高野山霊宝館
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高野山霊宝館(こうやさんれいほうかん)は、和歌山県伊都郡高野町高野山にある博物館相当施設。仏教の高野山真言宗に関連する文化財約10万点を所蔵[2]し、公益財団法人高野山文化財保存会が運営している[1]。
所蔵品(収蔵品)には国宝21件、重要文化財148件、和歌山県指定文化財17件、重要美術品2件の合計182件、2万8000点近くが含まれるほか、未指定のものが5万以上ある[1]。「山の正倉院」とも称される[3]。
沿革
[編集]1910年1月20日、宿老会で宝物館の建設が決定された。高野山霊宝館の建物は1920年9月30日に竣工し、翌1921年5月15日開館。初代館長には金剛峯寺座主の土宜法竜が就任した。
- 1957年9月16日 - 財団法人高野山文化財保存会が設立され、高野山霊宝館がその管轄下に置かれる。
- 1961年5月 - 当時日本最大とされた「高野山大宝蔵」が完成。
- 1984年4月2日 - 新収蔵庫完成。
- 1998年9月2日 - 高野山霊宝館紫雲殿、玄関・北廊・中廊、放光閣、南廊及西廊、宝蔵が登録有形文化財に登録される[4][5][6][7][8]。
- 2003年6月30日 - 平成大宝蔵完成。
- 2005年6月30日 - 拝観受付所、事務所を新設。
収蔵品
[編集]国宝
[編集]- 絵画
- 絹本著色仏涅槃図 1幅(金剛峯寺)
- 絹本著色善女竜王像 1幅(金剛峯寺)
- 絹本著色五大力菩薩像(金剛吼、竜王吼、無畏十力吼)3幅(有志八幡講)
- 絹本著色阿弥陀聖衆来迎図 3幅(有志八幡講)
- 絹本著色阿弥陀三尊像 1幅(蓮華三昧院)
- 絹本著色勤操僧正像 1幅(普門院)
- 絹本著色伝船中湧現観音像 1幅(龍光院)
- 紙本著色山水人物図 10面 池大雅筆(遍照光院)
- 彫刻
- 書跡典籍・古文書
- 聾瞽指帰(ろうこしいき)(空海著、金剛峯寺)
- 金銀字一切経 4,296巻(金剛峯寺)
- 法華経 巻第六 1巻(金剛峯寺)
- 宝簡集・続宝簡集・又続宝簡集 全298巻15冊(金剛峯寺)
- 紫紙金字金光明最勝王経 10巻(龍光院)
- 大字法華経 7巻(龍光院)
- 細字金光明最勝王経 2巻(龍光院)
- 不空羂索神変真言経1巻(三宝院)
- 文館詞林残巻 12巻(正智院)
- 文館詞林残巻 1巻(宝寿院)
- 工芸品
- 沢千鳥蒔絵小唐櫃(さわちどりまきえこからびつ) 1合(金剛峯寺)
重要文化財
[編集]金剛峯寺所有分については金剛峯寺#文化財(金剛峯寺所有)を、子院所有分については金剛峯寺#文化財(子院所有分)を参照。
利用情報
[編集]- 開館時間(入館は閉館時間の30分前まで)
- 8:30~17:30(5月~10月)
- 8:30~17:00(11月~4月)
- 休館日 - 年末年始
- 拝観料
- 一般 - 1300円
- 高校生・大学生 - 800円(学生証の提示が必要)
- 小学生・中学生 - 600円
交通アクセス
[編集]- →南海りんかんバス奥の院方面行き「千手院橋」下車 徒歩約10分
- →南海りんかんバス大門南駐車場行き「霊宝館前」下車すぐ
脚注
[編集]- ^ a b c 収蔵品紹介 公益財団法人高野山文化財保存会(2022年12月28日閲覧)
- ^ 【私のイチオシコレクション】高野山霊宝館:経文納めたミニ五輪塔 各地から『朝日新聞』夕刊2022年12月20日4面(2022年12月28日閲覧)
- ^ “高野山 霊宝館 1000年後見据え、文化財を保存 “山の正倉院”開館100年/和歌山”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2021年5月31日) 2022年7月15日閲覧。
- ^ “高野山霊宝館紫雲殿”. 文化遺産オンライン/文化庁. 2021年3月4日閲覧。
- ^ “高野山霊宝館玄関・北廊・中廊”. 文化遺産オンライン/文化庁. 2021年3月4日閲覧。
- ^ “高野山霊宝館南廊及西廊”. 文化遺産オンライン/文化庁. 2021年3月4日閲覧。
- ^ “高野山霊宝館放光閣”. 文化遺産オンライン/文化庁. 2021年3月4日閲覧。
- ^ “高野山霊宝館宝蔵”. 文化遺産オンライン/文化庁. 2021年3月4日閲覧。