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閉鎖都市 巴里

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

閉鎖都市 巴里』(へいさとし ぱり)は、川上稔の代表作『都市シリーズ』の作品。

概要

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異世界の仏蘭西を舞台にした小説。前作『奏(騒)楽都市OSAKA』とは異なり、日記や手紙などで綴られる形式をとっている。

あらすじ

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全てが文字情報によって存在する「巴里」は、第二次世界大戦中、「独逸軍」の放った兵器によって、1944年の1年間を繰り返す「閉鎖都市」となっていた。

ベレッタ・マクワイルドは、「騎」と呼ばれる人型の機械の一種「重騎」を操る少女である。重騎はこの世界において戦場での象徴・旗印としての役割を担う重要な存在とされている。彼女は、幻の重騎開発計画「A計画」とそれに関わったと思われる祖父、ジャック・マクワイルドの謎を追い、54回の回帰を行った巴里へと留学する。

そこでベレッタは不思議な等身大の人型機械、「自動人形」と呼ばれるロゼッタと出会う。ロゼッタと付き合い、A計画を調べていくうちにベレッタは、巴里を閉鎖から解放出来ないかと思うようになっていく。

巴里について

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都市世界における、フランスの首都パリのこと。

歴史

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元来、巴里は「あらゆるものが文字情報によってのみ存在する」という特性を持つ都市だった。 住人達はそれを活かし、最も正確で安全に己の情報を作り、秘め、そして発信する為に数百年前から結界を張っており、それによる閉鎖から「閉鎖都市」と呼ばれていた。

しかし1944年の第二次世界大戦中、独逸軍によって占領された巴里で新たな閉鎖が発動する。 正確には1944年8月6日午前5時32分18秒、独逸軍の支配を破る為に連合軍が仕掛けた解放戦の中、独逸軍が持ち込んでいた言詞爆弾が爆発したのである。それによって時空間の遺伝詞が変質し、巴里は「市外の時間を無視し、都市内部の1943年の8月から1944年の8月までの1年間を繰り返す」という、第二の「閉鎖」を起こした。

後の1963年、電詞都市DTの遺伝詞解析技術によって出入りが可能となる。しかし持ち込める物品は「1944年当時に存在していた物」に限られ、しかも一度持ち込まれた物品は都市の免疫機構によって二度と持ち込む事は出来ない。それは人間も類に漏れず、一人の人間が巴里に入れるのは生涯に一度だけである。免疫機構は年々強まっており、次第に持ち込める物品は限られ、最終的にはあらゆるものが入り込めない完全な閉鎖都市になるとされている。

特性

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上記のように、巴里本来の特性は「市内においては、あらゆるものが文字情報によってのみ存在する」という事である。人間や物品を問わず、万物が三次元に物体として存在するのではなく、文字よる単語や形容詞によってのみ存在と個性を立証される。

住人達は「加詞筆」と「詞認筆」によって行動し、日記をつける事で己の生活を立証する。故に個人単位でのボキャブラリや想像力が非常に重要であり、主観と現実に齟齬が生じ易い都市である。

またこれとは別に、仏蘭西全体の個性として「騎の開発に古くから携わっている」という特性がある。

巴里における人間

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巴里内部にて言詞爆弾の爆発に巻き込まれた人間は連環の一端となっており、時間の回帰に気付く事もなく、毎回同じように生活し、同じ様に死んでいく。外部から入り込んだ人間が巴里内部で死んだ場合、回帰の際に存在が消滅する。生きていた場合もその時点で巴里に気付かれ、「余計なもの」として市外に排斥され、二度と入る事は出来なくなる。

