赤色立体地図
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赤色立体地図(せきしょくりったいちず、英語: Red Relief Image Map)は、地形の可視化手法の1つである[1]。2002年にアジア航測の千葉達朗が発案した[1]。
航空レーザー測量により得られた、数値標高モデルのデータを用いて作成された、方向依存性がない地図であり、どの方向から見ても立体的にみえる[2]。
特徴
[編集]赤色立体地図は、傾斜と尾根谷度[注釈 1]のデータを重ね合わせている[3]。赤色の彩度は傾斜、明度は尾根谷度により決定される[3]。
赤色でなくても立体地図は作成可能であるが、立体感が最も強く表れる色として赤色が利用された[3]。
経緯
[編集]青木ケ原樹海の調査時に、航空レーザー測量では観測できている複雑な地形が地形図では適切に表示されていないことを踏まえて、航空レーザー測量の成果を地図に表現するための新たな方法を考案してできた[4]。
評価
[編集]ジオパークにおいて、大局的な地形の理解や、興味関心の生起の観点から、地形図より有用との報告がある[5]。
その他
[編集]2017年4月1日から一部データの無料公開が開始された[7]。
また、2018年6月6日から、地理院地図でも赤色立体地図が閲覧できる[8]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 尾根谷度 = (地上開度 - 地下開度) / 2
出典
[編集]- ^ a b 千葉ほか 2007, p. 27.
- ^ 千葉ほか 2003, p. 2.
- ^ a b c 千葉ほか 2007, p. 33.
- ^ “ブラタモリの「アレ」、赤色立体地図って何?”. AERA dot (2015年10月31日). 2020年5月23日閲覧。
- ^ 村越ほか 2011, p. 26.
- ^ “地図 [赤色立体地図] | 受賞対象一覧 | Good Design Award”. 2020年5月23日閲覧。
- ^ “【無料提供】赤色立体地図の最新版を4/1からWebで! 幅広い活用や利用研究に期待”. 建設通信新聞 (2017年3月29日). 2020年5月23日閲覧。
- ^ “地形が直感的にわかる地図を公開します”. 国土地理院 (2018年6月6日). 2020年5月23日閲覧。
参考文献
[編集]- 千葉達朗・沼田洋一「赤色立体地図」『写真測量とリモートセンシング』第42巻第4号、2003年、2-3頁。
- 千葉達朗・鈴木雄介・平松孝晋「地形表現手法の諸問題と赤色立体地図」『地図』第45巻第1号、2007年、27-36頁。
- 村越真・小山真人・上西智紀「ジオパークでの地形・地質学的特徴把握を促進する地図表現の検討」『地図』第49巻第3号、2011年、17-27頁。