遠藤徹
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遠藤 徹(えんどう とおる、1961年 - )は、日本の著作家、英文学者。同志社大学教授。グローバル地域文化学部長(2020、2021年度)。兵庫県生まれ。
経歴
[編集]東京大学文学部英米文学科・農学部農業経済学科卒業、早稲田大学大学院文学研究科英文学専攻博士課程満期退学。定時制高校の教師、大学非常勤講師などをへて[1]、同志社大学グローバル地域文化学部助教授をへて教授[2]として英語/文化論を講じる。研究テーマはプラスチック・カルチャー、食文化、モンスターなど多岐にわたる。
20代の定時制高校の教員時代にはライター業も行っており、小説の執筆、投稿も行っていたが受賞には至らなかった[1]。39歳のときに研究の傍ら小説を再開し[1]、あついすいか名義で応募した短編小説「姉飼」で第10回日本ホラー小説大賞を受賞[3]、他に「弁頭屋」など。「麝香猫」で第35回川端康成文学賞候補[4]。
専門分野の著作に『ポスト・ヒューマン・ボディーズ』『プラスチックの文化史』『スーパーマンの誕生』『ゾンビと資本主義』などがある[1]。
著作
[編集]評論
[編集]- 『事典・アメリカで活きる資格オールガイド』(中央経済社、1997年)
- 『溶解論―不定形のエロス』(水声社、1997年)
- 『ポスト・ヒューマン・ボディーズ』(青弓社、1998年)
- 『プラスチックの文化史―可塑性物質の神話学』(水声社、2000年)
- 『ケミカル・メタモルフォーシス』(河出書房新社、2005年)
- 『スーパーマンの誕生:KKK,自警主義、優生学』(新評論、2017)
- 『バットマンの死:ポスト9/11のアメリカ社会とスーパーヒーロー』(新評論、2018)
- 『ゾンビと資本主義—主体/ネオリベ/人種/ジェンダーを超えて』(工作舎、2022)
中短編小説集
[編集]- 『姉飼』(角川書店、2003年 / 角川ホラー文庫、2006年)
- 『弁頭屋』(角川書店、2005年) / 壊れた少女を拾ったので (改題、角川ホラー文庫、2007年)
- 『くくしがるば』(角川書店、2007年) / おがみむし(改題、角川ホラー文庫、2009年)
- くくしがるぱ(中編)
- おがみむし
- 『むかでろりん』(集英社、2007年)
- 『ネル』(想像力の文学、早川書房、2009年)
- 『戦争大臣』(角川ホラー文庫)
- 嘲笑する虐殺者 (2010年1月)
- 天鵞絨の死 (2011年3月)
- 吸血博士 (2011年5月)
- 『贄の王』(未知谷、2014年)
- 『極道ピンポン』(五月書房新社、2018年)
- 『七福神戦争』(五月書房新社、2018年)
- 『幸福のゾンビ ゾンビ短編集』(金魚屋プレス、2022)
単行本未収録小説
[編集]- まーやー (『新潮』2006年4月)
- くれーしゃ (『新潮』2006年12月)
- 麝香猫 (『新潮』2008年12月号)
- まくらぶね (『小説宝石』2007年2月号)
- 殴られ様 (『小説宝石』2007年5月号)
- 御伽話 (『小説宝石』2009年2月号)
- なまごみ (『異形コレクション38巻 心霊理論』)
- 嘴と痣 (『異形コレクション39巻 ひとにぎりの異形』)
- はだかむし (『異形コレクション41巻 京都宵』)
- 蛇口 (『SFマガジン』2009年5月増刊号『Strange Fiction』、早川書房、2009年3月)
翻訳
[編集]- エドワード・ペイソン・エヴァンズ『殺人罪で死刑になった豚 動物裁判にみる中世史』(青弓社、1995年)
- スティーヴン・バン編『怪物の黙示録 『フランケンシュタイン』を読む』(青弓社 1997年)
- マーク・ジャンコヴィック『恐怖の臨界 ホラーの政治学』(青弓社 1997年)
- デイヴィッド・J・スカル、エリアス・サヴァダ『『フリークス』を撮った男 トッド・ブラウニング伝』(河原真也、藤原雅子共訳、水声社、1999年)
出典
[編集]- ^ a b c d “同志社大学言語文化教育研究センター助教授 遠藤徹さん(1)”. おのぞみドットコム. 2012年1月29日閲覧。
- ^ “研究者基本情報”. 同志社大学. 2012年1月29日閲覧。
- ^ “日本ホラー小説大賞 受賞作品リスト”. webKADOKAWA. 2012年1月25日閲覧。
- ^ “第三十五回 川端康成文学賞”. 新潮社. 2012年1月29日閲覧。