巴里の住人ではあるものの、何らかの要因で言詞爆弾の爆発に居合わせなかった為に連環から免れた者達は「第一の避難者」と呼ばれる。

用語

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巴里に関する用語

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詞認筆
全てが文字によって存在する巴里独自の要素。英語で「サイン」、フランス語で「シーニャ」、ドイツ語で「レルネン」と読む。
巴里において、個人が自身の行動や主観を実現する為に用いる。基本的に巴里内での個人行動はこれによって実行され、その表記によって行動や結果が果たされる。しかしこれはあくまでも主観によるものであり、他者との詞認筆がぶつかった場合、事実に近い方が優先される。もしも他者の詞認筆が事実に近かった場合、自身の認識とは異なる結果を突然受ける、という事になる。故に事実を確認する加詞筆との兼ね合いが非常に重要である。
加詞筆
全てが文字によって存在する巴里独自の要素。英語で「ポイント」、仏語で「アジュテ」、独語で「フェアベッセリング」と読む。
巴里において、客観的な事実を確認する為に用いる。これを行う事によって基準となる現実を把握し、それに則した行動をとれるようになる。ただしこれを行っている間、自身の行動を果たす詞認筆を行う事は出来ない。
初期化
巴里が1年前へと逆行する瞬間の事。英語で「フォーマット」、仏語で「プリミティーフ」と読む。
これが発動する時間が、独逸軍による言詞爆弾の爆発(1944年8月6日午前5時32分18秒)であり、これが起きると1944年8月6日まで逆行する。これに巻き込まれている巴里の住人達はそれに一切気付く事はなく、巴里外から来ていた人間や物品は全て排除され、二度と入る事は出来ない。またこれを打破して巴里が市外と繋がった場合、54年間の誤差という矛盾を解消する為、市外の世界は1944年まで逆行する。
連環
巴里が1943年8月6日から1944年8月6日午前5時32分18秒の1年間を繰り返す事。正確にはある空間内で特定の期間が繰り返す事。仏語で「ロンド」、独語で「メタフィジコーズ」と読む。
第一の避難者(ファーストイレイサー)
巴里の住人ではあるが、何らかの要因で言詞爆弾の爆発に居合わせなかった者の総称。
言詞爆弾(ヴォルト・ボンベ)
爆発地点から広範囲に渡り、空間さえも遺伝詞を変異させる強力な兵器。巴里が連環を起こした原因。
ただし変異の結果は言詞爆弾の使用者側ではなく、効果範囲に存在する全ての遺伝詞に影響される。

騎・自動人形に関する用語

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重騎、中騎、軽騎の総称。英語で「バレル」、仏語で「アパレイユ」と読む。
総じて大きな人型機械であり、騎師が記乗する事によって同化、自らの体として操縦する。中でも重騎は別格の存在であり、性能や存在意義において中騎と軽騎を遥かに上回る。ちなみに騎自体はあくまでも素体であり、戦場では装甲服(英語で「ドレス」と読む)をまとう。
重騎について
三種の中で最も強く、大きな騎。英語で「ヘビィ・バレル」、仏語で「ルール・デ・マリオネッタ」、独語で「グレーセ・パンツァー」と読む。
戦闘力以上に戦場での象徴・旗印としての意味が強く、重騎の有る無しで戦意は格段に変わるとされている。その全てが職人達によるオーダーメイドであり、凄まじい維持費と制作費がかかるので量産される事はなく、市場も存在しない。最大の特徴は搭乗者の強い意思によって発揮される機体の強化変質「凌駕紋章」であるが、機体全ての凌駕紋章が行える者は殆どいない。
扱いの難しさや少数生産限定という点から、戦車や戦闘機に主力兵器の座を奪われるも、旗印として意味合いから開発は現在でも行われている。
凌駕紋章
重騎の機体表面に彫り込まれた紋章であり、重騎が搭載する最大の特徴。英語で「オーバーエンブレム」、仏語で「エクシードアンブレム」と読む。
記乗者の強い意思に反応し、紋章によって周囲の流体に干渉、紋章が示す形へと機体を変質させる機能。その場合、重騎は機械というよりも人間に近い形となる場合が多い。機体全てを凌駕紋章によって変質させる事は限りなく困難であり、それが可能な重騎師は歴史に名を遺すレベルといえる。なのでほぼ全ての重騎師は機体の一部を変質させる事が出来るのみである(それも非常に難しい)。
記乗
騎師の肉体を遺伝詞分解し、騎と合一する事で機体を操縦する事。英語で「ライトブリング」、仏語で「レクリア」、独語で「シュレイブン」と読む。
重騎師
重騎を駆る者の総称。英語で「ナイトストライカー」、仏語で「ルール・デ・エクリヴァン」、独語で「パンツァー・カバリエ」と読む。
同様に中騎を駆る者は中騎師、軽騎を駆る者は軽騎師と呼ばれる。
守護騎師
仏蘭西各地で国の守護を司っていた騎師の総称。
バルロワ家が王宮守護騎師として治めていたが、没落によってその役は無くなり、他の守護騎師達も革命によって同じく役を失った。しかし未だに強い政治的発言力を持っている。巴里守護騎師(シュバリエ・デ・パリ)のミゼール家もこれの一つ。
自動人形
等身大の人型機械。仏語で「ベル・デ・マリオネッタ」、独語で「ザインフラウ」と読む。
架空都市倫敦で多くの発展を遂げる。中には「自動人形の意思次第で、体が人間へと進化する」機能を持つ機種があり、ロゼッタやベレッタの実家で造られている自動人形達もこの機能を持つ。しかし多くは労働力・愛玩品として存在しており、強い差別対象である事もあって、多くの自動人形は進化する事を諦め、わざと失敗して自壊する場合が多いのが現状である。
川上稔の作品において、ほぼ全てに登場するもの。

