根雪
根雪(ねゆき)とは、冬のあいだ積雪状態が続くことを指す用語である。気象庁では長期積雪と呼ぶ。
一般的には、主に降雪量の多い雪国や降水量が少ない寒冷地で雪が降り積もった後に雪融けの季節まで雪が地面を覆う(つまり積雪)状態が続くことを、その始まりや終わりを指して「根雪が張る」「根雪が解ける」などと呼び、冬の訪れや春の訪れの時期をつかさどる為に使われている。
気象庁の用語においては、一旦積雪が消失しても、積雪期間がある条件を満たせば、再び積雪した際も長期積雪が継続しているとみなされる(後述)。
気象庁における根雪の定義
[編集]気象庁の用語では「長期積雪」といい、観測点における積雪が30日以上継続した状態のことをいう。ただし、積雪が10日以上継続した場合、5日間以内の無積雪期間があっても、次の10日以上に亘って積雪が継続した場合は、積雪が継続しているものとみなす。さらに再び5日間以内の無積雪期間があっても、次の10日以上に亘って積雪が継続すれば、同様に積雪が継続しているものと見なす。以降も同様である[1]。
継続した積雪が始まった日を根雪初日という。根雪の定義が上述のとおりであるので、根雪初日はその日に発表されるのではなく、積雪期間が継続した時点で遡って発表される。 気象庁では、根雪が一般的な主に北日本の有人観測点(官署・特別地域気象観測所)で、各気象台で根雪の初日や終日に関する統計が取られている。アメダス観測点の積雪に関して、取り立てて根雪と言及されることはない。
なお、夏になっても融雪せずに次の冬まで残る雪は万年雪と呼ばれて区別される[2]。
北海道での根雪
[編集]北海道では、根雪は本格的な雪の季節の訪れを示す気象現象となっており、札幌市における根雪初日の平年は12月4日、旭川市で11月22日など。しかし近年では徐々に根雪初日が遅くなる傾向が見られ、旭川市では1939年 - 2004年の間に、約5日根雪初日が遅くなっている[3]。これによりスキー場の営業期間が遅れるなど、レジャー産業への影響も懸念されている。
脚注
[編集]- ^ 『気候学・気象学辞典』 二宮書店 1985年10月15日発行 ISBN 4-8176-0064-0
- ^ 『気象の事典』 東京堂出版 1993年3月1日発行 ISBN 4-490-10328-X
- ^ 『2005 旭川市地球温暖化防止市民フォーラム意見集』p.2