大阪愛犬家連続殺人事件
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(警察庁広域重要指定120号事件から転送)
大阪愛犬家連続殺人事件(おおさかあいけんかれんぞくさつじんじけん)とは、1992年に大阪府で発生した殺人事件である。警察庁広域重要指定事件120号[1]。
事件の経緯
[編集]犯人である自称「犬の訓練士」の男(当時39歳)は犬好きであり、ある日かかりつけの獣医師が子犬に筋弛緩剤(塩酸スキサメトニウム)を注射して安楽死させているのを見て、獣医師から口実をもうけて筋弛緩剤を入手した。
犯人は十分な知識も持たずに長野県塩尻市内の土地を借り、犬の訓練所を開業。営業資金は口コミや、自ら出向いて街で声をかけたりして集めていた。
1992年4月ごろ、旧友の男性(当時25歳)と散歩中に偶然再会、しかしそのうち口論などのトラブルにより筋弛緩剤を注射して最初の殺人を犯す。他にも1992年から1993年にかけて出資上のトラブルから計4人の男女を筋弛緩剤で相次いで殺害、遺体は訓練所の敷地内に埋めて遺棄した。
警察は失踪した男女の共通点が愛犬家であったため、その線で捜査したところ犯人が浮上。1994年1月26日に殺人・死体遺棄の罪で逮捕された。
このほか、1990年に静岡県のパチンコ店員の男性(当時18歳)を殺害し、山梨県上九一色村の青木ヶ原樹海に遺棄したと自供したが、遺体は発見されず、立件されていない。
なお、1993年には埼玉県でも愛犬家連続殺人事件が起きている。本事件とは無関係であるが、愛犬家の失踪という点で共通点があり、本事件の報道が、埼玉の事件発覚のきっかけとなった。