郡邸長
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郡邸長(ぐんていちょう)は、古代の中国の前漢にあった官職である。地方の役人が京師(首都)に滞在するときに使う邸を管理した。郡のための邸を郡邸、諸侯のための邸を国邸といい、あわせて郡国邸といった。
解説
[編集]『漢書』百官公卿表によれば、郡国邸ははじめ少府に属し、中頃に中尉に属し、後に大鴻臚に属した[1]。少府から中尉への転属時期については手がかりがない。太初元年(紀元前104年)に中尉は改称して執金吾となり、同年に大行令が改称して大鴻臚ができたので、中尉から大鴻臚への転属は、太初元年と推定できる[2]。武帝によるこの年の官制改革の一部に、郡国邸(郡邸長)の転属があったのだろう。
後漢では廃止され、郡国邸は郎(郎官)が管理することになった[3]。
脚注
[編集]- ^ 『漢書』巻19上、百官公卿表第7上。『『漢書』百官公卿表訳注』79頁。
- ^ 熊谷滋三「前漢の典客・大行令・大鴻臚」、94頁(通巻700頁)。
- ^ 『続漢書』(『後漢書』に合わさる)百官志4、早稲田文庫『後漢書』志2の474頁。