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長衛姫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

長衛姫(長衞姬、ちょうえいき)は、桓公の寵姫。

侯の娘として生まれ、斉の桓公にとついだ。桓公はみだらな音楽を好んだが、長衛姫はや衛のそうした音楽を聞こうとしなかった。桓公は管仲甯戚を任用して斉を強大にし、中原の覇者となった。諸侯はみな斉に朝見するようになったが、ひとり衛だけがやってこなかった。このため桓公は衛を攻撃しようと計画した。桓公が寝室に入ると、長衛姫は桓公の前で耳玉を外し、腰につける佩玉を解いて、堂を下りて再拝し、「衛の罪を自分に負わせるように」と願い出た。桓公は「私と衛のあいだには何事もないのに、姫は何を請願しているのか」と白を切った。長衛姫は「人君に三色があり、憤然として手足を振るわせているのは攻伐の色である」と解説した。翌朝にまた管仲が衛を許すよう奏上したので、桓公は衛を攻撃する計画を取りやめた。桓公は長衛姫を夫人とし、管仲に仲父と号させ、「夫人が内を治め、管仲が外を治めれば、私は愚かであっても、世に立つに足りるだろう」と評した[1]

長衛姫は桓公とのあいだに武孟(無詭[2]、あるいは無虧[3])を生んだ。

脚注

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  1. ^ 列女伝』賢明伝「斉桓衛姫」
  2. ^ 史記』斉太公世家
  3. ^ 春秋左氏伝』僖公17年