辱包文化
辱包文化(または「乳包文化」)は、中国共産党の総書記である習近平を悪搞し、風刺し、侮辱し、嘲笑するインターネットミームである。2013年の習近平肉まん喫食事件以来、彼は「肉まん皇帝」または「習肉饅頭」と呼ばれるようになり、このミームが始まった[1] 。
関連イベント
[編集]2013年、習近平は北京市西城区の月壇北街にある慶豊包子舗を訪問した。そこから習近平に「包子(パオズ)」、すなわち肉まんというあだ名がつけられた。習近平は強権を振るう姿が「皇帝」と揶揄されることがあるが、肉まん事件とセットで「包子帝」と揶揄したり、「慶豊」を諡号に見立てて「慶豊帝」などと揶揄するネチズンが現れた[1]。また、2018年に中国国家主席の任期制限を削除する憲法改正がなされた時、憲法の「憲」と肉まんの「餡」が同じ発音であることから、「包子露餡」(肉まんの餡があらわになる)ならぬ「包子露憲」(肉まん=習近平が憲法をあらわにする)という揶揄が登場した[2]。
習近平の見た目がくまのプーさんに似ているというところから、2017年に習近平をくまのプーさんに見立てたパロディーがインターネットに登場したが、すぐに「くまのプーさん」に関するネット検閲が行われて話題になった[3] 。 WeChatとSinaWeiboで「くまのプーさん」と入力すると関連記事が表示されるが、Weiboに「くまのプーさん」と入力すると、コメントは失敗したという通知が表示される。また、WeChatの「くまのプーさん」の絵文字は削除された[4] 。なお、パロディー動画はYouTubeに多数投稿されている[5] [6] 。
2019年12月、中国の問い合わせサイトである知乎で、ネチズンが「首の細い瓶(フラスコ)を洗う方法」と尋ねたところ、「細頸瓶」の発音が「習近平」と同じであることを理由に、知乎は「インターネット違反-関連する法律や規制」によって削除した。これについても関連記事がインターネットに掲載され、「瓶に蜂蜜をつめろ」(くまのプーさんを意識した「回答」)などのパロディーが作成された[7] 。
2020年、COVID-19の流行における習近平の働きに不満を持った中国のネチズンは、SNSで「翠」という単語を用い始めた。「翠」の漢字を分解すれば、「习」「习」「卒」となるが、「习」は習の簡体字であり「卒」は死ぬという意味である。SinaWeiboでは「毎日祈翠超话」(毎日習近平の死を祈る、というトピック)が登場し、多くのネチズンがこのトピックの転載や参加のためにアカウントを削除された[8] 。
脚注
[編集]- ^ a b “【蘋果互動】習包子不高興竟找老記者出氣?”. 香港蘋果日報 (2014年5月8日). 2022年4月10日閲覧。
- ^ “中共心虚封杀一堆网络讽刺词汇“包子露宪”“黄袍加身”. 法國國際廣播電台. 2022年9月6日閲覧。
- ^ “观察:小熊维尼在中国动了谁的蜜糖被封杀?”. BBC 中文网. (2017年7月17日). オリジナルの2019年5月25日時点におけるアーカイブ。 2020年4月2日閲覧。
- ^ “太像習近平? 「小熊維尼」慘遭「河蟹」”. 香港01 (2017年7月17日). 2019年12月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月4日閲覧。
- ^ “「辱包拜年祭」戲謔習近平 中國網友「被失蹤」YT頻道被封”. 自由時報 (2021年2月14日). 2022年4月10日閲覧。
- ^ “拍影片諷刺習近平 中國網友「被失蹤」、YouTube頻道遭封”. 台灣蘋果日報 (2021年2月13日). 2022年4月10日閲覧。
- ^ “「細頸瓶怎麼洗」中國網友認真問答 「知乎」立馬刪除”. 'www.upmedia.mg'. 上報. 2020年3月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月4日閲覧。
- ^ “【敏感词库】“翠”与“祈翠超话””. 中国数字时代. 2020年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月4日閲覧。