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10x25mm ノーマ・オート弾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
10x25mm ノーマ・オート弾
フラットノーズ・フルメタルジャケット弾頭を備えた10mm オート弾
フラットノーズ・フルメタルジャケット弾頭を備えた10mm オート弾
種類 自動拳銃
原開発国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
使用史
使用者・地域
製造の歴史
設計者
設計時期 1983年
生産期間 1983年-
派生品
特徴
元モデル .30レミントン弾[5][6]
薬莢形状
弾丸
  • C.I.P.: 10.17 mm (0.400 in)[7]
  • SAAMI: .4005 in (10.17 mm)[8]
首径
  • C.I.P.: 10.74 mm (0.423 in)[7]
  • SAAMI: .423 in (10.7 mm)[8]
底面径
  • C.I.P.: 10.80 mm (0.425 in)[7]
  • SAAMI: .425 in (10.8 mm)[8]
リム径
  • C.I.P.: 10.80 mm (0.425 in)[7]
  • SAAMI: .425 in (10.8 mm)[8]
リム厚
  • C.I.P.: 1.40 mm (0.055 in)[7]
  • SAAMI: .055 in (1.4 mm)[8]
薬莢長
  • C.I.P.: 25.20 mm (0.992 in)[7]
  • SAAMI: .992 in (25.2 mm)[8]
全長
  • C.I.P.: 32.00 mm (1.260 in)[7]
  • SAAMI: 1.250 in (31.8 mm)[8]
薬莢容量 1.56 cm3 (24.1 gr H2O)
ライフリング 406.40 mm (1 in 16 inches)[7][8]
雷管のタイプ 大型ピストル
最大圧 (C.I.P.) 230 MPa (33,000 psi)[9]
最大圧 (SAAMI) 37,500 psi (259 MPa)[10]
弾丸性能
弾頭重量/種類 初速 エネルギー
175 gr (11 g) STHP Winchester 1,290 ft/s (390 m/s) 649 ft⋅lbf (880 J)
180 gr (12 g) FMJ Federal 1,300 ft/s (400 m/s) 708 ft⋅lbf (960 J)
155 gr (10 g) TAC-XP Doubletap Ammunition 1,400 ft/s (430 m/s) 675 ft⋅lbf (915 J)
135 gr (9 g) Controlled Expansion Doubletap Ammunition 1,600 ft/s (490 m/s) 768 ft⋅lbf (1,041 J)
230 gr (15 g) Hardcast Solid Doubletap Ammunition 1,150 ft/s (350 m/s) 676 ft⋅lbf (917 J)
算出時の銃砲身の長さ: 117ミリメートル (4.6インチ)[11]
出典: DoubleTap Ammunition

10x25mm ノーマ・オート弾: 10x25mm Norma Auto)、もしくは10mm オート弾: 10mm Auto)は、アメリカで開発された拳銃用弾薬である。呼称としては、後者の方が一般的である。

概要

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開発経緯

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1980年代、当時のアメリカの都市圏は小銃等、強力な武装を所持した犯罪者が増加し、それに伴う事件が横行しており、それに対抗する当時の警察官が使用していたリボルバー用の.38スペシャル弾や、この頃から流行り始めた自動拳銃用である9x19mmパラベラム弾等の9mm口径の拳銃用弾薬では、威力不足であるとの噂や偏見が広まり、使用する事が敬遠される様になった。しかし、当時よりアメリカで人気のあった.45ACP弾は、弾薬自体のサイズから、装弾数は少なくなってしまう。そこで9x19mm パラベラム弾を上回り、.45ACP弾に匹敵する強力なストッピングパワー(阻止力)を備え、尚且つ同弾薬よりマガジンの装弾数を多く出来る様な弾薬とそれを使用する新拳銃が求められた[12]

そして本弾薬は、カリフォルニア州ドーナウス&ディクソン社による新拳銃、ブレン・テンの開発と並行して、1983年に銃器専門家である元アメリカ海兵隊員、ジョン・ディーン・ジェフ・クーパーによって、薬莢.30レミントン弾の物をベースに設計・開発され[13]スウェーデンFFV ノーマ AB社によって生産される事となった[14][15][12]

しかし、当初は長らく生産を行うメーカーがノーマ社のみであった事から、民間市場では中々浸透せず、対人用としては、威力に比例した強烈な反動から、やや扱いづらいカートリッジで、射撃の度に使用する拳銃自体にも大きな負担をかける事から、成功したとは言いづらかった。

しかしながら、その高いパワーと精度から、中型動物に対する狩猟用、もしくはタクティカル用としての需要は大きくなっており、アメリカでは多くの州でオジロジカに対しての狩猟で合法的に使用出来る。

