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2-アセチル-1-ピロリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2-アセチル-1-ピロリン
識別情報
CAS登録番号 85213-22-5
PubChem 522834
ChemSpider 456071
UNII IGC0W6LY94
MeSH 2-Acetyl-1-pyrroline
ChEBI
特性
化学式 C6H9NO
モル質量 111.14 g mol−1
沸点

104–105 °C

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

2-アセチル-1-ピロリン(2-acetyl-1-pyrroline、略称: 2-AP)は、精白パンジャスミン米バスマティ米、香辛料パンダン(ニオイアダン英語版 Pandanus amaryllifolius)、Vallaris glabraスウェーデン語版にいつもの匂いを与える芳香化合物である[1]。多くの人はこの匂いを「熱い、バター味ポップコーン」と似ていると言う。また、ビントロングの尿の香りの原因はこの化合物とされる[2]。トラ(インド、アムール、シベリア)とインドのヒョウのマーキング液と尿も2APによる強い芳香を有する[3]

ワインのねずみ臭の原因物質の一つ、だだちゃ豆のポップコーン様の匂いの理由は2APである[4]

2APとその構造ホモログで同様の匂いの6-アセチル-2,3,4,5-テトラヒドロピリジンはパン生地を焼いたりするなど食品の加熱中のメイラード反応によって形成されうる。どちらの化合物も0.06 ng/L未満の嗅覚閾値を有する[5]

構造

[編集]

2APは、置換ピロリン、環状イミンケトンである。

出典

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  1. ^ S. Wongpornchai; T. Sriseadka; S. Choonvisase (2003). “Identification and quantitation of the rice aroma compound, 2-acetyl-1-pyrroline, in bread flowers (Vallaris glabra Ktze)”. J. Agric. Food Chem. 51 (2): 457–462. doi:10.1021/jf025856x. PMID 12517110. 
  2. ^ Why bearcats smell like buttered popcorn”. Duke University/Eurekalert (2016年4月13日). 2019年7月8日閲覧。
  3. ^ Fifty years of tiger pheromone research”. 2015年6月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月25日閲覧。
  4. ^ におい工房 (2012年3月). “コラム > 第19回 ワインの異臭とダダチャ豆の香り-アセチルピロリン”. 2019年7月8日閲覧。
  5. ^ T. J. Harrison; G. R. Dake (2005). “An expeditious, high-yielding construction of the food aroma compounds 6-acetyl-1,2,3,4-tetrahydropyridine and 2-acetyl-1-pyrroline”. J. Org. Chem. 70 (26): 10872–10874. doi:10.1021/jo051940a. PMID 16356012.