都市的な場
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都市的な場(としてきなば)とは、網野善彦の「中世都市論」に始まる概念である。京都・鎌倉などの「中世都市」や「農村」とは異なる場所である。町や宿・市・湊などが挙げられる。
概要
[編集]落合義明は、都市的な場を「ある程度の人口を抱え、周囲の交易や信仰の拠点(結節点)として、経済的にも周辺地域より優越する場」で、「交通路の変更、自然現象などで短期間に消滅しかねない不安定な場」「権力が永続的に関わるとは限らない」場所と定義している。
従来の中世史の研究は荘園制に偏りがちで、農民と武士の対立が焦点であった。中世の集落遺跡は単純に「一地方の農村」と見なされてきた[1]。しかし「都市的な場」という概念を導入することで、商人や流通業者、職人、芸能民、宗教者の研究が進むようになった。
脚注
[編集]- ^ “新宗谷館跡調査の目的1”. 2016年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年10月25日閲覧。
参考文献
[編集]- 網野善彦『日本中世都市の世界』(1996年) ISBN 978-4480856968
- 落合義明『中世東国の「都市的な場」と武士』(2005年) ISBN 978-4634523418