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高尾厚

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

高尾 厚(たかお あつし、1948年 7月24日~ )は、日本経済学者。専門は保険[1]学位は、博士(商学)神戸大学[2]神戸大学大学院経営学研究科教授を経て、同名誉教授。

長崎県生まれ[3]。1977年、神戸大学大学院経営学研究科博士課程単位修得退学。神戸大学大学院経営学研究科教授を経て[2]、2013年から名誉教授[4]。大手損害保険会社に勤務していたことがある[5]水島一也の門下生[6]

伝統的保険学に対する批判で知られ、1972年にノーベル経済学賞を受賞した、ケネス・J・アローが指摘する様に、保険学に於いては、先ず以って、応用ミクロ経済学を適用すべきと主張した[7][8]。『保険構造論』(千倉書房、1991年)は保険経済学に関連する主要な研究の一つ[9]

略歴

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学歴

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  • 1967年3月 長崎県立佐世保北高等学校卒業[10]
  • 1971年3月 長崎大学経済学部卒業(経済学士
  • 1974年3月 神戸大学大学院経営学研究科修士課程修了(経営学修士
  • 1977年3月 神戸大学大学院経営学研究科博士課程単位取得退学[11]
  • 1992年1月 博士学位請求論文の「保険制度の基本構造に関する研究」に対して、神戸大学大学院経営学研究科より、博士(商学)の学位を授与される。審査委員は水島一也、本多佑三、丸山雅祥。(博 ろ 第20号 神戸大学)[10]

職歴

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  • 1971年4月 東京海上火災保険株式会社入社(1972年3月退社)
  • 1977年4月 神戸大学経営学部助手(文部教官)任官
  • 1978年8月 神戸大学経営学部講師昇任
  • 1981年3月 文部省長期在外研究員として、Universität Hamburg にて、客員研究員 ( 1981年12月迄)
  • 1982年8月 神戸大学経営学部助教授昇任
  • 1984年3月 Alexander von Humboldt Stiftung Stipendiat として、Universität zu Köln にて、客員研究員 ( 1985年9月迄 )
  • 1991年5月 神戸大学経営学部教授昇任
  • 1993年7月 神戸大学六甲台後援会短期在外研究資金により、Universität zu Köln にて、客員研究員 ( 1993年10月迄 )
  • 1999年4月 神戸大学大学院経営学研究科教授に配置替え
  • 2004年6月 滋賀大学経済学部リスク研究センター客員教授兼任(2005年3月迄)[11]
  • 2007年6月 日本保険学会関西部会長(2009年6月迄)
  • 2013年3月 神戸大学大学院経営学研究科教授を停年退官[10]
  • 2013年4月 神戸大学名誉教授[4]
  • 2016年6月 日本保険学会関西部会顧問
  • 2018年6月 日本リスク研究学会名誉会員
  • 2022年11月 日本保険学会名誉会員

著書

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単著

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  • 『保険構造論』(千倉書房、1991年)、経営科学文献賞受賞対象著書
  • 『保険とオプション―デリバティブの一原型ー』(千倉書房、1998年)
  • 「学界展望 : 保険市場と「応用ミクロ経済学」」国民経済雑誌、第155巻第4号 ( 神戸大学経済経営学会、1987年 )
  • 「ミクロ経済学序説ー商学基礎論講案ー」( 神戸大学経営学部ワーキング・ペーパー、8806、1988年 )
  • 「商学基礎論学習のためにーミクロ経済学のすすめー」『経済学・経営学の学習のために、昭和63年前期号』( 神戸大学経済経営学会、1988年 )

共編著

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  • 『現代保険学の展開ー水島一也博士還暦記念論文集ー』田村祐一郎と共編著(千倉書房、1990年)
  • 『現代保険学』近見正彦・前川寛・古瀬政敏・下和田功と共著(有斐閣アルマ、1998年)
  • 『新・保険学』近見正彦・吉澤卓哉・甘利公人・久保英也と共著(有斐閣アルマ、2006年)
  • 『保険制度の新潮流ー水島一也博士喜寿記念論文集ー』田村祐一郎・岡田太志と共編著(千倉書房、2008年)

