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輸入デフレ論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

輸入デフレ論(ゆにゅうデフレろん)とは、安価な輸入品によってデフレが起きるとする考え方。輸入デフレ説とも言う。

概要

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日本の平成デフレは、中国を初めとした新興国からの安価な輸入品によって引き起こされたとする説である。あるいは貿易自由化に関する議論などにおいても、輸入が増加するとデフレが進行するという意見が唱えられることがある。

一方、理論的には輸入品価格の下落は相対価格の変化に過ぎず一般物価の下落であるデフレとは、短期的な調整期間を除き[1]直接結びつかないことや、非輸入競合財価格の下落あるいは国内生産物付加価値の価格を表すGDPデフレータの下落を説明できないこと、また、日本以外の先進国新興国からの輸入を行っていたにもかかわらずデフレ傾向が表れたわけではないことなどから、デフレが安価な輸入品によって引き起こされたとする説には否定的な見方も多い[2][3][4][5][6][7]

また、輸入品による価格の低下は、安価な商品が購入可能になることから消費者の購買力を増加させ、また、原材料費が低下することから企業の利潤も増加させるため、賃金・購買力や利潤を逼迫して不況を生み出すような一般物価の下落であるデフレとは異なることに注意が必要である。特に、交易条件の改善を伴う形での安価な輸入の拡大は経済に好影響を与える。これは、逆の場合を考えるとわかりやすい。たとえば原油価格が上昇した場合、一時的には物価全体が上昇してインフレ傾向となりえる[1]が、原油価格上昇により交易条件が悪化していると景気は下押しされる。

脚注

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  1. ^ a b 供給ショックと短期の物価変動渡辺努他、RIETIディスカッション・ペーパー(2003)
  2. ^ 平成13年度 年次経済財政報告内閣府
  3. ^ 伝説の教授に学べ! 本当の経済学がわかる本、浜田宏一他 著、東洋経済新報社(2010)
  4. ^ デフレの罠をうち破れ、新保生二 著、中央公論新社(2003)
  5. ^ 永田町の経済学山本幸三
  6. ^ 池田信夫 blog part2
  7. ^ Japan Mail Media Q.329

参考文献

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  • ユニクロ型デフレと国家破産、浜矩子 著、文藝春秋(2010)

外部リンク

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関連項目

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