計画

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A計画(アティゾールけいかく)
第二次世界大戦中、仏蘭西で行われていたとされる計画。
「最強の騎を開発する計画」とされているが、世間一般では架空のおとぎ話程度の認識であり、M・シュリアーの著作の一部にまとめられている。ジャック・マクワイルドはこれに関わっていたとされている。
その正体はP計画の対とでも言うべき、騎体の力を引き出すための回答として「機械を人とする」というものであり、最強の「騎」ではなく、最強の「騎士」となる自動人形の開発計画であった。
自動人形の「人に進化する」という特徴を応用したこの理論は、逆にその「人に進化すること」の目的が戦闘機械となることへの矛盾から自動人形の自殺や暴走を生み、それによって計画は頓挫。それまでの全てのデータを組み込んだ最後の一体であるロゼッタを残し、全ての資料は破棄された。
P計画(パンツァーリッターけいかく)
独逸のG機関が取り組んでいるとされる計画。
被験者の体を義体化する事で身体能力と機械への順応性を高め、騎への記乗では人間を遥かに超える速度と精度の操縦を行う事が出来る。また感情喪失機構も搭載する事で正確な判断を行い、記憶も戦闘に関するもの以外は全て封印される。仮に何らか要因で封印された記憶が触発されたとしても、感情喪失機構が即座にそれを抑制する。ただし感情の喪失による弊害として、凌駕紋章が使えなくなる。
劇中においてA計画と対になる、騎体の力を引き出すために「人を機械とする」答えである。

組織

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G機関(ゲハイムニスきかん)
独逸の秘密機関。独逸において正規軍以上の地位を持つとされる。主に機甲都市伯林にて登場。

登場人物

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二人の主人公

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ベレッタ・マクワイルド
現代(1998年)の米国から留学してきた女学生。実家はS.F.の自動人形工場で、以前より重騎を駆り続けていたベテラン重騎師。
あっけらかんとした豪快な性格で、やや強引な所のある。しかし根の所で押しが弱く、失敗や不安を大きく捉えがち。祖父、ジャック・マクワイルドの死因と彼が関わっていたA計画を調べる為に巴里へ留学してきた。その過程でロゼッタと出会い、彼女の進化を促す。フィリップの恋人だが、彼の未来を知るが故に最近は衝突する事が多く、疎遠がち。巴里への干渉、自分の在り方について悩む。
ロゼッタ・バルロワ
巴里(1944年)のバルロワ邸で女給を勤める形式不明の自動人形。
当初は殆ど進化していなかった為、感情を殆ど見せなかった。しかしベレッタとの出会いで心身共に成長し、控えめで天然ボケな所はあるが、温和で純真な性格となっていく。ベレッタを通じて下界や多くの人間と出会い、多くの事を知る事で人間へと進化する。ややベレッタに依存がち。
なお、上巻の挿絵にて「ロゼッタ・バルボワ」となっているが、誤植である。下巻では訂正されていた。

