鈴木善太郎
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鈴木 善太郎(すずき ぜんたろう、1883年1月19日 - 1950年5月19日)は、日本の小説家、劇作家、翻訳家。雅号は秋風。
略歴
[編集]福島県郡山市大町生まれ[1]。旧制安積中学校を中退、旧制海城学校に転校し卒業。早稲田大学文学部英文学科卒業。卒業後は、国民新聞、朝日新聞社の記者として活躍し、大正7年に短篇小説『幻想』を発表して作家としての地位を確立する。『文章倶楽部』にて、菊池寛や野村愛正と並んで三大新進作家に数えられた。新劇運動にも参加し、日本近代演劇界に多大な貢献をした。
大正10年欧米各国を歴訪、帰国後、松竹顧問、コロムビア文芸部顧問となる。フェレンツ・モルナールの紹介に貢献した。
作品
[編集]- 『幻想』(万朶書房) 1918:小説
- 「お猿の剣術」(雑誌『赤い鳥』に掲載) 1918:童話
- 「狂へる祖父」(雑誌『少年倶楽部』に掲載) 1918:童話
- 『暗示』(大同館書店) 1920
- 『迷ひ子の家鴨』(文泉堂) 1920:童話集
- 『虞美人草』1921:1921年公開の松竹映画原作
- 『山荘の人々』(京文社) 1922:小説
- 『鸚鵡』(聚芳閣) 1925:戯曲集
- 『人間』(朝日新聞社) 1926
- 『現代演劇辞典』(編、金星堂) 1926
- 『愛の劇場』(彩雲堂) 1927:評論集
- 『たんぽゝの家』(松陽堂) 1927:少年小説
- 『御殿山史』(御殿山町会) 1936
- 『紙屋橋』(野田書房) 1938:短篇小説集
- 『御殿山手記』(御殿山町会) 1940
- 『白虎隊』(梁塵社) 1942
- 『新文章法講話』(秀水社) 1948
- 『世界文学史』(大日本雄弁会講談社) 1949
作詞
[編集]- 「三都の春」(中山晋平作曲)
- 『銀座雀 新作小唄10編』(鈴木善太郎歌、萱間三平作曲, 中山晋平編曲、山野楽器店) 1918
- 『椰子の葉蔭 新作小唄14編』(鈴木善太郎歌、中山晋平, 萱間三平作曲, 河村目呂二装画、山野楽器店) 1920
- 「ピエロ小唄 日活映画小唄」(塩尻精八作曲、斎藤佳三装画、ビクター出版社) 1930
- 「午後の散歩」(塩尻精八 作編曲、ビクター) 1936
翻訳
[編集]- 『ロボツト』(カーレル・チャペック、金星堂) 1924
- 『獸物』(ユージン・オニール、金星堂) 1925
- 『近代劇全集 第37巻 米国篇』(第一書房) 1930
フェレンツ・モルナール
[編集]- 『白鳥 外二篇』(フェレンク・モルナー、金星堂) 1924
- 「リリオム」「痴人の愛」「白鳥」を収録
- 『リリオム』(金星堂、モルナー傑作選集 第1編) 1925
- 『痴人の愛』(金星堂、モルナー傑作選集 第2編) 1925
- 『白鳥』(金星堂、モルナー傑作選集 第3編) 1925
- 『近代劇全集 第38巻 中欧篇』(第一書房) 1927
- 「リリオム」「汽車の中」「近衛兵」(モルナール)、「虫の生活」「マクロポウロス家の秘法」(チャペック)、「花婿」(ビロー)を収録
- 『開かれぬ手紙 戯曲集』(モルナアル、第一書房) 1928
- 『お互に愛したら 短篇集』(モルナアル、第一書房) 1929
- 『芝居は誂向き 戯曲集』(モルナアル、第一書房) 1929
- 『男の流行 戯曲集』(モルナアル、第一書房) 1930
- 『町のをんな 短篇集』(モルナアル、第一書房) 1930
- 『奥さんは嘘つき 小説集』(モルナアル、第一書房) 1931
- 『恋はすれども 戯曲集』(モルナアル、第一書房) 1932
- 『陽気な女たち フエレンツ・モルナアル戯曲集』(第一書房) 1934
- 『午後七時』(モルナール、山本書店、山本文庫) 1936
- 『笛吹く天使 長篇小説』(モルナアル、野田書房) 1938
- 『ドナウの春は淺く 長篇小説』(モルナアル、野田書房) 1938
- 『回転木馬 (原名 リリオム)』(フェレンツ・モルナール、春陽堂書店) 1956
- 「回転木馬」「ドナウの春は浅く」を収録
- 『白鳥』(フェレンツ・モルナール、春陽堂書店) 1956
- 「白鳥」「町のおんな」を収録
- 『外套』(モルナール・フェレンツ、国土社) 1965
脚注
[編集]- ^ 鈴木善太郎 こおりやま文学の森資料館 2018年8月17日閲覧。
外部リンク
[編集]- 郡山ゆかりの作家 鈴木善太郎(こおりやま文学の森)
- 福島の児童文学者 24 鈴木 善太郎(福島県立図書館 児童図書研究室)
- 20世紀日本人名事典『鈴木 善太郎』 - コトバンク