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酸化金(III)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
酸化金から転送)
酸化金(III)
識別情報
CAS登録番号 1303-58-8
特性
化学式 Au2O3
モル質量 441.93
外観 赤褐色固体
密度 3.6 g/cm3 at 20 °C[1]
融点

160 °C, 433 K, 320 °F (分解)

への溶解度 に不溶、塩酸硝酸に可溶
構造
結晶構造 斜方晶系, oF40
空間群 Fdd2, No. 43[1]
危険性
EU分類 有害 X
NFPA 704
0
1
0
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

酸化金(III)(さんかきん さん、: gold(III) oxide)は化学式が Au2O3 と表されるの最も安定な酸化物である。熱的に不安定な赤褐色の固体で 160 °Cで分解する[2]。水和すると弱い酸性を示す。濃厚な塩基性溶液に溶け、[Au(OH)4] が生じると考えられている[2]

無水 Au2O3 は、密閉された水晶管中、約30 MPa•250 °Cアモルファス酸化金(III)水和物を過塩素酸過塩素酸アルカリとともに加熱すると得られる[3]。 水酸化金の熱分解によっても得られる。

酸化金(III)は価値の高いクランベリー色や赤色のガラスを作るのに使われる。このガラスには金コロイド懸濁液のように、サイズの均等な球状金ナノ粒子が含まれている。

出典

[編集]
  1. ^ a b Jones, P. G.; Rumpel, H.; Schwarzmann, E.; Sheldrick, G. M.; Paulus, H. (1979). “Gold(III) oxide”. Acta Crystallographica Section B 35 (6): 1435. doi:10.1107/S0567740879006622. 
  2. ^ a b グリーンウッド, ノーマン; アーンショウ, アラン (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). バターワース=ハイネマン英語版. ISBN 978-0-08-037941-8
  3. ^ Jones PG, Rumpel H, Sheldrick GM, Schwartzmann E, Gold(III) Oxide and Oxychloride, Anorganisch-Chemisches Institut der Universität Göttingen