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野間馬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
野間馬
野間馬、天王寺動物園、2012年5月
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ウマ目(奇蹄目) Perissodactyla
: ウマ科 Equidae
: ウマ属 Equus
: ノウマE. ferus
亜種 : ウマ E. caballus
品種 : 野間馬

野間馬(のまうま)は、ウマの一品種である。また、日本在来馬の一つとしても知られている。2018年現在日本の野間(愛媛県今治市)で飼育されている。体高はおよそ110 - 120センチメートルと小型で、ポニーに分類される。毛色は栗毛鹿毛が中心である。

概要

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越智駒土佐駒などかつて四国に存在した在来馬の一種として考えられ、縄文時代末期にはすでに祖先が存在したとする説もあるが[1]、現在では四国をはじめ日本列島における縄文・弥生時代の馬の出土事例は後代の混入とされ、家畜化された馬の伝来は古墳時代4世紀末から5世紀であると考えられている[2]

原点は江戸時代伊予松山藩藩主・松平定行来島海峡にある小島に馬を放牧したところから始まる。この事業は疾病発生と飼料不足で失敗に終わるが、その後今治藩領内の野間郷一帯の農家に繁殖を委託。体高4尺(約121センチメートル)を定尺とし、この定尺より大きい馬は藩公から飼育費のほかに報奨金が与えられて増産を進められた。一方、定尺より小さい馬は飼育費を払わない代わりに農家に無償で払い下げられた。以降農家ではこの定尺以下同士の交配が行われ、日本最小の在来馬「野間馬」が誕生した。この小型馬は「ノマゴマ」「ノマゴ」などと呼ばれ、珍重された[3]

農家ではこの小さな野間馬が頑健で粗食に耐え、蹄鉄がなくとも70キログラム程度の重い荷物を乗せることができることから増殖が盛んに進められ江戸時代には約300頭を超えるまでに増え、農耕や荷物の運搬に用いられた。しかし明治時代に政府が小型馬の生産・育成を禁止し、さらに第二次世界大戦後には農業の機械化が行われたことで数が激減してしまい、一時は絶滅寸前まで陥った。

だが1978年松山市篤志家が自身の所有していた野間馬(牡1頭、牝3頭)を今治市に寄贈。これをきっかけに野間馬保存会が結成され、以後は増産が進められた。1985年、8番目の日本在来馬に認定。1988年、今治市の天然記念物に指定された[4]

現在では野間馬ハイランドなどで飼育され、数は約50頭に回復している[5][6]。そこで乃万小学校の生徒たちのため、野間馬に活躍してもらおうと小型化して乗馬以外に小型の馬車を引くための準備が関係者によって進められている[7]。農耕としての需要はないものの、観光用として用いられる。また温和で賢い性格のため、小学校のクラブ活動や動物療法にも利用されている。

2017年2月、今治市は、2018年4月開学認可申請予定の岡山理科大学獣医学部の学生実習を野間馬ハイランドが受け入れるよう、学校法人加計学園から要請を受けた[8]

特徴

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  • 性格は温和で賢い。
  • 四肢は短節で細い。関節は骨太で蹄は緻密。
  • 体格に対し頭部は大きい。前髪、鬣が長く蜜毛。
  • 江戸時代には白毛(芦毛)が流行したが、現在では栗毛・鹿毛が中心。

参考文献

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  • 『月刊馬劇場』1993年6月号 76-78頁。

脚注

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  1. ^ 丹波康詞. 『月刊馬劇場』 1993年6月号 日本の在来馬3 野間馬の語り部は子供たち 76頁. ラジオたんぱ 
  2. ^ 宮崎泰史「家畜と牧場」『古墳時代の考古学5 時台を支えた生産と技術』同成社、2012年
  3. ^ 今治おもしろ百科/野間馬ってなあに?
  4. ^ 野間馬をシンボルに 危機脱し観光に活用”. これがイチオシ!地域再生. 愛媛新聞 (2013年6月29日). 2017年9月13日閲覧。
  5. ^ 日本在来馬の飼養状況(pdf、社団法人日本馬事協会)によれば2006年現在で保存地区内で84頭。
  6. ^ 2017年時点で66頭。うち51頭は野間馬ハイランド、15頭は今治市外の動物園などが飼育している。 --地域の宝、野間馬を共に守りたい 学園都市構想の実現に向けて 地元からのメッセージ のまうまハイランド園長 小澤 剛さん” (PDF). 広報いまばり平成29年8月号. 2017年9月13日閲覧。
  7. ^ 畜産ZOO鑑>大切な日本在来馬【在来馬品種】野間馬(のまうま)
  8. ^ 花牟礼紀仁 河野嘉誠 (2017年9月12日). “加計学園 獣医学部は、やはり「砂上の楼閣」か 問題山積なのに来年4月開校と強弁する理由”. サンデー毎日. 2017年9月13日閲覧。

外部リンク

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