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酔夢亭蕉鹿

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

酔夢亭 蕉鹿(すいむてい しょうろく、安永8年6月12日1779年7月25日〉 - 弘化2年9月12日1845年10月12日〉)とは、江戸時代後期の浮世絵師

来歴

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鳥文斎栄之の門人。姓は高尾、通称は栄之丞。名は信保。酔夢亭、葆巷斎と号す。木挽町(現在の東銀座付近)築地に800石取りの旗本の子として生まれる。はじめは小普請組の溝口相模守支配に属し、寛政11年(1799年)4月、父の信興が没すると家督を継ぎ、文化4年(1807年)には大番に進んでいる。文化5年(1808年)、神田一ツ橋通り小川町水道橋に転居した。

文化年間には早くも隠居し、狂歌及び肉筆浮世絵の制作に専念した。狂歌は大田南畝に学び、寛政文化期に栄之風の肉筆浮世絵を多く描いた。特に文化期の作品に優品が多く見られる。栄之の傍にいてその作品に触れる機会があったと見られ、栄之の作品と同工の作品も多い。また大田南畝による画賛が見られる場合が多数存在する。画風は栄之の作品と比べると、顔付きがよりはっきりとした美人画を描いている。享年67、墓所は新宿区河田町の月桂寺。

作品

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  • 雪戯美人図」 絹本着色 東京国立博物館所蔵 ※「蕉鹿筆」の落款と「高尾」の朱文方印、「まつよひの こゝろもそらに みたれけり ふけゆくまゝに 雪のふれゝは 主賢」の画讃あり
  • 文読み美人図」 絹本着色 東京国立博物館所蔵
  • 「ほたる狩図」 絹本着色 ニューオータニ美術館所蔵 ※「蕉鹿画」の落款、「蕉鹿」の朱文方印あり
  • 「やつし四睡図」 絹本着色 砂子の里資料館所蔵
  • 「三美人図」 絹本着色、三幅対 摘水軒記念文化振興財団所蔵 ※大田南畝賛
  • 「ほととぎすと遊女」 絹本着色 光記念館所蔵 ※「蕉鹿筆」の落款、「曰四月青和清國自卯徠」の白文長方印あり。那須ロイヤル美術館(小針コレクション)旧蔵
  • 「音〆を合わせる美人」 絹本着色 光記念館所蔵 ※「蕉鹿画」の落款、「蕉鹿」の白文方印あり。那須ロイヤル美術館(小針コレクション)旧蔵
  • 「遊女と寿老人図」 絹本着色 日本浮世絵博物館所蔵 ※「蕉鹿筆」の落款、「蕉鹿」の朱文方印あり
  • 「桜下遊女図」 絹本着色 日本浮世絵博物館所蔵 ※「蕉鹿筆」の落款と「曰四月青和清國自卯徠」の白文長方印、「よし原の 夜みせをはりの 夕くれは 入相のかねに 花やさくらん 蜀山人」の画讃あり
  • 「応化普賢図」 絹本着色 奈良県立美術館所蔵 ※「蕉鹿画」の落款と「蕉鹿」の白文方印、「大象も つなかれぬへき あらひ髪 鼻より長き けいせいのため 蜀山人」の画讃あり
  • 「花魁立姿図」 絹本着色 熊本県立美術館所蔵 ※「蕉鹿筆」の落款と「曰四月青和清國自卯徠」の白文長方印、蜀山人(南畝)の画讃あり
  • 「立美人図」 絹本着色 個人所蔵 ※大田南畝賛

参考文献

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  • 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年
  • 日本浮世絵博物館編 『肉筆浮世絵撰集 解説』 学習研究社、1985年 ※59 - 60頁
  • 熊本県立美術館編 『今西コレクション名品展Ⅰ』 熊本県立美術館、1989年
  • 『小針コレクション 肉筆浮世絵』(第四巻) 那須ロイヤル美術館、1989年
  • 小林忠編 『肉筆浮世絵大観(2) 東京国立博物館 II 』 講談社、1995年 ※221頁
  • 小林忠編 『肉筆浮世絵大観(8) ニューオータニ美術館』 講談社、1995年 ※221頁
  • 小林忠編 『肉筆浮世絵大観(9) 奈良県立美術館/京都府立総合資料館』 講談社、1996年 ※172 - 173頁

関連項目

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