフィック (ナショナルジオグラフィック) 2021年10月10日閲覧。
- ^ 湯浅浩史『ヒョウタン文化誌』岩波書店〈岩波新書(新赤版)1564〉、2015年9月18日、146頁。ISBN 978-4-00-431564-3。
- ^ 時事ドットコム:蛇遣いが失職、物乞いに=生物保護法で消える伝統-「25万人が貧困直面」・インド(2013年10月14日時点のアーカイブ)
関連項目
[編集]- ショパン猪狩 ‐ 蛇使いをモチーフにした芸を行った日本の芸人
- へびつかい座 ‐ バビロニア天文学の座る神や蛇神から来たという説、蛇と格闘する太陽と預言の神アポロンがモデルとされる説などを経て、ギリシア神話で医薬を扱うアスクレピオスがモデルとなった。
- ヴェノモイド ‐ 毒を除去した毒蛇のこと。
- キリスト教における蛇を使った儀式
- プーンギ(ビーン、南インドではマグディ) - インドの蛇使いが使用するひょうたん笛