ベレッタの同級生

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フィリップ・ミゼール
元巴里守護騎士、ミゼール家の嫡男。ベレッタの恋人。
口数の少ない無愛想ともとれる性格で、割と浅はかな事もあって周囲には誤解されがち。しかし実際は信念と情に厚い性格。独逸軍に入っている事から巴里の住人や同級生達から疎遠されているが、実はレジスタンスのスパイとして潜り込んでいた。歴史上では蜂起の際にハインツ・ベルゲと交戦して戦死、ミゼール家は断絶する事になっている。
マレット・ハルキュリア
ベレッタの親友で、フィリップとも友好がある。ユダヤの豪商の娘。
はすっぱで不真面目な一面が目立つが友情に厚く、リーダーシップのある性格。ベレッタを含む友人グループのリーダー格で、ロゼッタの事も友人の一人として歓迎した。

独逸軍

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ハインツ・ベルゲ
独逸軍の重騎師。P計画によって全身を義体化、感情喪失機構を積んだ事で最強の称号を得た。
機構騎師となった事で戦闘に関する事以外の記憶を失い、感情も封印されので人格を持っていない。あるのは「最強」であり続けなければならないという意思のみ。巴里での駐屯中に過去の記憶を触発され、その為に己の過去とそれに関わるA計画を追う。
巴里蜂起戦でフィリップ・ミゼールと交戦。勝利したものの「感情の有無」が勝敗を分けたわけではない僅差であったことを認識、「最強」の定義に揺らぎを感じ始める。
その後A計画の接収の為、臨検に赴いたバルロワ邸においてベレッタと交戦。ベレッタを負傷させたが、その際の高速戦闘と転倒によって感情喪失機構が破損。
記憶と感情が蘇ったことにより、「最強」として意志や感情なども含めた総てを使って勝つ為、凌駕紋章をも使用しベレッタの救援に現れたロゼッタと交戦。
最終的には敗れ、ロゼッタに抱き締められる形でその生を終えた。

レジスタンス

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ギヨーム・バルロワ
巴里のとある丘の家に住む義足の老人。ロゼッタの主人。
外見相応に無骨で愛想の無い性格。突然転がり込んできたベレッタをなし崩しで匿う事となった。元王宮守護騎師で、その縁もあってレジスタンスの主要人物とされた。ジャック・マクワイルドやロゼ・フランシスカの友人で、A計画にも携わった。ロゼッタを引き取ったのもその縁によるものである。
ジャン・ミゼール
フィリップの祖父。元巴里守護騎士で、レジスタンスのリーダー。組織内では“蒼目”と呼ばれる。
蜂起戦後の独逸軍の襲撃で致命傷を負い、ベレッタと僅かに会話した後に死亡する。

ベレッタの親族

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女剣士
ベレッタの祖母。ベレッタとは完全に同名の「もう一人のベレッタ・マクワイルド」。
1944年当時は諜報員をしており、言詞爆弾投下時は特殊工作員として仏蘭西外にいた為、連環による封鎖から免れた。その後はS.Fで自動人形の工房を作り、1995年に引退。巴里に向かったベレッタに数十通に渡る手紙を授けた。その手紙は1998年の米国で書かれたことになっているが、後の歴史改変では1995年に引退し、仏蘭西に帰国している。
ロゼ・フランシスカ
“女剣士”の母親で、ベレッタの曾祖母。風水師の老女。
風水によって転輪の中で記憶を継続させ続ける唯一の人。ベレッタが潜り込んだ事で輪廻打破の希望を見出し、ギヨームに未来の歴史を綴った手紙を送る。
ジャック・マクワイルド
“女剣士”の父であり、ベレッタの曾祖父。ロゼ・フランシスカの夫。
ギヨームの友人で、A計画の開発者。ジャック・マクワイルドが死んだ事が起因し、ベレッタは巴里への留学を決意した。
M・シュリアー
都市シリーズを通じて登場する人物。喪失技巧奇集本の執筆者。独逸の“裏切り者”。

