コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

酒詰仲男

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

酒詰 仲男(さかづめ なかお、1902年明治35年〉5月29日 - 1965年昭和40年〉5月31日)は、日本の考古学者文学博士

人物・来歴

[編集]

東京出身。東京開成中学校に入学し、3年時に両親[注釈 1]の不仲から母の地縁で京都へ移り、京都府立京都第一中学校に転入[1]同志社大学文学部英文科卒。筆名は土岐仲雄[注釈 2]。東京開成中学校教諭、大山史前学研究所所員、東京帝国大学助手、1954年同志社大学教授。

開成中学の英語教員時代、同僚石田外茂一と親交を結び、佐野学『日本歴史』をテキストとして日本史の共同研究を進める[2]社会主義シンパとなった酒詰は、1933年「6.15研究グループ」参加を理由に特別高等警察から検挙される。この時の拷問で酒詰は前歯が数本欠けている[2]。この逮捕により開成中学を免職[2]

1938年研究会誌「貝塚」を刊行[3]。関東地方の貝塚研究、縄文時代の粟栽培説、石器時代の食糧について研究を進めた。息子にフランス文学者酒詰治男がいる。

著書

[編集]

単著

[編集]
  • 『日本国家成立過程小論』白林社〈史論パンフレット 第2輯〉、1932年。 NCID BN08469729全国書誌番号: 
  • 『貝塚の話 初めて先史学を学ぶ人々に』彰考書院、1948年。 NCID BN07444154全国書誌番号:45041539 全国書誌番号:48008588 
  • 世界史研究会編 編『縄文文化 特に関東地方を中心として』平安文庫〈日本史教授用パンフレット 第2集〉、1950年1月。 NCID BA90795509全国書誌番号:21645662 
  • 『先史発掘入門』古今書院、1951年6月。 NCID BA43079684全国書誌番号:51006016 
  • 『樺太の貝塚』金曜会〈日本の貝塚 外篇1〉、1954年7月。 NCID BB14988158 
  • 『日本の貝塚』金曜会、1955年9月。 NCID BA51394687 
  • 『日本貝塚地名表』土曜会、1959年。 NCID BN0150456X全国書誌番号:60003910 
  • 『日本縄文石器時代食料総説』土曜会、1961年。 NCID BN08453015全国書誌番号:61010207 
    • 『日本縄文石器時代食料総説』(再版)土曜会、1984年9月。 NCID BN04016992 
    • 栗田奏二編 編『日本縄文石器時代食料総説』栗田〈日本食肉史基礎資料集成 第186輯〉、1985年。 NCID BN13681653全国書誌番号:85056370 
  • 『人 詩集』土曜会、1966年5月。 NCID BA43483850 
  • 『貝塚に学ぶ』学生社、1967年6月。 NCID BN06150985全国書誌番号:67000268 
  • 芹沢長介編 編『酒詰仲男集』築地書館〈日本考古学選集 22〉、1975年12月。 NCID BN02043859全国書誌番号:73013620 

共著

[編集]

共編

[編集]

翻訳

[編集]

