末永直海
末永 直海(すえなが なおみ、1962年5月12日 - )は、日本の小説家、クレイスイーツ(粘土製お菓子)作家(末永本人は「スイーツデコリーナ」と称している)。福岡県北九州市出身。北九州デザイナー学院グラフィックデザイン学科卒業。スイーツデコリーナとしては鈴山キナコ(すずやま きなこ)名義で活動している。
人物
[編集]作家になる前はアングラ女優、巡業演歌歌手などを行っていた。無名時代に参加したにっかつロマンポルノ新人女優コンテストで、審査員の前で全裸になるパフォーマンスを行い、写真週刊誌などをにぎわせたこともある。(このパフォーマンスで審査員特別賞を受賞したことから、主演作を1本残している)
1987年に「桃の木舞」をペンネームとして『少年チャンピオン』で漫画を描いていた事がある。連載打ち切り後、ふとした会話がきっかけで小林よしのりの家に行くと、その日の内に「メシスタント」(飯を作るアシスタント)をやっており、よしりん企画初代秘書の座につく。「お前(末永)ほどのアホは初めて見たが、お前のアホはわし(小林)が観察する為にあるのだから、むやみに人前でアホを披露してはいけない」(『ゴーマニズム宣言』より)が採用理由の一つだと言う。主に『おぼっちゃまくん』と『ゴーマニズム宣言』初期を担当、『ゴーマニズム宣言』の単行本化や『異常天才図鑑』などを企画する(ゴーマニズム宣言の1,2巻では構成も担当していたが、3巻から当時の第二秘書の金森由利子が構成を担当した)。小林の作品内にもキャラクターとして登場し、これが名前と存在、愛称ピャーポを広く知られるきっかけになった。1994年、『噂の真相』(作中では、「噂の貧相」と表記)に悪意的なスキャンダルが書かれると知り、その事が小林の足を引っ張ってしまう事になるかもしれないと、睡眠薬がないと眠れないほどに気に病み、ついには退社に至った(小林はその後、『噂の真相』を徹底的に攻撃するが「相手の売り上げを伸ばすだけだった」と語る)。
しばらく不遇の時期があったが、全国をまわりおひねりで暮らす演歌歌手や、赤羽ハリウッドのホステスなどを経て、1996年、小説『薔薇の鬼ごっこ』で第三回蓮如賞を受賞し作家デビュー。2002年、『百円シンガー極楽天使』が文化庁選出の海外輸出小説(明治~平成の27作品)に選出され、ロシア・イギリス・アメリカで翻訳刊行された[1]。小林の『わしズム』にも長らく連載を行った。
2003年あたりから再び姿を消していたが[2]、その後、女子中高生を中心に携帯電話やネイルアートにお菓子の飾り付け(スイーツデコ)をすることが流行し、クレイスイーツ作家として一躍カリスマ的な存在となった。また、粘土製だけではなく、実際の板チョコにキスチョコやスプレーチョコ等を使ったデコレーションも作製している。テレビや雑誌、明治製菓のホームページで作品を発表する傍ら、明治製菓のCMのデコレーション・デザインも手がけ、講習会なども開催している。
私生活ではインターネットで知り合った20歳年下の大学生と、2年間の交際を経て2007年7月7日に結婚した。
著作
[編集]末永直海名義
[編集]小説
[編集]- 『薔薇の鬼ごっこ』(河出書房新社、1997年/のち河出文庫)
- 『百円シンガー極楽天使』(河出書房新社、1997年/のち新潮文庫)
- Стоиеновая певичка, или райский ангел, Санкт-Петербург : Гиперион, 2005
- The hundred-yen singer, London : Peter Owen, 2006
- 『浮かれ桜』(講談社、1999年/のち講談社文庫)
- 『ホワイトラブ』(共著)(幻冬舎、1999年/のち幻冬舎文庫)
- 『煩悩配達人』(小学館、2000年)
- 『蟲籠のブルース 恋愛小説』(祥伝社文庫、2001年)
- 『合鍵の森』(光文社、2001年/のち光文社文庫)
- 『アプルアプリケ』(角川書店、2002年)
- 『デパ地下★ガール』(世界文化社、2007年)
- 『ママカノ』(ポプラ社、2008年)
エッセイ
[編集]- 『年下ハンター! 男子にモテる「おねえさま」になる方法』(九天社、2007年)
- 『年下男子を知る本』(マガジンランド、2009年)
鈴山キナコ名義
[編集]- 『スイーツデコリーナ』(マガジンランド、2008年4月)
- 『ねんどでつくるスイーツ はじめてでもかんたん! お菓子な手芸』(汐文社、2008年12月)
- 『かわいい、かんたん。チョコにデコ』(廣済堂あかつき、2009年1月)
- 『クレイスイーツ100レシピ』(マガジンランド、2009年2月)
- 『カワイイ スイーツマスコット』(汐文社、2009年5月)
- 『鈴山キナコ 粘土のアクセサリー』(日之出出版、2009年8月)
- 『鈴山キナコの粘土のミニチュアカフェ』(マガジンランド、2009年10月)
- 『粘土で作る とっておきスイーツ』(ブティック社、2009年12月)
- 『ホイップデコリーナ』(マガジンランド、2010年6月)
- 『粘土で作るイベントスイーツ100レシピ』(マガジンランド、2010年10月)
- 『ホイップデコリーナ2』(マガジンランド、2011年1月)
- 『フルーツデコリーナ』(マガジンランド、2011年5月)
- 『鈴山キナコのアニマルデコレーション 粘土で作る動物マスコット』(株式会社アルファ、2011年11月)
- 『鈴山キナコのアニマルデコ 粘土で作る動物マスコット 2 』(株式会社アルファ、2012年6月)
- 『ネコデコリーニャ 粘土で作るかわいいネコ』(マガジンランド、2013年2月)
- 『アクアデコリーナ』(マガジンランド、2013年6月)
- 「鈴山キナコのカワイイ★ミニチュアごはん」(マガジンランド、2014年7月)
テレビ出演
[編集]- 「東京カワイイTV」(NHK、2009年1月14日、2010年4月3日、2013年4月)
- 「FNNスーパーニュース」(フジテレビ、2009年2月6日)
- 「BS熱中夜話」(NHKBS、2009年5月)
- 「森田一義アワー 笑っていいとも!」(フジテレビ、2009年6月19日)
- 「いきすぎ!ビューティー」(テレビ東京、2009年8月24日)
- 「THE1億分の8」(毎日放送、2009年11月11日)
- 「スッキリ!!」(日本テレビ、2010年1月28日)
- 「知りたがり!」(フジテレビ、2010年11月24日)
- 「Kawaii international」(NHKワールド世界放送、2013年5月26日)
- 「オトナ養成所 バナナスクール」(東海テレビ 2017年2月放送)
- 「ヒルナンデス!」(日本テレビ 2017年8月23日、8月30日、9月6日、9月13日、9月20日、9月27日連続出演)