馴化
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馴化(じゅんか、英: Habituation)とは、心理学における概念の一つ。ある刺激がくり返し提示されることによって、その刺激に対する反応が徐徐に見られなくなっていく現象(馴れ、慣れ)を指す。同じ意味で、馴致[1]と言う言葉もある。
特に、報酬をもたらすわけでも有害なわけでもない中立的な刺激に対して生じやすい。馴化は刺激を特定して起こる。つまり、ある刺激Aに馴化しているときでも、別の刺激Bを提示された場合、生体は刺激Bにはちゃんと反応する。ヒトだけでなくほぼすべての動物が馴化を示す。学習や記憶の基礎研究でよく用いられるアメフラシの他にも、原生生物であるソライロラッパムシ(Stentor coeruleus)でも馴化が起こるという報告がある[2]。
メカニズム
[編集]内因性カンナビノイドの一つである2-アラキドノイルグリセロール (2-AG) の合成が低下すると、匂いや空間に対する馴化(適応)が促進される。反対に、2-AGが海馬歯状回のシグナル伝達を弱めることで馴化が抑制される[3][4]。
出典
[編集]- ^ Habituation:馴れることで平気になる - 日本女子大学 心理学科
- ^ Wood, D. C. (1988). Habituation in Stentor produced by mechanoreceptor channel modification. Journal of Neuroscience, 2254 (8).
- ^ Yuki Sugaya, et al. (2013-2-20). “The endocannabinoid 2-arachidonoylglycerol negatively regulates habituation by suppressing excitatory recurrent network activity and reducing long-term potentiation in the dentate gyrus.”. en:The Journal of Neuroscience. 33 (8): 3588-601. doi:10.1523/jneurosci.3141-12.2013. PMID 23426686 .
- ^ 脳内のマリファナ類似物質が‘慣れ’をコントロール - 内因性カンナビノイドによる馴化の制御メカニズムの解明(2013年7月22日) 東京大学 医学系研究科・医学部 - 2016年12月23日閲覧