阪堺電気軌道1形電車
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阪堺電気軌道1形電車(はんかいでんききどう1がたでんしゃ)は、阪堺電気軌道(初代)が保有していた路面電車用電車。
概要
[編集]本形式は、1911年(明治44年)から1912年にかけてモ1-52の52両が製造された木製高床ボギー車である。 1915年南海鉄道に合併されたのち1916年(大正5年)にモ50-52が箕面有馬電気軌道に箕面線用の34形として譲渡されたほか、1934年(昭和9年)にモ19・34・35・40が阪堺電鉄に譲渡され81形に、1935年(昭和10年)にモ15・17・29・37・39が琴平参宮電鉄に譲渡され55-59となった。また1930年(昭和5年)には形式を電1形からモ1形に変更している。 その後、1937年(昭和12年)から1939年(昭和14年)にかけてモ201形・モ205形に改造され、形式消滅となった。
車体
[編集]全長10,668mm、車体幅2,286mm、車体高3,683mm、定員62人(うち座席42人)、自重13.6tの中型車で、台車はブリル27-GE-1、主電動機はGE-247-I(30kw)×2、制御装置は直接式のGE-K-9。屋根の側面に明かり取り窓とガーランド型ベンチレーターを片側に2基ずつ設けたモニタールーフ(段落ち屋根)を備え、前後に出入り口を設けた窓配置D10Dのオープンデッキスタイルであった。デッキ部は妻板を設けたベスティビュール構造として前面窓を3枚並べ、中央の窓上に方向幕を設けていた。
参考文献
[編集]- 和久田康雄『日本の市内電車 ―1895~1945―』成山堂書店、2009年、199-202頁