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1627年の聖ゲオルギウス市民警備隊士官の宴会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『1627年の聖ゲオルギウス市民警備隊士官の宴会』
オランダ語: Feestmaal van de officieren van de st.jorisschutterij
英語: The Banquet of the Officers of the St George Militia Company in 1627
作者フランス・ハルス
製作年1627年
種類キャンバス上に油彩
寸法179 cm × 257.5 cm (70 in × 101.4 in)
所蔵フランス・ハルス美術館ハールレム

1627年の聖ゲオルギウス市民警備隊士官の宴会』(1627ねんのせいゲオルギウスしみんけいびたいしかんのえんかい、: Feestmaal van de officieren van de st.jorisschutterij: The Banquet of the Officers of the St George Militia Company in 1627)は、オランダ黄金時代の巨匠フランス・ハルスが制作した、ハールレム聖ゲオルギウス (オランダ語で、聖ヨーリス) 市民隊の集団肖像画である。この作品には署名も年記もないが、モデルの名前や地位はすべてわかっており、うち3人は、1624-1627年の期間しか役職についていなかったので、制作時期もそれから推定できる[1]。現在、ハールレムのフランス・ハルス美術館の代表作の1つの見なされている[2]

作品

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1616年の聖ゲオルギウス市民警備隊士官の宴会』 (1616年)、フランス・ハルス美術館

フランス・ハルスは、肖像画をとりすました記念写真から、モデルの生気あふれる「スナップ写真」へと一挙に変貌させた画家である[3]。本作は、フランス・ハルスが『1616年の聖ゲオルギウス市民警備隊士官の宴会』 (フランス・ハルス美術館) に続き、2度目に聖ゲオルギウス市民隊士官を描いた作品である。本作で想定されるのは、右手の入り口から入ってきた旗手たちが画面左端にいるアールト・ヤンスゾーン・ドゥライフェステイン英語版 隊長に挨拶する場面であるが、飲み干した空のグラスを持つ画面前景右寄りにいるミヒール・デ・ワール英語版分隊長が上機嫌な顔つきで正面を見ているので、鑑賞者も画中の宴会に引き込まれてしまう[1]

この集団のそれぞれの男性は、サッシュを纏っており、その色は旗手の持っている市民隊旗のオレンジ、白、青である。彼ら士官たちは、ハールレムの議会から3年間の任期で選出されたが、彼らはちょうどその任期を終えたところで、そのことを肖像画で祝っているところである。宴会の費用は、ハールレムの議会が負担した[2]。左側のテーブルに着席し、オレンジのサッシュを纏って、ワインのグラスを持っている男性はドゥライフェステイン隊長で、彼は宴会を主導しているミヒール・デ・ワール分隊長を見ている[1]

描かれている男性は、左から右に、コルネリス・ボウデウェインス英語版副官 (ドゥライフェステイン隊長の後ろに立っている)、ニコラ―ス・フェルベーク英語版分隊長、旗手ボウデウェイン・ファン・オッフェンブルフ英語版ヤーコプ・ピーテルスゾーン・オリカン英語版副官、ミヒール・デ・ワール分隊長、彼の後ろに立っている旗手ディルク・ディックス英語版である。ディックスの右には召使のアレント・ヤコプスゾーン・クーツ英語版がおり、その手前に座っているのはフレデリック・コニング英語版副官である。召使の横の一番右側には、旗手のヤーコプ・コルネリスゾーン・スホウト英語版がおり、その前には小人のニコラ―ス・レ・フェブーレ英語版分隊長がいる[1][2]

聖ヨリスドゥーレン

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聖ヨリスドゥーレンのホールの1つ

絵画は以前、現在、プロフェニールスハイス英語版として知られる、フローテ・ホウストラート英語版にある聖ヨリスドゥーレン (St. Jorisdoelen) の建物に他の作品といっしょに掛けられていた。フランス・ハルスと他の画家たちによる絵画は、建物のメイン・ホールにあった。 今日、メイン・ホールはレストランになっている私設救貧院になっているが、長年、建物は宿泊所として使われ、射手組合の集団肖像画は観光の目玉であった。現在、そこに掛けられていたすべての絵画は、フランス・ハルス美術館に移されている[2]

脚注

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  1. ^ a b c d 『名画への旅 第14巻 市民たちの画廊 17世紀IV』、1992年、22頁。
  2. ^ a b c d BANQUET OF THE OFFICERS OF THE ST GEORGE CIVIC GUARD”. フランス・ハルス美術館公式サイト (英語). 2023年4月11日閲覧。
  3. ^ 『名画への旅 第14巻 市民たちの画廊 17世紀IV』、1992年、16頁。

参考文献

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  • 高橋達史・高橋裕子責任編集『名画への旅 第14巻 市民たちの画廊 17世紀IV』、講談社、1992年刊行 ISBN 4-06-189784-5
  • De Haarlemse Schuttersstukken, by Jhr. Mr. C.C. van Valkenburg, pp. 47–76, Haerlem : jaarboek 1961, ISSN 0927-0728
  • Frans Hals: Exhibition on the Occasion of the Centenary of the Municipal Museum at Haarlem, 1862–1962., pp 36–38, publication Frans Hals Museum, 1962

外部リンク

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