高見順日記
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『高見順日記』(たかみじゅんにっき)は、作家高見順の代表的な著書で、昭和20年前後は今日まで重版されている。1941年(昭和16年)1月から書き始められた。初版単行本は生前の1959年に『完本・高見順日記 昭和二十一年篇』(凡書房新社)[1]で出版された[2]。
文庫判は、1945年分をまとめた『敗戦日記』(文春文庫、1981年、新装版1991年、中公文庫、2005年)、続編(1946年分)の『終戦日記』(文春文庫、1992年、ISBN 4-16-724907-3)がある。
作者は戦後しばらくし、再び丹念な日記を残している。1960年から1963年8月26日までの日記が、没後に『高見順日記・わが文壇生活』として、『世界』1967年1月号から1968年1月号に連載された。のち知人の作家中村真一郎の編集により、1990-91年に新版で『高見順 闘病日記』(上・下。岩波書店同時代ライブラリー)と、続編『高見順文壇日記』(全1巻。同)が出版された。
病没する前年の1964-66年に、『高見順日記』(勁草書房、1941-1951年分)が、1975-77年に続編が、初期の日記・断章や戦後分も入れ出版されている(正+続併せ全17巻、勁草書房)。
日本文学研究者ドナルド・キーンは、戦時中の文学者の日記を分析した『日本人の戦争 作家の日記を読む』(文藝春秋、2009年、のち文春文庫)で研究対象としている[3]。