鉄地蔵
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鉄地蔵(てつじぞう)とは、おもに尾張国(愛知県北西部)で平安時代から鎌倉時代にかけて広まった鋳鉄製の地蔵菩薩像[1]。同時期に関東でも鋳鉄製仏像が盛んに造られたが、中部以西においては尾張に集中しており、そのほとんどが地蔵立像であること、また像高が成人の身長に近いものが多く造られていることが特徴となっている[2]。
愛知県内の主な鉄地蔵
[編集]国指定文化財
[編集]- 鉄造地蔵菩薩立像[3][4]
- 長光寺(稲沢市六角堂東町)蔵
- 文暦2年(1235年)作
- 像高160.5 cm
- 鉄造地蔵菩薩立像[5][6]
- 法蔵寺(あま市中橋)蔵
- 寛喜2年(1230年)作
- 像高157.4 cm「寛喜2年(1230)庚八月日 願主入蓮白」と陽鋳銘がある。像高は158.9センチ。「愛知県史」によれば、頭部は剃髪で、髪際も浅く両眼は見開きも少ない、鼻は低く口元が引き締まり、両耳は大きく表されている。大きさの割に力強さよりも柔和な感じを印象付ける。 本尊は愛知県に存在する鉄仏のうち最古のもので昭和46年に国の重要文化財に指定される。
県指定文化財
[編集]- 鋳鉄地蔵菩薩立像[7]
- 観聴寺(名古屋市熱田区)蔵
- 室町時代作
- 像高160.5 cm / 156.5 cm
- 鋳鉄地蔵菩薩立像[8]
- 青大悲寺(名古屋市熱田区)蔵
- 室町時代作
- 像高165 cm
- 鋳鉄地蔵菩薩立像[9]
- 常観寺(江南市小折)蔵
- 鎌倉時代作
- 像高182 cm
- 鋳鉄地蔵菩薩立像[10]
- 釜地蔵寺(愛西市根高)蔵
- 江戸時代作
- 像高96 cm
- 鋳鉄地蔵菩薩立像[11]
- 全昌寺(北名古屋市井瀬木)蔵
- 室町時代作
- 像高64.3 cm
- 鋳鉄地蔵菩薩立像[12]
- 長松寺(丹羽郡大口町大屋敷)蔵
- 室町時代作
- 像高97.4 cm
市町村指定文化財
[編集]その他
[編集]脚注
[編集]- ^ “中世の尾張”. 名古屋市博物館. 2019年6月10日閲覧。
- ^ 中野俊雄「日本の鉄仏の成立とその鋳造方法」『鋳造工学』第69巻第9号、1997年、768頁、doi:10.11279/jfes.69.767。
- ^ “鉄造地蔵菩薩立像(てつぞうじぞうぼさつりゅうぞう)”. 文化財ナビ愛知. 愛知県. 2019年6月10日閲覧。
- ^ “重要文化財 鉄造地蔵菩薩立像”. まちの魅力. 稲沢市. 2019年6月11日閲覧。
- ^ “鉄造地蔵菩薩立像(てつぞうじぞうぼさつりゅうぞう)”. 文化財ナビ愛知. 愛知県. 2019年6月11日閲覧。
- ^ “国指定文化財:彫刻”. あま市の指定文化財. あま市. 2019年6月10日閲覧。
- ^ “鋳鉄地蔵菩薩立像(ちゅうてつじぞうぼさつりゅうぞう)”. 文化財ナビ愛知. 愛知県. 2019年6月11日閲覧。
- ^ “鋳鉄地蔵菩薩立像(ちゅうてつじぞうぼさつりゅうぞう)”. 文化財ナビ愛知. 愛知県. 2019年6月11日閲覧。
- ^ “鋳鉄地蔵菩薩立像(ちゅうてつじぞうぼさつりゅうぞう)”. 文化財ナビ愛知. 愛知県. 2019年6月11日閲覧。
- ^ “鋳鉄地蔵菩薩立像(ちゅうてつじぞうぼさつりゅうぞう)”. 文化財ナビ愛知. 愛知県. 2019年6月11日閲覧。
- ^ “鋳鉄地蔵菩薩立像(ちゅうてつじぞうぼさつりゅうぞう)”. 文化財ナビ愛知. 愛知県. 2019年6月11日閲覧。
- ^ “鋳鉄地蔵菩薩立像(ちゅうてつじぞうぼさつりゅうぞう)”. 文化財ナビ愛知. 愛知県. 2019年6月11日閲覧。
- ^ “歴史と文化財”. 町の概要. 南知多町. 2019年6月11日閲覧。
- ^ “湯浴地蔵(ゆあみじぞう)(鉄地蔵(てつじぞう))”. 南区. 名古屋市. 2019年6月10日閲覧。