逢った途端にひとめぼれ
「逢ったとたんにひとめぼれ」 | ||||
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テディ・ベアーズ の シングル | ||||
B面 | くよくよするなよ | |||
リリース | ||||
録音 | 1958年 | |||
ジャンル | ポップス | |||
時間 | ||||
レーベル | ドレ・レコード | |||
作詞・作曲 | フィル・スペクター[2] | |||
プロデュース | フィル・スペクター | |||
チャート最高順位 | ||||
ビルボード1位 | ||||
テディ・ベアーズ シングル 年表 | ||||
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「逢ったとたんにひとめぼれ」("To Know Him Is to Love Him"、邦題としては「つのる想い」とも)は、フィル・スペクターが、父親の墓銘碑の"To Know Him Was to Love Him" に触発されて作詞作曲した楽曲。この曲は、スペクターもメンバーだったボーカルグループのテディ・ベアーズによって最初に録音された[2]。このバージョンは、1958年にBillboard Hot 100チャートで3週にわたって1位となり[3]、英国のニュー・ミュージカル・エクスプレス・チャートでも2位に達した[4]。後年、ピーター&ゴードンおよびボビー・ヴィントンは曲のタイトルと歌詞を "To Know You Is to Love You" と改変したバージョンでヒットを飛ばした。1987年に、ドリー・パートン、リンダ・ロンシュタット、エミルー・ハリスによってアルバム『トリオ』に収録されてシングルカットされ、全米カントリーシングルチャートの1位となった。
この曲は12/8拍子となっている。
解説
[編集]テディ・ベアーズはフィル・スペクター自らがグループの一員として参加し、マーシャル・リーブ、アネット・クレインバードからなる3人組で、のちにレコード制作者として独特の録音技術"Wall of sound"で、数多くのヒットを出したフィル・スペクターのグループ。グループ名はエルヴィス・プレスリーのヒット曲「テディ・ベア」からとられている[5]。スペクターは1958年当時は作曲活動をしており、"To know him is to love him"は、その過程で作曲された作品であり、録音は常時利用していたハリウッドのゴールド・スター・スタジオで短時間でなされた。タイトルはスペクターの父の墓碑銘からヒントを得てつけられた。スペクターにとって最初のナンバーワン・ソングとなり、以降は制作者として数多くのヒットを生み出していった[6]。
チャート成績
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通算チャート[編集]
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ピーター&ゴードン
[編集]「つのる想い (To Know You Is to Love You)」 | ||||
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ピーター&ゴードン の シングル | ||||
B面 |
アイ・トールド・ユー・ソー I Told You So | |||
リリース | ||||
録音 | 1965年 | |||
ジャンル | ポップ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | キャピトル | |||
作詞・作曲 | フィル・スペクター | |||
プロデュース | ジョン・バージェス | |||
ピーター&ゴードン シングル 年表 | ||||
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1965年にピーター&ゴードンは、この曲のカバーを "To Know You Is to Love You" のタイトルで発売した。ピーター&ゴードンのバージョンは全英シングルチャートで10週間チャートインし、最高で5位となり[10]、カナダでもRPMのプレイシートで5位となった[11]。アメリカ合衆国では、Billboard Hot 100チャートに7週間とどまり、最高で24位となった[12]。
チャート成績
[編集]チャート(1965年) | 最高順位 |
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アイルランド (IRMA)[13] | 5 |
全英シングルチャート | 5 |
カナダ – RPM プレイシート[14] | 5 |
全米 – Billboard Hot 100 | 24 |
ボビー・ヴィントン
[編集]「逢ったとたんに一目ぼれ (To Know You Is to Love You)」 | ||||
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ボビー・ヴィントン の シングル | ||||
B面 |
ビート・オブ・マイ・ハート The Beat of My Heart" | |||
リリース | ||||
録音 | 1969年 | |||
時間 | ||||
レーベル | エピック | |||
作詞・作曲 | フィル・スペクター | |||
プロデュース | ビリー・シェリル | |||
ボビー・ヴィントン シングル 年表 | ||||
