走井
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走井(はしりい、はしい)は、「勢いよく湧き出す井戸や湧水、岩間から迸る清水」といった意味の古くからある言葉で[1][2][3]、転じて人名や地名となっている。万葉集[4]や催馬楽[5]、和歌などに詠われており[6]、枕草子にも記述がある[7]。走り井とも表記される。
地名
[編集]湧水
[編集]- 走井 (大津市坂本) - 滋賀県の日吉大社にある清めの泉。傍らに走井祓殿社、走井橋、走井杉がある。近くの求法寺では本堂を走井堂と呼んでいる。
- 走井 (大津市大谷町) - 滋賀県の逢坂関と髭茶屋追分の間にある湧水で、東海道の名所。茶店が湧水で作った走井餅が名物となった。橋本関雪の所有を経て、現在は瑞米山月心寺の所有となっている[8]。
字
[編集]人名
[編集]日本人の姓。
- 走井(はしりい)
- 走井(はしい)
企業
[編集]- 株式会社やわた走井餅本舗 - 走井餅創業の井口家直系が石清水八幡宮一ノ鳥居まえに移って営業している[12]。
- 株式会社走り井餅本家 - 走井餅創業家の末裔片岡家が東海道名物として営業している[13]。
関連項目
[編集]- 迸出泉
- 大谷駅 (滋賀県) - 走井 (大津市大谷町)の最寄り駅だったが、廃駅となった。
- 蝉丸 - 小倉百人一首の「これや此の 行くも帰るも 別かれては 知るも知らぬも 逢坂の関」で名高い。
- 関蝉丸神社 - 蝉丸を祀る神社。
- 大津算盤
- 大津絵
- 音羽山 (滋賀県・京都府) - 大谷町の走井と連なる。逢坂関とあわせて和歌によく詠われる。
- 名所図会 - 東海道名所図会、伊勢参宮名所図会に走井茶店が描かれている。
- 秋里籬島 - 東海道名所図会、伊勢参宮名所図会の作者。
- 蔀関月 - 伊勢参宮名所図会の挿絵を担当した。
脚注
[編集]- ^ “走井”. コトバンク. 株式会社DIGITALIO. 2022年8月9日閲覧。
- ^ “はしり‐い【走井】(‥ゐ)”. 日本国語大辞典. Sora. 2022年8月9日閲覧。
- ^ “迸出泉”. コトバンク. 株式会社DIGITALIO. 2022年8月9日閲覧。
- ^ 1113番、1127番
- ^ 「走井の 小萱刈り収め かけ」
- ^ 「走井の筧の水の涼しさに 越えもやられず逢坂の関」(藤原清輔) など多数
- ^ 「はしりゐはあふさか(逢坂)なるがをかしきなり」など
- ^ “走井について”. 瑞米山月心寺. 2022年8月10日閲覧。
- ^ “滋賀県の棚田:栗東市荒張 「走井(はしり)」”. 農村の振興. 滋賀県. 2022年8月11日閲覧。
- ^ “こころはしるはずむ、らんらん走井”. 栗東市観光協会. 2022年8月11日閲覧。
- ^ “豊中市にある走井(はしりい)という地名の由来がわかる資料はあるか。”. レファレンス協同データベース. 国立国会図書館 (2015年2月15日). 2022年8月9日閲覧。
- ^ “やわた走井餅の歴史”. 歴史と由来. 株式会社やわた走井餅老舗. 2022年8月9日閲覧。
- ^ “走井と走井餅は、いま”. 株式会社走り井餅本家. 2022年8月9日閲覧。