訳書

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  • 『保険経済学序説』R.L.カーター著、玉田巧と共訳(千倉書房、1984年)
  • 『保険市場論』ディーター・ファーニー著、高尾厚監訳、ファーニー保険市場論研究会訳(生命保険文化研究所、1991年)
  • 『保険経営学(上・中・追補・下)』ディーター・ファーニー著、高尾厚監訳、ファーニー保険経営学研究会訳(生命保険文化研究所、1994年-1999年)
  • 『保険均衡理論―一般均衡理論における不確実性と保険』ローラント・アイゼン著、高尾厚監訳、アイゼン保険経済学研究会訳(生命保険文化研究所、2001年)

海外出版

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  • 『英独仏日保険用語辞典:追補版』 (Müller−Lutz, Hans Leo 他と共著), Verlag Versicherungswirtschaft e.V., Karlsruhe, Bundesrepublik Deutschland, 1995,1-57.

分担執筆

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  • 『経済発展と第三次産業』神戸大学経営学部80周年記念論文集編集委員会編(千倉書房、1985年)
  • 『現代保険学の展開―水島一也博士還暦記念論文集ー』水島一也博士還暦記念論文集刊行会編(千倉書房、1990年)
  • 『保険文化――リスクと日本人』水島一也編著(千倉書房 、1995年)
  • 『増補改訂版 リスク学事典』日本リスク研究学会編、酒井泰弘らと分担執筆(阪急コミュニケーションズ、2006年)
  • 『リスク学用語小辞典』日本リスク研究学会編、酒井泰弘らと分担執筆(丸善、2008年)
  • 『保険学保険法学の課題と展望―大谷孝一博士古稀記念ー』石田重森、江頭憲治郎、落合誠一編集代表(成文堂、2011年)

所属学会

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  • 日本保険学会
  • 日本リスク学会
  • Society of Risk Research-Europa[11]

受賞歴

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  • 1991年1月 社団法人日本経営協会経営科学文献賞[12]
  • 2005年11月 日本リスク研究学会学会賞[13]

出典

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  1. ^ 「(ニュースQ3)痴漢冤罪・ペット・孤独死に備えるミニ保険って?」『朝日新聞』2016年2月9日付朝刊
  2. ^ a b 『新・保険学』有斐閣アルマ、2006年、著者略歴
  3. ^ コーポレート・ガバナンスとアカウンタビリティ(NPO法人現代経営学研究所)
  4. ^ a b 名誉教授・特別功労者(神戸大学大学院経営学研究科)
  5. ^ 「(災害と社会 なぜ備えないのか:3)地震保険 加入拡大にジレンマ 【名古屋】」『朝日新聞』2006年1月17日付朝刊
  6. ^ 今井薫「「保険」に関する若干の考察―― 「保険」とは何だったのか――」『保険学雑誌』630号、2015年、213頁
  7. ^ 田畑康人「保険経営論」庭田範秋編『保険学』成文堂、1989年
  8. ^ 小川浩昭「保険教育と保険学の体系―カリキュラムの考察―」『西南学院大学商学論集』55巻1号、2008年、119-121頁/同「保険の自由化と保険の研究」『保険学雑誌』611号、2010年、171頁/同「書評 池尾和人『現代の金融入門』新版」『西南学院大学商学論集』611号、2010年、77-78頁
  9. ^ 米山高生「保険理論からみた保険法―― 契約自由の世界からの離脱――」『保険学雑誌』57巻1号、2010年、62頁
  10. ^ a b c 高尾厚 - LinkedIn
  11. ^ a b c Ⅷ 教員個人別データ:履歴・研究活動・社会活動等” (PDF). 『学理と実際の融合と新たな展開』神戸大学大学院経営学研究科 (2012年). 2017年2月13日閲覧。 p.432-433
  12. ^ 高尾厚 - researchmap
  13. ^ 歴代会長、歴代学会賞受賞者(日本リスク研究学会)

外部リンク

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