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雪嶋宏一

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雪嶋 宏一ゆきしま こういち
人物情報
生誕 1955年10月(68歳)
日本の旗 日本静岡県
出身校 早稲田大学第一文学部
学問
研究分野 図書館情報学・西洋書誌学社会情報学・北アジア考古学
研究機関 早稲田大学教育・総合科学学術院
新宿区立図書館運営協議会
主な受賞歴 図書館サポートフォーラム賞 (2017年)
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雪嶋 宏一(ゆきしま こういち、1955年10月[1] - )は、日本書誌学者。専門分野は、図書館情報学・西洋書誌学・書物学・社会情報学[1]、北アジア考古学[2]早稲田大学名誉教授静岡県出身。

略歴[編集]

学歴・職歴[1][編集]

1955年10月、静岡県に生まれる。1974年静岡県立浜松北高等学校から、早稲田大学第一文学部に入学。1978年3月、同大学東洋史専攻で卒業。

同年4月より、早稲田大学職員司書として入職(2008年3月末まで勤務)。明治大学リバティ・アカデミーでの講師を兼任[3]。2008年4月に早稲田大学教育・総合科学学術院准教授となる。2009年7月、新宿区立図書館運営協議会 会長をつとめる。2013年4月より、同大学教育・総合科学学術院教授に昇進。2020年9月より学術院教育学科主任をつとめる(2022年9月まで)。

2023年3月、定年退職[4]。名誉教授の称号を受ける。

研究[編集]

  • 15世紀の活版印刷本(incunabula:インキュナブラ、インキュナビュラ、インクナブラ)を中心に西洋書誌学を研究。日本全国に所蔵されるインキュナブラを1988年から書誌学調査して全国所在目録を作成。目録第1版を1995年、2004年に改訂増補版を上梓した[5]

受賞[編集]

  • 2017年4月17日 第19回 図書館サポートフォーラム(LSF)賞 受賞:日本国内におけるインキュナブラの調査研究と西洋書誌学の発展に対し[6]

主著[編集]

単著[編集]

  • 『本邦所在インキュナブラ目録(IJL)』雄松堂出版、1995年。
    • 改訂増補版(英語版):Incunabula in Japanese libraries (IJL2)、2004年[7][8]
  • スキタイ:騎馬遊牧国家の歴史と考古』〈ユーラシア考古学選書〉雄山閣、2008年[9]NCID BA87118207
  • 『西洋古版本の手ほどき:基礎編』〈リバティアカデミーブックレット16〉明治大学リバティ・アカデミー編、2011年[10]
  • 『雪嶋宏一書誌選集:コルディエ、インキュナブラ、アルドゥス書誌論』〈文献探索人叢書/深井人詩編〉金沢文圃閣、2013年。NCID BB11830736
  • アルド・マヌーツィオルネサンス文芸復興』東京製本倶楽部会報編集室、2014年。NCID BB14964976
  • 『書誌学の誕生:コンラート・ゲスナー『万有書誌』の研究』日外アソシエーツ、2022年。NCID BC18882906

共著・編著[編集]