巴里に棲む獣達

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黒竜
ブルゴーニュの地脈から生まれた黒い竜。重騎を狙って襲う。
狐鬼
バルロワ家の庭に住む狐鬼の一家。両親と子供が3匹(雌1匹、雄2匹)の5匹がいる。
雌の子はマレット。雄の子達はジャックとジャン。母親はベレッタ。父親はフィリップ。狐鬼の能力として、生涯において一度だけ人間の姿に化ける事が出来る。

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重騎

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快(グラッチェ)
HLP-018・77-LL(量産雌型重騎“快”軽陸戦式)。凌駕紋章は“飛天”。
作中で使用されたのは巴里大学で保存されていたもの。
学園祭の重騎戦においてベレッタが搭乗し優勝するも、その後の特別戦における“赤獅子”との戦いで破損する。
快・改
学園祭の重騎戦で破損した“快”を改修したもの。
脚部強化や小翼の追加などがなされている。
ベレッタによって巴里解放に使用される。言詞爆弾搭載の輸送機を撃破し、バルロワ邸に辿り着いたところで“赤獅子”と交戦する。
楽(スリール)
HLT-001X・XX-XL(試作雌型重騎“楽”重陸戦式)。凌駕紋章は“直天”。
ブルゴーニュの村に保管されていたもの。ふたつの増槽と六連神術砲、改造された凌駕紋章を持つ。
村を襲った黒竜を迎撃するためにベレッタの騎乗によって出撃。竜の撃破に成功した。
庇護女帝(プロテクティッド・エンプレス)
HLF-087・13-LL(単作雌型重騎“庇護女帝”軽陸戦式)。凌駕紋章は“戦女后”。
レジスタンスの最新鋭重騎。米国由来の曲線シリンダー機構を持ち、『戦乙女の鋼槍』を装備している。
独逸軍から逃げていたベレッタの手によってバルロワ邸に転がり込み、ギヨームの手によって修復される。
その後、自身の出自を知ったロゼッタの騎乗によって起動、“赤獅子”と交戦し、これを撃破した。
剣将(エクスペール・デ・オレイル)
ミゼール家の家宝の重騎。凌駕紋章は“炎舞(フラーム・バル)”。
重騎用の神形具『第三炎帝』を装備している。
フィリップ・ミゼールが騎乗し巴里蜂起戦に参加。“赤獅子”をあと一歩まで追い詰めるも、胴体を両断されて破壊された。
赤獅子(ロート・レーヴェ)
独逸G機関陸軍部の重騎。P計画により反射速度と出力の上限は通常の50 - 150倍。
凌駕紋章は“鋼獅子”だが、騎乗者のハインツ・ベルゲが感情喪失化しているため、使用されることはない。
流体を「斬撃」の刃として纏う『重裂杖』を装備している。
戦(ゲイル)
HMP-035・22-LL(量産雄型重騎“戦”軽陸戦式)。
作中では巴里大学で使用されている。第一次大戦中の平均型重騎。

中騎

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英語で「ミドル・バレル」、仏語で「フォルマ・デ・マリオネッタ」、独語で「ミッテル・パンツァー」と読む。

黒犬(ヤークト・フント)
独逸軍の中騎。装甲が厚い。独逸軍の一般部隊が装備し使用するほか、巴里大学の重騎講座でも独逸軍から出向してきた教官の乗機として登場。
(なお、この教官の“黒犬”は前夜ベレッタが逃走中に破損させたものであり、修復跡が歴然と残っていた)

軽騎

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英語で「ライト・バレル」、仏語で「レジェ・デ・マリオネッタ」、独語で「クライン・パンツァー」と読む。

闘犬(ビルト・フント)
独逸軍の軽騎。モルバン山渓を調査中、一騎が黒竜によって破壊される。

既刊

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