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1969年、ボビー・ヴィントンは、この曲のカバーを "To Know You Is to Love You" のタイトルで発売した。ヴィントンによるカバーバージョンはBillboard Hot 100に7週間チャートインし、最高で34位に達し[15]、ビルボードのイージーリスニング部門の8位となり[16]、カナダではRPM 100チャートの16位を獲得し[17]、RPMアダルト・コンテンポラリー・チャートでは6位となった[18]。
チャート成績
[編集]チャート(1969年) | 最高順位 |
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全米 – Billboard Hot 100 | 34 |
全米 – Billboard イージーリスニング | 8 |
カナダ – RPM 100 | 16 |
カナダ – RPM アダルト・コンテンポラリー | 6 |
カナダ – CHUM 30[19] | 14 |
ドリー・パートン、リンダ・ロンシュタット、エミルー・ハリス
[編集]「つのる想い (To Know Him Is to Love Him)」 | |||||||||||||||||||||||||||||
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ドリー・パートン、リンダ・ロンシュタット、エミルー・ハリスのシングル | |||||||||||||||||||||||||||||
収録アルバム | 『トリオ』 | ||||||||||||||||||||||||||||
リリース | 1987年1月26日 | ||||||||||||||||||||||||||||
ジャンル | カントリー | ||||||||||||||||||||||||||||
時間 | 3分48秒 | ||||||||||||||||||||||||||||
レーベル | ワーナー | ||||||||||||||||||||||||||||
作詞者 | フィル・スペクター | ||||||||||||||||||||||||||||
プロデュース | ジョージ・マッセンバーグ | ||||||||||||||||||||||||||||
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1987年にドリー・パートン、リンダ・ロンシュタットおよびエミルー・ハリスはこの曲をカバーし、グラミー賞受賞アルバムでマルチミリオンディスクの『トリオ』に収録するとともに、アルバムからの最初のシングルとしてリリースした。
このカバーバージョンは、1987年5月16日に全米ホット・カントリー・ソング チャートの1位を獲得した。ロンシュタットの当時のボーイフレンドだったジョージ・ルーカスが監督したミュージックビデオはCMTで継続的に放映された[20][21]。
チャート成績
[編集]チャート(1987年) | 最高順位 |
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全米 Billboard ホット・カントリー・シングル[22] | 1 |
カナダ RPM カントリー・トラック | 1 |
その他のカバー
[編集]- ビートルズは "To Know Her Is to Love Her" と改題したカバーバージョンを2回録音している。1回目はデッカ・レコードでの1962年1月のオーディションテープのものであり、グループ存続中は公開されず、『ザ・ビートルズ・アンソロジー1』にも収録されなかった。2回目は1963年7月16日にラジオ番組『ポップ・ゴー・ザ・ビートルズ』で録音されたもので、1994年のコンピレーションアルバム『ザ・ビートルズ・ライヴ!! アット・ザ・BBC』までは公式リリースされなかった。ジョン・レノンはこの曲のカバーを "To Know Her Is to Love Her" として1973年に録音したが、1986年に発表された未発表音源集『メンローヴ・アヴェニュー』で初公開された[23]。
- 1972年に、ジョディ―・ミラーはカバーバージョンをシングルとして発売するとともに、アルバム『There's a Party Goin' On』に収録した[24]。ミラーのバージョンはビルボードのホット・カントリー・シングル チャートの18位に達し[25]、レコード・ワールド誌のカントリー・シングル・チャートの20位となり[26]、キャッシュボックス誌のカントリー・トップ75チャートの21位を獲得した[27]。このこのバージョンはまた、カナダのRPM誌のカントリー・プレイリストで12位に達した[28]。
- 1973年に、ゲイリー・グリッターは、タイトルを "To Know You Is to Love You" としたバージョンを自身のアルバム『タッチ・ミー』に収録した。
- 2006年、エイミー・ワインハウスはイギリスで発売されたシングル「You Know I'm No Good」のB面にこの曲のカバーを収録した[29][30]。
- 2010年、ピンク・フロイドの元メンバーであるロジャー・ウォーターズとデヴィッド・ギルモアはホーピング基金のチャリティーコンサートでこの曲を演奏するために再開を果たした
日本における著名なカヴァー
[編集]- モコ・ビーバー・オリーブ(1969)アルバム『わすれたいのに』に「つのる想い」として収録。
- つちやかおり(1982)アルバム『哀愁のオリエント急行』に「つのる想い」として収録。
- アン・ルイス(1982)アルバム『Cheek II』に原題の「TO KNOW HIM IS TO LOVE HIM」として収録。
脚注
[編集]- ^ Classic Tracks, Back To Back Singles; Thunder Bay Press, 2008.