調査・日録

[編集]
  • 酒詰治男編 編『酒詰仲男調査・日録』 第1集(昭和13年、調査・該当年不明、調査・昭和14年、調査(1)・昭和14年、調査(2))、東京大学総合研究博物館〈東京大学総合研究博物館標本資料報告 第72号〉、2008年。 NCID BA87223653全国書誌番号:21421021 
  • 酒詰治男編 編『酒詰仲男調査・日録』 第2集(昭和15年日録(1)昭和15年、日録(2)昭和15年、調査(1)昭和15年、調査(2)昭和15年、報告(1)昭和15年、報告(2))、東京大学総合研究博物館〈東京大学総合研究博物館標本資料報告 第77号〉、2009年。 NCID BA87223653全国書誌番号: 
  • 酒詰治男編 編『酒詰仲男調査・日録』 第3集(昭和16年、調査(1)昭和16年、調査(2)昭和16年、調査(3)昭和16年、調査(4)昭和16年、調査(5))、東京大学総合研究博物館〈東京大学総合研究博物館標本資料報告 第78号〉、2009年。 NCID BA87223653全国書誌番号:21636118 
  • 酒詰治男編 編『酒詰仲男調査・日録』 第4集(昭和17年、日録(1)昭和17年、日録(2)昭和17年、調査(1)昭和17年、調査(2))、東京大学総合研究博物館〈東京大学総合研究博物館標本資料報告 第号〉、2010年。 NCID BA87223653全国書誌番号:21848898 
  • 酒詰治男編 編『酒詰仲男調査・日録』 第5集(昭和18年、調査・昭和19年、日録・昭和19年、調査(1)・昭和19年、調査(2))、東京大学総合研究博物館〈東京大学総合研究博物館標本資料報告 第83号〉、2010年。 NCID BA87223653全国書誌番号:21848895 
  • 酒詰治男編 編『酒詰仲男調査・日録』 6集(昭和20年、日録・昭和21年、調査)、東京大学総合研究博物館〈東京大学総合研究博物館標本資料報告 第88号〉、2011年。 NCID BA87223653全国書誌番号:21968742 
  • 酒詰治男編 編『酒詰仲男調査・日録』 第7集(昭和22年、日録(1)・昭和22年、日録(2)・昭和22年、調査)、東京大学総合研究博物館〈東京大学総合研究博物館標本資料報告 第89号〉、2011年。 NCID BA87223653全国書誌番号:21968743 
  • 酒詰治男編 編『酒詰仲男調査・日録』 第8集(昭和23年、調査 (1) ・昭和23年、調査 (2) ・昭和23年、調査 (3) ・昭和23年、調査 (4) ・昭和23年、報告)、東京大学総合研究博物館〈東京大学総合研究博物館標本資料報告 第91号〉、2011年。 NCID BA87223653全国書誌番号:22071441 
  • 酒詰治男編 編『酒詰仲男調査・日録』 第9集(昭和24年、日録・昭和24年、調査(1)・昭和24年、調査(2))、東京大学総合研究博物館〈東京大学総合研究博物館標本資料報告 第96号〉、2013年。 NCID BA87223653全国書誌番号:22214132 
  • 酒詰治男編 編『酒詰仲男調査・日録』 第10集(昭和25年、日録 (1) ・昭和25年、日録 (2) ・昭和25年、日録 (3) ・昭和25年、日録 (4) ・昭和25年、日録 (5))、東京大学総合研究博物館〈東京大学総合研究博物館標本資料報告 第97号〉、2013年。 NCID BA87223653全国書誌番号:22264092 
  • 酒詰治男編 編『酒詰仲男調査・日録』 第11集(昭和26年、日録 (1) ・昭和26年、日録 (2) ・昭和26年、日録 (3))、東京大学総合研究博物館〈東京大学総合研究博物館標本資料報告 第100号〉、2013年。 NCID BA87223653全国書誌番号:22427399 
  • 酒詰治男編 編『酒詰仲男調査・日録』 第12集(昭和27年、日録・昭和28年、日録)、東京大学総合研究博物館〈東京大学総合研究博物館標本資料報告 第103号〉、2014年。 NCID BA87223653全国書誌番号:22466981 

論文

[編集]

関連人物

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 母・土岐満寿は美濃の武家・土岐家出身で京都に定住、父・酒詰米次郎は茨城出身の商売人[1]
  2. ^ 検閲対策でもあった[1]

出典

[編集]
  1. ^ a b c 酒詰仲男「「同志社文学」から「貝塚」へ」『同志社大学歴史資料館館報』第19号、同志社大学歴史資料館、34-43頁、2016年10月31日。doi:10.14988/pa.2017.0000015515https://doi.org/10.14988/pa.2017.0000015515 
  2. ^ a b c “アルカ通信 NO.197 酒詰仲男『貝塚に学ぶ』”. 考古学研究所・アルカ. (2020年2月1日). http://aruka.co.jp/tushin/aruka197.pdf 
  3. ^ デジタル版日本人名大辞典

外部リンク

[編集]