コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

逢った途端にひとめぼれ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「逢ったとたんにひとめぼれ」
テディ・ベアーズシングル
B面 くよくよするなよ英語版
リリース
録音 1958年
ジャンル ポップス
時間
レーベル ドレ・レコード英語版
作詞・作曲 フィル・スペクター[2]
プロデュース フィル・スペクター
チャート最高順位
ビルボード1位
テディ・ベアーズ シングル 年表
逢った途端にひとめぼれ
(1958年)
I don't need you anymore
(1959年)
テンプレートを表示

逢ったとたんにひとめぼれ」("To Know Him Is to Love Him"、邦題としては「つのる想い」とも)は、フィル・スペクターが、父親の墓銘碑の"To Know Him Was to Love Him" に触発されて作詞作曲した楽曲。この曲は、スペクターもメンバーだったボーカルグループのテディ・ベアーズ英語版によって最初に録音された[2]。このバージョンは、1958年にBillboard Hot 100チャートで3週にわたって1位となり[3]、英国のニュー・ミュージカル・エクスプレス・チャートでも2位に達した[4]。後年、ピーター&ゴードンおよびボビー・ヴィントンは曲のタイトルと歌詞を "To Know You Is to Love You" と改変したバージョンでヒットを飛ばした。1987年に、ドリー・パートンリンダ・ロンシュタットエミルー・ハリスによってアルバム『トリオ』に収録されてシングルカットされ、全米カントリーシングルチャートの1位となった。

この曲は12/8拍子となっている。

解説

[編集]

テディ・ベアーズはフィル・スペクター自らがグループの一員として参加し、マーシャル・リーブ英語版アネット・クレインバード英語版からなる3人組で、のちにレコード制作者として独特の録音技術"Wall of sound"で、数多くのヒットを出したフィル・スペクターのグループ。グループ名はエルヴィス・プレスリーのヒット曲「テディ・ベア」からとられている[5]。スペクターは1958年当時は作曲活動をしており、"To know him is to love him"は、その過程で作曲された作品であり、録音は常時利用していたハリウッドのゴールド・スター・スタジオで短時間でなされた。タイトルはスペクターの父の墓碑銘からヒントを得てつけられた。スペクターにとって最初のナンバーワン・ソングとなり、以降は制作者として数多くのヒットを生み出していった[6]

チャート成績

[編集]

ピーター&ゴードン

[編集]
「つのる想い
(To Know You Is to Love You)」
ピーター&ゴードンシングル
B面 アイ・トールド・ユー・ソー
I Told You So
リリース
録音 1965年
ジャンル ポップ・ロック
時間
レーベル キャピトル
作詞・作曲 フィル・スペクター
プロデュース ジョン・バージェス英語版
ピーター&ゴードン シングル 年表
トゥルー・ラヴ・ウェイズ(二人の恋は)英語版
1965年
つのる想い
1965年
ベイビー・アイム・ユアーズ
1965年
テンプレートを表示

1965年にピーター&ゴードンは、この曲のカバーを "To Know You Is to Love You" のタイトルで発売した。ピーター&ゴードンのバージョンは全英シングルチャートで10週間チャートインし、最高で5位となり[10]、カナダでもRPMのプレイシートで5位となった[11]。アメリカ合衆国では、Billboard Hot 100チャートに7週間とどまり、最高で24位となった[12]

チャート成績

[編集]
チャート(1965年) 最高順位
アイルランド (IRMA)[13] 5
全英シングルチャート 5
カナダ – RPM プレイシート[14] 5
全米 – Billboard Hot 100 24

ボビー・ヴィントン

[編集]
「逢ったとたんに一目ぼれ
(To Know You Is to Love You)」
ボビー・ヴィントンシングル
B面 ビート・オブ・マイ・ハート
The Beat of My Heart"
リリース
録音 1969年
時間
レーベル エピック
作詞・作曲 フィル・スペクター
プロデュース ビリー・シェリル
ボビー・ヴィントン シングル 年表
こんなに愛しているのに英語版
1968年
逢ったとたんに一目ぼれ
1969年
砂遊びした頃英語版
1969年
テンプレートを表示

1969年、ボビー・ヴィントンは、この曲のカバーを "To Know You Is to Love You" のタイトルで発売した。ヴィントンによるカバーバージョンはBillboard Hot 100に7週間チャートインし、最高で34位に達し[15]ビルボードイージーリスニング部門の8位となり[16]、カナダではRPM 100チャートの16位を獲得し[17]、RPMアダルト・コンテンポラリー・チャートでは6位となった[18]

チャート成績

[編集]
チャート(1969年) 最高順位
全米 – Billboard Hot 100 34
全米 – Billboard イージーリスニング 8
カナダ – RPM 100 16
カナダ – RPM アダルト・コンテンポラリー 6
カナダ – CHUM 30[19] 14

ドリー・パートン、リンダ・ロンシュタット、エミルー・ハリス

[編集]
つのる想い
(To Know Him Is to Love Him)
ドリー・パートンリンダ・ロンシュタットエミルー・ハリスシングル
収録アルバムトリオ
リリース1987年1月26日
ジャンルカントリー
時間3分48秒
レーベルワーナー
作詞者フィル・スペクター
プロデュースジョージ・マッセンバーグ
ドリー・パートン 年表
We Had It All
1986年
つのる想い
1987年
テリング・ミー・ライズ英語版
1987年
リンダ・ロンシュタット 年表
I Knew You When
1983年
つのる想い
1987年
テリング・ミー・ライズ
1987年
エミルー・ハリス 年表
Today I Started Loving You Again
1986年
つのる想い
1987年
テリング・ミー・ライズ
1987年