- ^ a b “Show 14 – Big Rock Candy Mountain: Rock 'n' roll in the late fifties. [Part 4] : UNT Digital Library”. Pop Chronicles. Digital.library.unt.edu (April 27, 1969). September 9, 2010閲覧。
- ^ Whitburn, Joel (1987). The Billboard Book of Top 40 Hits. Billboard Publications, Inc. p. 301.
- ^ Teddy Bears – Full Official Chart History, Official Charts Company. Accessed October 27, 2015
- ^ Jancik, Wayne (1990). Billboard book of one hit wonders. Billboard Books. p. 57. ISBN 08230-7530-3
- ^ Warner, Jay (1985). Billboard book of american singing groups; a history, 1940-1990. Billboard Books. p. 303-305. ISBN 0-8230-8264-4
- ^ “CHUM Hit Parade - December 1, 1958”. 2023年12月12日閲覧。
- ^ "Hot R&B Sides", Billboard, December 8, 1958. p. 34. Accessed October 27, 2015
- ^ “Billboard Hot 100 60th Anniversary Interactive Chart”. Billboard 10 December 2018閲覧。.
- ^ Peter & Gordon – Full Official Chart History, Official Charts Company. Accessed October 27, 2015
- ^ "R.P.M. Play Sheet", RPM Weekly, Volume 3, Ed. 25, August 16, 1965. Accessed October 27, 2015
- ^ Peter & Gordon – Chart History – The Hot 100, Billboard.com. Accessed October 27, 2015
- ^ "The Irish Charts – Search Results – To Know Him Is to Love Him". Irish Singles Chart. Retrieved April 14, 2020.
- ^ “RPM Top 40 Play List - August 16, 1965”. 2023年12月12日閲覧。
- ^ Bobby Vinton – Chart History – The Hot 100, Billboard.com. Accessed October 25, 2015
- ^ Bobby Vinton – Chart History – Adult Contemporary, Billboard.com. Accessed October 25, 2015
- ^ "The RPM 100", RPM Weekly, Volume 11, Ed. 11, May 12, 1969. Accessed October 25, 2015
- ^ "Young Adult", RPM Weekly, Volume 11, Ed. 11, May 12, 1969. Accessed October 25, 2015
- ^ “CHUM 30 – May 17, 1969”. CHUM. November 7, 2006時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月17日閲覧。 Collector's issue No. 41.
- ^ Lewry, Peter (2010). Linda Ronstadt: A Life In Music, Second edition. Andrews UK Limited. ISBN 9781849892476
- ^ Newton, Dione (Director) (2016). Sisters in Country: Dolly, Linda and Emmylou (Documentary). UK: ВВС. 該当時間: 47:50.
- ^ Whitburn, Joel (2004). The Billboard Book of Top 40 Country Hits: 1944–2006, Second edition. Record Research. p. 152
- ^ “To Know Her Is to Love Her”. Beatlesbible.com (March 16, 2008). 2016年8月28日閲覧。
- ^ "Billboard Album Reviews", Billboard. September 2, 1972. p. 34. Retrieved February 14, 2021.
- ^ "Hot Country Singles", Billboard. December 23, 1972. p. 28. Retrieved February 14, 2021.
- ^ "The Country Singles Chart", Record World. December 16, 1972. p. 62. Retrieved February 14, 2021.
- ^ "Cash Box Country Top 75", Cash Box. December 16, 1972. p. 38. Retrieved February 14, 2021.
- ^ "The Programmers Country Playlist", RPM. Volume 18, No. 19. December 23, 1972. Retrieved February 14, 2021.
- ^ Marcus, Greil (29 August 2014). “How Amy Winehouse made 'To Know Him is to Love Him' her own”. TheGuardian.com. 20 July 2021閲覧。
- ^ “You Know I'm No Good by Amy Winehouse”. Songfacts. 20 July 2021閲覧。
- ^ https://www.hopingfoundation.org/events-entries/2017/12/21/hoping-for-the-children-of-palestine
- ^ “ロジャー・ウォーターズのザ・ウォール・ツアーにデイヴ・ギルモアも特別出演” (2010年7月16日). 2023年12月12日閲覧。
外部リンク
[編集]参考文献
[編集]- Top Pop singles; 1955-2012, ed. by Joel Whitburn Record Research, c2013
- Top Pop Albums; 1995-1992, ed. by Joel Whitburn Record Research, c1993
- Top Country Singles; 1944-1993, ed. by Joel Whitburn Record Research, c1994