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西ロマンス語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
西ロマンス語
話される地域フランスイベリア半島北イタリアスイス
言語系統インド・ヨーロッパ語族
原型
古ラテン語
下位言語
Glottologwest2813[2]
ロマンス語の分類
ロマンス語の系統樹(簡略版)

西ロマンス語(にしロマンスご、: Western Romance languages)は、ラ・スペツィア=リミニ線を基準としたロマンス諸語の二大下位区分のひとつ。ガロ・ロマンス語イベロ・ロマンス語、オクシタニー・カタロニア語(前二者のうちどちらかに含む考えもある)に大別される。ガロ・イタリア語を含む場合もある。複数形での「s」の使用、イタリア語やルーマニア語の /t͡ʃ/ と比較して、/t͡s/(しばしば /s/)の「軟らかいC英語版」音を持つ点が特徴とされる。

相互理解可能性に基づいて、ダルビー(Dalby)はポルトガル語スペイン語アストゥリアス語アラゴン語カタルーニャ語ガスコーニュ語プロヴァンス語ガロ=ワロン語フランス語アルピタン語ロマンシュ語ラディン語フリウリ語の13言語に分類している[3]

イタロ・ダルマチア語と共にイタロ・西ロマンス語として分類されることもある。イタロ・ダルマチア語を東ロマンス語に含む分類法もある。

サルデーニャ語は東西ロマンス語どちらにも属さず、両者より早い段階で分岐した。

今日、話者数を基準にした四大標準化西ロマンス語はスペイン語(母語話者が約4.86億人、第二言語話者が約1.25億人)、ポルトガル語(母語話者が約2.2億人、第二言語話者が約4500万人、多くがアフリカ英語版に居住)、フランス語(母語話者が8000万人、第二言語話者が約7000万人、多くがアフリカのフランス語圏に居住)、カタルーニャ語(母語話者が720万人)である。これらの多くは膨大な数の非母語話者を持つ。特にフランス語は西アフリカリングワ・フランカとして広く使われている。


ガロ・ロマンス語

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ガロ・ロマンス語には以下の言語が含まれる。

また、以下の言語が含まれることもある。

オイル語、アルピタン語、レト・ロマンス語ははガロ・レト語としてまとめられることもあるが、複数の言語学者によってレト・ロマンス語と同じグループに属するとされるガロ・イタリア語をここから除外するのは困難である[6]

イベロ・ロマンス語

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イベリア半島のイベロ・ロマンス語には以下の言語が含まれる[7]

オクシタニー・カタロニア語

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前二者に含まれることもあるが、ガロ・ロマンス語、イベロ・ロマンス語どちらの特徴も持ち合わせていない。以下の言語が含まれる。

脚注

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  1. ^ a b Rebecca Posner, The Romance Languages (series: Cambridge Language Surveys), Cambridge University Press, 1996 (3rd printing 2004), p. 197
  2. ^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Western Romance”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History. http://glottolog.org/resource/languoid/id/west2813 
  3. ^ David Dalby, 1999/2000, The Linguasphere register of the world’s languages and speech communities. Observatoire Linguistique, Linguasphere Press. Volume 2. Oxford.[1]
  4. ^ Maiden, Martin; Smith, John Charles; Ledgeway, Adam (2011) (英語). The Cambridge History of the Romance Languages. Cambridge University Press. pp. 167. ISBN 9780521800723. https://books.google.com/books?id=sE-N3v0IoXcC 
  5. ^ Maiden, Martin; Smith, John Charles; Ledgeway, Adam (2013-10-24) (英語). The Cambridge History of the Romance Languages: Volume 2, Contexts. Cambridge University Press. pp. 173. ISBN 9781316025550. https://books.google.com/books?id=P8NkAwAAQBAJ 
  6. ^ Hull, Geoffrey, The Linguistic Unity of Northern Italy and Rhaetia: Historical Grammar of the Padanian Language, Sydney: Beta Crucis, 2017. 2 vols.
  7. ^ Nordhoff, Sebastian; Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin, eds. (2013). "Western Romance". Glottolog. Leipzig: Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology.
  8. ^ Maiden, Martin; Smith, John Charles; Ledgeway, Adam (2013-10-24) (英語). The Cambridge History of the Romance Languages: Volume 2, Contexts. Cambridge University Press. pp. 173. ISBN 9781316025550. https://books.google.com/books?id=P8NkAwAAQBAJ 
  9. ^ Tomas Arias, Javier (2016). Elementos de lingüística contrastiva en aragonés. Estudio de algunas afinidades con gascón, catalán y otros romances. Barcelona: Universitat de Barcelona