音江環状列石
音江環状列石(おとえかんじょうれっせき)は、北海道深川市音江に所在する縄文時代の環状列石群である。別称は、音江環状石籬である。1928年(昭和3年)、北海道指定の史跡に指定され、1956年(昭和31年)12月28日、国の史跡に指定されている[1]。
概要
[編集]稲見山という標高113メートルの台地に構築されている。本遺構は、13号まで確認されているが、元来はもっと多数であったと考えられている。
発掘調査は、1917年(大正6年)に道庁技師が2基の環状列石の内側を調査している。また、1953年(昭和28年)と1955年(昭和30年)にも発掘調査されている。
規模・形状
[編集]遺構は、北側と南側の2グループとして捉えることができる。北側には1 - 10号までが並んでいる。これらの遺構の直径は2メートルから5メートル前後であり、自然石を環状に立てて置き、その内側に川原石を敷き詰めたり、積み重ねたりしている。南側には11号 - 13号までの3基があり、それらは東西、南北の長さが30メートルほどの土手で方形の区画を設けている。ここには環状の配石はない。
埋葬施設・出土品
[編集]北側の遺構の敷き詰めた石を取り除くと下から2メートル×0.5メートル、深さ1メートルほどの隅丸方形の墓壙が掘られていた。墓壙内から腐食した人骨、底から翡翠の小玉、黒曜石製石鏃、チャート製の石匙(せきひ、いしさじ)、朱漆片が出土した。南側の方形土塁の内側には、隅丸方形状に平たい石を敷き詰め、その下に1メートル×2メートルの墓壙が掘られていた。11号では翡翠小玉23、有柄石鏃12個が並べられた状態で出土した。石鏃のそばには朱漆の弓が樹皮様の紐を巻き付けて置かれていた。12号では翡翠小玉9、朱漆片、13号では翡翠小玉6、黒曜石石鏃1が出土している。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 竹田輝雄「音江環状列石」/文化庁文化財保護部史跡研究会監修『図説 日本の史跡 第1巻 原始1』 同朋舎出版 1991年 ISBN 978-4-8104-0924-6 ISBN 4-8104-0924-4
関連項目
[編集]座標: 北緯43度40分26.5秒 東経142度2分1.1秒 / 北緯43.674028度 東経142.033639度