1987年にドリー・パートンリンダ・ロンシュタットおよびエミルー・ハリスはこの曲をカバーし、グラミー賞受賞アルバムでマルチミリオンディスクの『トリオ』に収録するとともに、アルバムからの最初のシングルとしてリリースした。

このカバーバージョンは、1987年5月16日に全米ホット・カントリー・ソング英語版 チャートの1位を獲得した。ロンシュタットの当時のボーイフレンドだったジョージ・ルーカスが監督したミュージックビデオはCMTで継続的に放映された[20][21]

チャート成績

[編集]
チャート(1987年) 最高順位
全米 Billboard ホット・カントリー・シングル[22] 1
カナダ RPM カントリー・トラック 1

その他のカバー

[編集]

[31][32]

日本における著名なカヴァー

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ Classic Tracks, Back To Back Singles; Thunder Bay Press, 2008.
  2. ^ a b Show 14 – Big Rock Candy Mountain: Rock 'n' roll in the late fifties. [Part 4] : UNT Digital Library”. Pop Chronicles. Digital.library.unt.edu (April 27, 1969). September 9, 2010閲覧。
  3. ^ Whitburn, Joel (1987). The Billboard Book of Top 40 Hits. Billboard Publications, Inc. p. 301.
  4. ^ Teddy Bears – Full Official Chart History, Official Charts Company. Accessed October 27, 2015
  5. ^ Jancik, Wayne (1990). Billboard book of one hit wonders. Billboard Books. p. 57. ISBN 08230-7530-3 
  6. ^ Warner, Jay (1985). Billboard book of american singing groups; a history, 1940-1990. Billboard Books. p. 303-305. ISBN 0-8230-8264-4 
  7. ^ CHUM Hit Parade - December 1, 1958”. 2023年12月12日閲覧。
  8. ^ "Hot R&B Sides", Billboard, December 8, 1958. p. 34. Accessed October 27, 2015
  9. ^ “Billboard Hot 100 60th Anniversary Interactive Chart”. Billboard. https://www.billboard.com/charts/hot-100-60th-anniversary 10 December 2018閲覧。. 
  10. ^ Peter & Gordon – Full Official Chart History, Official Charts Company. Accessed October 27, 2015
  11. ^ "R.P.M. Play Sheet", RPM Weekly, Volume 3, Ed. 25, August 16, 1965. Accessed October 27, 2015
  12. ^ Peter & Gordon – Chart History – The Hot 100, Billboard.com. Accessed October 27, 2015
  13. ^ "The Irish Charts – Search Results – To Know Him Is to Love Him". Irish Singles Chart. Retrieved April 14, 2020.
  14. ^ RPM Top 40 Play List - August 16, 1965”. 2023年12月12日閲覧。
  15. ^ Bobby Vinton – Chart History – The Hot 100, Billboard.com. Accessed October 25, 2015
  16. ^ Bobby Vinton – Chart History – Adult Contemporary, Billboard.com. Accessed October 25, 2015
  17. ^ "The RPM 100", RPM Weekly, Volume 11, Ed. 11, May 12, 1969. Accessed October 25, 2015
  18. ^ "Young Adult", RPM Weekly, Volume 11, Ed. 11, May 12, 1969. Accessed October 25, 2015
  19. ^ CHUM 30 – May 17, 1969”. CHUM. November 7, 2006時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月17日閲覧。 Collector's issue No. 41.
  20. ^ Lewry, Peter (2010). Linda Ronstadt: A Life In Music, Second edition. Andrews UK Limited. ISBN 9781849892476. https://books.google.com/books?id=-1q_BAAAQBAJ&pg=PT133 
  21. ^ Newton, Dione (Director) (2016). Sisters in Country: Dolly, Linda and Emmylou (Documentary). UK: ВВС. 該当時間: 47:50.
  22. ^ Whitburn, Joel (2004). The Billboard Book of Top 40 Country Hits: 1944–2006, Second edition. Record Research. p. 152 
  23. ^ To Know Her Is to Love Her”. Beatlesbible.com (March 16, 2008). 2016年8月28日閲覧。
  24. ^ "Billboard Album Reviews", Billboard. September 2, 1972. p. 34. Retrieved February 14, 2021.
  25. ^ "Hot Country Singles", Billboard. December 23, 1972. p. 28. Retrieved February 14, 2021.
  26. ^ "The Country Singles Chart", Record World. December 16, 1972. p. 62. Retrieved February 14, 2021.
  27. ^ "Cash Box Country Top 75", Cash Box. December 16, 1972. p. 38. Retrieved February 14, 2021.
  28. ^ "The Programmers Country Playlist", RPM. Volume 18, No. 19. December 23, 1972. Retrieved February 14, 2021.
  29. ^ Marcus, Greil (29 August 2014). “How Amy Winehouse made 'To Know Him is to Love Him' her own”. TheGuardian.com. 20 July 2021閲覧。
  30. ^ You Know I'm No Good by Amy Winehouse”. Songfacts. 20 July 2021閲覧。
  31. ^ https://www.hopingfoundation.org/events-entries/2017/12/21/hoping-for-the-children-of-palestine
  32. ^ ロジャー・ウォーターズのザ・ウォール・ツアーにデイヴ・ギルモアも特別出演” (2010年7月16日). 2023年12月12日閲覧。

外部リンク

[編集]

参考文献

[編集]
  • Top Pop singles; 1955-2012, ed. by Joel Whitburn Record Research, c2013
  • Top Pop Albums; 1995-1992, ed. by Joel Whitburn Record Research, c1993
  • Top Country Singles; 1944-1993, ed. by Joel Whitburn Record Research, c1994