性能

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運動エネルギー(威力)は、.357マグナム弾の平均値よりもやや高く、.41レミントン・マグナム弾よりは低い程度で、装薬の多さから非常に高圧である事から拳銃用弾薬としては強力なパワーと初速性能を有しており、弾道に関してはあまり弧を描かずフラットな弾道(平射)を描き、100ヤードの距離を飛翔しても、.45ACP弾よりも多くの運動エネルギーを維持出来る[15]

カートリッジの寸法

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派生型

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使用国

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アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
連邦捜査局(FBI)は、1986年に起きたマイアミ銃撃事件を切っ掛けにそれまで使用していた9x19mm パラベラム弾に対して不信感を抱く様になり、この10mmオート弾と、本弾薬を使用するS&W M1076H&K MP5/10を1990年に同組織の人質救出チームSWATが採用したが、後に反動のより小さい.40S&W弾に更新された[1][2][12][16][17]
 デンマーク
デンマーク北極軍英語版の哨戒部隊であるシリウス犬ぞり哨戒隊Slædepatruljen SIRIUS)にて、任務中に北極熊に遭遇した際の自己防衛用である10mmピストルの弾薬として採用している[18][19]

脚注

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  1. ^ a b AMERICAN SPECIAL OPS – FBI HRT”. 2015年1月30日閲覧。
  2. ^ a b AMERICAN SPECIAL OPS – FBI SWAT”. 2015年1月30日閲覧。
  3. ^ FBI – Tools of the Trade – SWAT (Text Only)”. 2015年1月30日閲覧。
  4. ^ DeMille, Dianne (December 2005). “Permanent Presence: Recruiting, Training, & Equipping Rangers in the Arctic”. Canadian American Strategic Review. 2010年7月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月30日閲覧。
  5. ^ Donnelly, John J. (1987). The Handloader's Manual of Cartridge Conversions. Stoeger Publishing Company. p. 941. ISBN 0-88317-136-8 
  6. ^ Howell, Ken (1995). Designing and Forming Custom Cartridges For Rifles and Handguns. Precision Shooting, Inc. p. 546. ISBN 0-9643623-0-9 
  7. ^ a b c d e f g h C.I.P. – Table of Dimensions for Cartridge and Chamber of 10 mm Auto”. 2015年1月30日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h SAAMI – Maximum Cartridge/Minimum Chamber Drawings for 10mm Automatic”. 2015年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月30日閲覧。
  9. ^ C.I.P. – List of TDCC – Tab IV – Pistol and revolver cartridges”. 2015年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月30日閲覧。
  10. ^ SAAMI – Velocity & Pressure Data: Centerfire Pistol & Revolver”. 2015年3月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月30日閲覧。
  11. ^ Glock 20 | G20 | 10mm Pistol | GLOCK USA”. 2015年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月21日閲覧。
  12. ^ a b c 床井雅美『ピストル弾薬事典』並木書房〈メカブックス〉、2016年1月15日、152頁。ISBN 978-4-89063-335-7 
  13. ^ 元々、それ以前にもジェフは、.40スーパー弾という10mm口径の拳銃用弾薬を設計しており、これが本弾薬の原型となった。
  14. ^ “Terrific Ten: 10mm Auto”. Shooting Times. http://www.shootingtimes.com/historical/terrific-ten-10mm-auto/. 
  15. ^ a b The 10mm Auto Cartridge”. BREN-TEN.com Website. 2015年1月30日閲覧。
  16. ^ Hill, Tracie (2008). “WHAT'S NEW”. The American Thompson Association newsletter (The American Thompson Association) 10 (2nd. QTR., 2008): 6. http://www.nfatoys.com/tsmg/tata/2008_q2/page00006.htm 2015年1月30日閲覧。. 
  17. ^ https://www.americanrifleman.org/content/full-power-full-auto-the-thompson-goes-metric-and-the-mp5-goes-american/
  18. ^ “Automatics and Bolt-actions: Danish Small Arms in Greenland”. Canadian American Strategic Review. (May 2005). オリジナルの2008年9月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20080920120203/http://www.casr.ca/id-arcticviking4sb-1.htm 2015年1月30日閲覧. "Most Danish units use 9mm automatics like the CF but the Sirius Patrol learned through hard experience that 9mms had insufficient 'stopping power' to deal with angry adult polar bears. As a result, Sirius Patrol members carry a more powerful 10mm pistols for self-defence, employing the 10mm Glock 20 automatic." 
  19. ^ Denmark Special Operations and Counterterrorist Forces – Slaedepatruljen Sirius - The Sledgepatrol Sirius (Arctic LRRP; Navy)”. Special Operations.com (2000年). 2011年1月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月30日閲覧。 “The weapons carried also reflect the harsh conditions. Only bolt-action rifles (M17/M53) performs reliably. The standard SIG210 Neuhausen sidearm was recently replaced by the 10mm Glock 20, as the stopping power of multiple 9mm rounds proved to be insufficient against a polar bear.”

関連項目

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外部リンク

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