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100万分の1国際図

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

100万分の1国際図(ひゃくまんぶんのいちこくさいず、IMW: International Map of the World(国際世界地図))は、国際的に合意された規格に基づいて世界で作成された100万分の1の縮尺地図である[1]

歴史

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この構想は、1891年にドイツの地理学者アルブレヒト・ペンクによって提唱されたものである[2]。イギリスが主導して開催された会議の後に1909年からプロジェクトが開始されたが、一部の作業はそれ以前から行われていた[1]。IMWの中央本部はロンドンのイギリス陸地測量部英語版に置かれた。第二次世界大戦後は、国際連合がプロジェクトを引き継いだ。1953年までに、必要な1000枚の図幅のうち400枚しか完成していなかった。これは北米以外の陸地のほとんどがカバーされていたが、多くの図幅は数十年前に作成されたものだった。外洋はほとんどカバーされていなかった[3]。1964年、アメリカの地理学者・地図学者アーサー・H・ロビンソン英語版は、IMWを実用的ではない「地図製作の壁紙」だとして却下した[4][5]。その後はほとんど更新されず、1989年、ユネスコはこのプロジェクトがもはや実行可能ではないと宣言し、モニタリングを中止した[4]

規格

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統一規格では、道路は赤、鉄道や都市は黒で描かれ[6]、全ての注記はラテンアルファベットで書くこととされている[1]

マップインデックス・システム

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北・中央アジアのマップインデックス。赤道の北側に位置するので、マップインデックスの数字の前に"N"を付ける。
経度方向の間隔が、北緯60度で12度ごと、北緯76度で24度ごとと間隔が長くなっていることに注意。
NL 39の地図

IMWでは、個々の地図を指し示すための方式として、全世界を経度6度、緯度4度ごとに分割する「マップインデックス・システム」(map indexing system)が開発された[7]。経度方向(東西方向)の各分割には1 (西経180-174度) から 60 (東経174-180度) までの番号が振られている。緯度方向(南北方向)の各分割にはA(緯度0-4度)からNV(緯度84-88度)までの記号が割り振られ、その前に北半球(北緯)の場合はには"N"、南半球(南緯)の場合には"S"をつける。地球上の任意の地点(極点を除く)は、経度方向と緯度方向に割り当てられた数字と記号によって識別される。以下に例を挙げる。

緯度が高くなると経度方向(東西方向)の長さが短くなるため、緯度が60度を超えると経度方向の分割は2倍の12度ごとになる。緯度が76度を超えると再び2倍の24度ごとになる。よって、IMWでは世界が2,160の図幅に分割されることになる。それぞれの図幅は、約23万6千平方キロメートルをカバーする。

このマップインデックス・システムは、現在でもオーストラリア[11]ロシアアメリカ合衆国[12]日本などの国内の地図の索引システムとして使用されている。

関連項目

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脚注

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情報源

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  • Pearson, Alastair; Taylor, D. R. Fraser; Kline, Karen D.; Heffernan, Michael (2006). “Cartographic ideals and geopolitical realities: international maps of the world from the 1890s to the present”. The Canadian Geographer 50 (2): 149–176. doi:10.1111/j.0008-3658.2006.00133.x. ISSN 0008-3658. 
  • Pearson, Alastair W.; Heffernan, Michael (2 January 2015). “Globalizing Cartography? The International Map of the World, the International Geographical Union, and the United Nations”. Imago Mundi 67 (1): 58–80. doi:10.1080/03085694.2015.974956. ISSN 1479-7801. https://researchportal.port.ac.uk/portal/en/publications/globalising-cartography(1a80aace-9553-4974-996d-008c8bbdbdd3).html. 

出典

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  1. ^ a b c Walker, C. Lester. Lands and Peoples, Volume I: British Isles and Western Europe. New York: The Grolier Society 
  2. ^ Great maps.. [S.l.]: Dk Publishing. (2014). p. 212. ISBN 978-1-4654-2463-1 
  3. ^ Pearson et al 2006, p.162
  4. ^ a b Pearson et al 2006, p.163
  5. ^ Robinson, A. H. (18 July 2013). “The Future of the International Map”. The Cartographic Journal 2 (1): 23–26. doi:10.1179/caj.1965.2.1.23. ISSN 0008-7041. 
  6. ^ Matt Rosenberg. “International Map of the World”. About.com. 2012年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年5月8日閲覧。
  7. ^ The International Map of the World and its Numbering System”. 2011年6月26日閲覧。
  8. ^ NJ 10 San Francisco Bay (Map). 1:1 million. World (North America). U.S.A. Corps of Engineers. Army Map Service. 1962. University of Texas Librariesより2011年6月26日閲覧
  9. ^ SG 35 Johannesburg (Map). World (Africa). Army Map Service. c. 1962. University of Texas Librariesより。
  10. ^ NI 54 Tokyo (Map). World (Asia). Army Map Service. 1957. University of Texas Librariesより。
  11. ^ Topographic Maps”. 2011年6月26日閲覧。
  12. ^ International Map of the World 1:1,000,000—List of map images in this collection”. University of Texas Libraries. University of Texas at Austin. 2011年6月26日閲覧。

外部リンク

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