鳴滝遺跡
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鳴滝遺跡(なるたきいせき)は、和歌山県和歌山市善明寺にある古墳時代中期の大規模な倉庫群の遺跡。
概要
[編集]1982年(昭和57年)、紀ノ川河口に近い和泉山脈南麓の低丘陵地で発見された。大型の掘立柱建物7棟(西側5棟・東側2棟)が整然と並んで建てられていた。個々の建物は妻側の中央に棟持ち柱を持った桁行4間・梁間4間の切妻高床建物になっており、また大量の須恵器が出土したことから、古代豪族紀氏に関係する倉庫跡と推定されている。出土品の年代が5世紀前半に集中していることから、何らかの目的をもって短期間利用されたものであったと推定されている[1][2]。
和歌山県立紀伊風土記の丘にて、特別陳列(1984/9/1 - 1984/9/30、1984/12/1 - 1988/10/2、1988/12/4 - 1989/9/23、1989/12/1 - 1990/9/30)された[3]。
鳴滝倉庫群の建物鳴滝遺跡の倉庫群は、7棟の巨大掘立柱建物が整然と配列して建てられている。いずれも桁行4間・梁間4間(長辺・短辺の柱列とも柱と柱の間が4つずつ)で妻入り(短辺に出入口)の高床式切妻造と推定される。最大の建物は桁行10.1m・梁間8m(約80m2)でたたみ50畳ほどの大きさがあり、全国的にも屈指の規模である。
— 和歌山県立紀伊風土記の丘 ジオラマ説明文より引用
脚注
[編集]- ^ “和歌山市の文化財・遺跡 鳴滝遺跡”. 和歌山市. 2020年9月13日閲覧。
- ^ “紀伊風土記の丘 常設展-古墳時代”. 和歌山県立紀伊風土記の丘. 2020年9月13日閲覧。
- ^ “資料館での展示 過去の展示”. 和歌山県立紀伊風土記の丘. 2020年9月13日閲覧。
参考文献
[編集]- 河原純之「鳴滝遺跡」(『日本史大事典 5』(平凡社、1993年) ISBN 978-4-582-13105-5)
- 大塚達朗「鳴滝遺跡」(『国史大辞典 15』(吉川弘文館、1996年) ISBN 978-4-642-00515-9)
- 冨加見泰彦「鳴滝遺跡」(『日本歴史大事典 3』(小学館、2001年) ISBN 978-4-09-523003-0)
画像外部リンク | |
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和歌山県埋蔵文化財包蔵地所在地図 |
座標: 北緯34度16分01.8秒 東経135度11分05.5秒 / 北緯34.267167度 東経135.184861度