行方昭夫
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行方 昭夫(なめかた あきお、1931年9月14日 - )は、日本の英文学者、翻訳家。 東京大学・東洋学園大学名誉教授。日本モーム協会会長。
略歴
[編集]東京生まれ。父は朝日生命保険社長を務めた行方孝吉[1]。 東京都立九段高等学校卒、1955年東京大学教養学部イギリス科卒業、1958年同英文科大学院修士課程修了、1966年東大教養学部助教授、1983年教授。1992年定年退官、東洋学園大学教授、学長を務めた。
活動
[編集]朱牟田夏雄、上田勤に師事し、アメリカ文学者としてヘンリー・ジェイムズを専攻していたが、英文読解者としても多くの著作を刊行し、英文学、英語学の専門誌である英語青年において英文解釈練習のコーナーを長年隔月で担当。岩波書店の同時代ライブラリー[2]・オリジナル版として出た『英文快読術』(は、同シリーズで最も売れたという。『イシ』(や、ジェイムズ、サマセット・モームなど、正確な翻訳を次々と生み出している。
著書
[編集]- ※は電子書籍版も刊行
- 『英文快読術』(岩波同時代ライブラリー) 1994、岩波現代文庫 2003
- 『英語のこころを読む』(ちくま学芸文庫) 1996
- 全面改訂版『実践 英文快読術』(岩波現代文庫) 2007
- 『英語のセンスを磨く 実践英語への誘い』(岩波書店) 2003
- 改訂版『英語のセンスを磨く 英文快読への誘い』(岩波現代文庫) 2017※
- 『英語の発想がよくわかる表現50』(岩波ジュニア新書) 2005※
- 『英文の読み方』(岩波新書) 2007
- 『サマセット・モームを読む』(岩波書店、岩波セミナーブックス) 2010
- 『解釈につよくなるための英文50』(岩波ジュニア新書) 2012※
- 『モームの謎』(岩波現代文庫) 2013
- 『身につく英語のためのA to Z』(岩波ジュニア新書) 2014※
- 『英会話不要論』(文春新書) 2014※
- 『東大名誉教授と名作・モームの『赤毛』を読む 英文精読術』(DHC) 2015/学研※(各・改訂版 2024)
- 『東大名誉教授と名作・モームの『大佐の奥方』を訳す 英文翻訳術』(DHC) 2016/学研※
- 『東大名誉教授と名作・モームの『物知り博士』で学ぶ 英文読解術』(DHC) 2017/学研※
- 『東大名誉教授と原文で楽しむ英文読書術』(DHC) 2017
- 『実践 英語のセンスを磨く - 難解な作品を読破する』(岩波現代文庫) 2018
- 『東大名誉教授と原文で楽しむ英文読書術 イギリスエッセイ編』(DHC) 2018
- 『読解英文傑作エッセイ21選 生きるヒント』(DHC) 2020
- 『読解力をきたえる英語名文30』(岩波ジュニア新書) 2022※
共編著
[編集]- 『サマセット・モーム』(朱牟田夏雄と共編著、研究社、20世紀英米文学案内19) 1966
- 『劇場』『クリスマスの休暇』の作品論について執筆、エッセイの『サミング・アップ』『極めて個人的な話』『一作家の手帖』の解説と内容紹介、旅行記全般に関する解説と内容紹介、書誌・年表
翻訳
[編集]- 『サンチェスの子供たち』(オスカー・ルイス、柴田稔彦共訳、みすず書房) 1969
- 『ラ・ビーダ プエルト・リコの一家族の物語』(オスカー・ルイス、上島建吉共訳、みすず書房) 1970
- 『イシ 北米最後のインディアン』(シオドーラ・クローバー、岩波書店) 1970/改訳・岩波同時代ライブラリー 1991、岩波現代文庫 2003
- 『わたしエトセトラ』(スーザン・ソンタグ、新潮社) 1981
- 『ペンギン帝国を築いた男』(J・E・モーパーゴ、中央公論社) 1981
- 『一人の男と二人の女』(ドリス・レッシング、福武文庫) 1990
- 『五番目の男』(ロバートソン・デイヴィス、福武書店) 1991
- 『ナボコフのドン・キホーテ講義』(ウラジーミル・ナボコフ、河島弘美共訳、晶文社) 1992
- 『どん底の人びと ロンドン1902』(ジャック・ロンドン、岩波文庫) 1995
- 『姉なる月 アリューシャン黙示録 第2部』(スー・ハリソン、晶文社) 1996
- 『兄なる風 アリューシャン黙示録 第3部』(スー・ハリソン、河島弘美共訳、晶文社) 1997
- 『癒される日々 ペットの死をこえて』(ゲーリー・コワルスキー、西川健誠共訳、晶文社) 2000
- 『たいした問題じゃないが - イギリス・コラム傑作選』(編訳、岩波文庫) 2009
- 『モナリザの微笑 ハクスレー傑作選』(オルダス・ハクスレー、講談社文芸文庫) 2019※
ヘンリー・ジェイムズ
[編集]- 『アスパンの恋文』(ヘンリー・ジェイムズ、八潮出版社) 1965/改訳(岩波文庫 1998
- 『モーヴ夫人』(ヘンリー・ジェイムズ、八潮出版社) 1977
- 『デイジー・ミラー 他三篇』(ヘンリー・ジェイムズ、八潮出版社) 1989
- 改訳『ねじの回転 / デイジー・ミラー』(岩波文庫) 2003
- 『嘘つき』(ヘンリー・ジェイムズ、福武文庫) 1989
- 『ある婦人の肖像』上・中・下(ヘンリー・ジェイムズ、岩波文庫) 1996
- 『ヘンリー・ジェイムズ傑作選』(ヘンリー・ジェイムズ、講談社文芸文庫) 2017※
- 『ロデリック・ハドソン』(ヘンリー・ジェイムズ、講談社文芸文庫) 2021
サマセット・モーム
[編集]- 『人間の絆』上・中・下(サマセット・モーム、岩波文庫) 2001
- 『月と六ペンス』(サマセット・モーム、岩波文庫) 2005
- 『サミング・アップ』(サマセット・モーム、岩波文庫) 2007
- 『モーム短篇選』上・下(サマセット・モーム、岩波文庫) 2008
- 『モーム語録』(サマセット・モーム、編訳、岩波現代文庫) 2010
- 『お菓子とビール』(サマセット・モーム、岩波文庫) 2011
- 『聖火』(サマセット・モーム、講談社文芸文庫) 2017※
- 『報いられたもの / 働き手』(サマセット・モーム、講談社文芸文庫) 2018※
脚注
[編集]参考
[編集]- 駒場1991