第3章「アルタイからウラルまで:中央ユーラシア中部の騎馬遊牧文化」
- 2「セミレチエの騎馬遊牧文化」pp.148-164
- 3「中央カザフスタンの初期遊牧文化」pp.164-172
- 4「アラル海沿岸の初期遊牧文化」pp.172-188
第4章 1 - 8「ウラルからカルパチアまで:中央ユーラシア西部の騎馬遊牧文化」pp.189-261
  • 『ヴァチカン教皇庁図書館展』印刷博物館、2002年。
  • 『古代王権の誕生 3:中央ユーラシア・西アジア・北アフリカ編、初期王権研究委員会編』初期王権研究委員会編、角川書店、2003年。 
「騎馬遊牧民スキタイの王権の成立と発展」
自然科学編:「「知の系譜」文庫の意義」pp.5-6「自然科学の系譜」pp.11-14、人文・社会科学編:「人文・社会科学の系譜」pp.3-7
  • 『タイポグラフィの基礎:知っておきたい文字とデザインの新教養』小宮山博史編、誠文堂新光社、2010年8月。
「グーテンベルクの活版印刷術発明, 活版印刷術の波及とインキュナブラ」pp.20-27
  • 『鍑 (ふく) の研究:ユーラシア草原の祭器・什器』〈ユーラシア考古学選書〉草原考古研究会[11]編、雄山閣、2011年10月。
「先スキタイ~スキタイ時代の中央ユーラシア草原西部の鍑」pp.255-291
  • 『ヴァチカン教皇庁図書館展II:書物がひらくルネサンス』印刷博物館、2015年04月。
  • 『旅の書物/旅する書物』松田隆美編、慶應義塾大学出版会、2015年09月。ISBN 978-4766422610
「旅と文献情報の収集:16世紀コンラート・ゲスナーの場合」pp.3-37
  • アルド・マヌーツィオの魅力 印刷博物館講演録』白井敬尚と共著、2016年。
  • 『天文学と印刷:新たな世界像を求めて』印刷博物館 - 展覧会カタログ、2018年10月。
「学匠印刷家の系譜」pp.16-28
「早稲田大学の蔵書形成と知の体系:ルートヴィヒ・リースの旧蔵書を中心に」pp.267-295
  • 『図書・図書館史:図書館発展の来し方から見えてくるもの』〈講座・図書館情報学 12〉三浦太郎編著、京都・ミネルヴァ書房、2019年09月。
「中世修道院の図書室」NCID BB28704135
  • 『ユーラシアの大草原を掘る:草原考古学への道標』〈アジア遊学238〉草原考古研究会編、勉誠出版、2019年9月[12]
スキタイの遺跡:ルィジャニフカ村大古墳を巡る問題」
サルマタイの遺跡:フィリッポフカ古墳群を巡って」
サカの遺跡:ベレル古墳群について」
"Gessner's Bibliotheca universalis and the Aldine Press" pp.29-40

監修[編集]

  • 『読書と豊かな人間性』〈ライブラリー学校図書館学 1、金沢みどり・雪嶋宏一監修〉金沢みどり・河村俊太郎著、勉誠社、2023年[13]

翻訳[編集]

論文[編集]

その他

脚注・出典[編集]

  1. ^ a b c 略歴・業績, p. 259.
  2. ^ 古代王権の誕生 2003, p.277 著者紹介.
  3. ^ 『時計台』 2004, p. 19.
  4. ^ 卒業生に贈る言葉 早稲田大学. 2024年6月25日閲覧。
  5. ^ 「関西学院大学図書館所蔵の15世紀刊行聖書について」『時計台』第74号、関西学院大学図書館報、2004年4月1日、17-19頁、hdl:10236/1855“調査の一環として…関西学院大学図書館に所蔵されている2点の聖書…の特徴について報告したい。” 
  6. ^ 受賞のことば”. 図書館サポートフォーラム (2017年4月17日). 2024年6月25日閲覧。 “インキュナブラの調査を始めるにあたり、私に書誌作成方法を教えてくださった深井人詩先生に相談しました。”
  7. ^ 雪嶋宏一 (2010年11月5日). “大学図書館とインキュナブラ” (PDF 191KB). 私立大学図書館協会. p. 1-18. 2024年6月25日閲覧。
  8. ^ 受賞のことば 2017.
  9. ^ 居阪僚子「新刊紹介」『史学雑誌』第118巻第6号、史学会、2009年6月20日、1227-1228頁、doi:10.24471/shigaku.118.6_1227“本書は、著者のこれまでの業績を礎に最新の考古学研究の成果を加えて書き上げられた日本初のスキタイの専門書である。”  / 居阪僚子 - CiNii Research
  10. ^ 『西洋古版本の手ほどき』刊行”. Conservation for Identity. 2024年6月25日閲覧。 “「明治大学リバティアカデミー」で雪嶋宏一氏(早稲田大学教育・総合科学学術院准教授)が講師として行っている講座「西洋古版本の手ほどき」の内容をまとめたもの”
  11. ^ 草原考古研究会 - ウェイバックマシン(2023年2月12日アーカイブ分)
  12. ^ 書籍の詳細・目次・草原考古研究会プロフィール 勉誠社
  13. ^ 書籍の詳細・目次・監修著者プロフィール 勉誠社

参考資料[編集]

  • 「雪嶋宏一教授 略歴・業績」『学術研究:人文科学・社会科学編』第71巻、早稲田大学教育・総合科学学術院、2023年3月25日、259-264頁、hdl:2065/00093458 

外部リンク[編集]