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酢酸イソアミル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
酢酸イソペンチルから転送)
酢酸イソアミル
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識別情報
CAS登録番号 123-92-2 チェック
PubChem 31276
ChemSpider 29016 チェック
UNII Z135787824 チェック
EC番号 204-662-3
国連/北米番号 1104 1993
KEGG C12296 チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL42013 チェック
RTECS番号 NS9800000
バイルシュタイン 1744750
Gmelin参照 101452
特性
化学式 C7H14O2
モル質量 130.18 g mol−1
外観 無色の液体
匂い バナナのような[1]
密度 0.876 g/cm3
融点

−78℃

沸点

142℃

への溶解度 0.3% (20 °C)[1]
蒸気圧 4 mmHg or 0.533 kPa (20 °C)[1]
磁化率 −89.4·10−6 cm3/mol
屈折率 (nD) 1.4020 at 20°
危険性
GHSピクトグラム 可燃性
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H226, H315, H319, H335, H336, H372
Pフレーズ P210, P233, P240, P241, P242, P243, P260, P261, P264, P270, P271, P280, P302+352, P303+361+353
NFPA 704
3
1
0
引火点 25 °C (77 °F; 298 K)
爆発限界 1.0% (100 °C) – 7.5%[1]
許容曝露限界 TWA 100 ppm (525 mg/m3)[1]
最低致死濃度 LCLo 6470 ppm (ネコ)[2]
半数致死量 LD50 7422 mg/kg (ウサギ, 経口)
16,600 mg/kg (ラット, 経口)[2]
関連する物質
関連物質 ギ酸イソアミル
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

酢酸イソアミル(さくさんイソアミル、isoamyl acetate)とは、カルボン酸エステルの一種である。酢酸イソアミルアルコールが縮合したカルボン酸エステルにあたる。酢酸イソペンチル(isopentyl acetate)、酢酸3-メチルブチル(3-methylbutyl acetate)とも呼ばれる。

無色の液体で、バナナあるいはメロン様の果実臭がある。通常の有機溶媒には易溶で、水にもわずかに溶ける。

香料(バナナエッセンス)や有機溶媒として用いられる。

日本酒の芳香成分の一つで、吟醸酒には数100 ppb–数 ppm 程度含まれている。日本酒の高品質化のため、大量の酢酸イソアミルを生産する清酒酵母の開発が進んでいる。

安全性

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日本の消防法では危険物第4類・第2石油類に分類される。熱には比較的安定するが、強酸や強塩基、強酸化剤との接触により火災・爆発のおそれがある[3]。動物実験での半数致死量(LD50)は、ラットへの経口投与・ウサギへの経皮投与とも5g/kg以上[4]

合成法

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他のエステルと同様に、フィッシャーエステル合成反応を用いて、濃硫酸などの酸触媒および脱水剤の存在下、酢酸イソアミルアルコールを混合、加熱することで得られる。

出典

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  1. ^ a b c d e NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0347
  2. ^ a b Isoamyl acetate”. 生活や健康に直接的な危険性がある. アメリカ国立労働安全衛生研究所英語版(NIOSH). 2024年11月28日閲覧。
  3. ^ 製品安全データシート (PDF) (昭和化学)
  4. ^ 『合成香料 化学と商品知識』印藤元一著 2005年増補改訂 化学工業日報社 ISBN 4-87326-460-X