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2019 UEFAスーパーカップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2019 UEFAスーパーカップ
会場となるベシクタシュ・パルク
PK戦の末5-4でリヴァプールの優勝
開催日 2019年8月14日
会場 ベシクタシュ・パルク(イスタンブール)
主審 フランス ステファニー・フラパール
観客数 38,434
2018
2020

2019 UEFAスーパーカップ英語: 2019 UEFA Super Cup)は、欧州サッカー連盟 (UEFA) が開催する44回目、2000年に前年度シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ優勝チームとUEFAヨーロッパリーグ(UEFAカップ)優勝チームが対戦する方式に変更されてから20回目のUEFAスーパーカップである。UEFAチャンピオンズリーグ 2018-19優勝チームリヴァプールUEFAヨーロッパリーグ 2018-19優勝チームチェルシーが対戦する。

試合は2019年8月14日にトルコイスタンブールにあるベシクタシュ・パルクで行われた[1][2]

出場チーム

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チーム 出場資格 出場記録 (太字は優勝)
イングランドの旗 リヴァプール UEFAチャンピオンズリーグ 2018-19 優勝 5 (1977, 1978, 1984,2001, 2005)
イングランドの旗 チェルシー UEFAヨーロッパリーグ 2018-19 優勝 3 (1998, 2012, 2013)

開催地選考

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2016年12月9日に入札要請が送付され、開催を希望する協会は2017年1月27日までに入札に関心を持っていることを示す必要がある[3]。2月3日に9協会の10都市が関心を示していることが発表された[4]。入札への参加を希望する協会は6月6日までに入札書類とともに最終提案を提出しなければならない[4]。また、ポーランドは2都市が関心を示したが、各協会が複数の入札を行うことはできない[4]

2017年6月6日の提出期限までに7協会が入札書類を提出した[5]。関心を示していた9協会のうち、ハンガリーブダペストグルパマ・アレーナ)とスコットランドグラスゴーハムデン・パーク)は入札に参加せず、2都市が関心を示していたポーランドはワルシャワワルシャワ国立競技場ではなく、グダニスクのアリーナ・グダニスクが入札に参加した[4][5]

協会 都市 スタジアム 収容能力 備考
アルバニアの旗 アルバニア ティラナ アレーナ・コムバターレ 22,015人[6] 2016年6月9日に解体が開始されたケマル・スタファ・スタジアムの跡地に建設中[7]、2018年に完成予定[6]
フランスの旗 フランス トゥールーズ スタジアム・ドゥ・トゥールーズ 33,150人[6]
イスラエルの旗 イスラエル ハイファ サミー・オフェル・スタジアム 30,874人[6]
カザフスタンの旗 カザフスタン アスタナ アスタナ・アリーナ 30,202人[6] UEFA女子チャンピオンズリーグ 2018-19 決勝にも入札[6]
北アイルランドの旗 北アイルランド ベルファスト ウィンザー・パーク 18,579人[6]
ポーランドの旗 ポーランド グダニスク アリーナ・グダニスク 41,486人[6]
トルコの旗 トルコ イスタンブール ベシクタシュ・パルク 41,188人[6] UEFAヨーロッパリーグ 2018-19 決勝にも入札[6]

2017年9月14日に入札に参加した7協会の評価報告書が公表され[6]、9月20日にニヨンで開催されたUEFA執行委員会でベシクタシュ・パルクが開催地に選ばれた[1]

会場

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ベシクタシュのホームスタジアムであるベシクタシュ・パルクは2016年4月11日に開場した[8]

トルコでは2005年にアタテュルク・オリンピヤト・スタドゥUEFAチャンピオンズリーグ 2004-05 決勝、2009年にシュクリュ・サラジオウル・スタジアムUEFAカップ 2008-09決勝が開催されたが、UEFAスーパーカップの開催は初となる[8]

レギュレーションの変更

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2018年9月27日にニヨンで開催されたUEFA執行委員会にて、2019 UEFAスーパーカップでビデオ・アシスタント・レフェリー (VAR) が初導入され、UEFAチャンピオンズリーグ 2019-20のプレーオフステージ以降でもVARが導入されることが決定された[9][10]。また、UEFA EURO 2020UEFAヨーロッパリーグ 2020-21のグループステージ以降、UEFAネーションズリーグ 2020-21の最終ラウンドでもVARが導入予定であることが発表された[9]。VARは欧州主要リーグでは2017-18シーズンにドイツのブンデスリーガとイタリアのセリエAで導入され[11]、2018-19シーズンはスペインのリーガ・エスパニョーラ、ブンデスリーガ、セリエA、フランスのリーグ・アン、ポルトガルのプリメイラ・リーガで導入されている[10][12]。しかし、イングランドのプレミアリーグでは正式導入されておらず、2018年時点では欧州全体で広く採用されている訳ではない[10]

審判

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2019年8月2日、UEFAは主審をフランス人のステファニー・フラパールが務めると発表した。UEFA主催の男子主要大会において女性が主審を務めるのは史上初である。フラッパール氏は既にリーグ・アン2019 FIFA女子ワールドカップ決勝で主審を務めた実績があり、ユルゲン・クロップフィルジル・ファン・ダイクフランク・ランパードら試合関係者もUEFAのこの決定を高く評価した[13][14]

試合

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リヴァプールは直前のリーグ戦で負傷したアリソンに代わりにアドリアンが先発、さらに休養の短かったロベルト・フィルミーノがベンチスタート、代わりに長期離脱から復帰したオックスレイド=チェンバレンが先発に入った。一方チェルシーは直前のリーグ戦からスタメンを3人変更、膝の負傷で直前のリーグ戦はベンチスタートとなっていたエンゴロ・カンテ、新戦力のクリスチャン・プリシッチらがスタメンに名を連ねた。

概要

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チェルシー
GK 13 スペインの旗 アドリアン
RB 12 イングランドの旗 ジョー・ゴメス
CB 32 カメルーンの旗 ジョエル・マティプ
CB 4 オランダの旗 ファン・ダイク
LB 26 スコットランドの旗 アンドリュー・ロバートソン 91分に交代退場 91分
DM 3 ブラジルの旗 ファビーニョ
CM 7 イングランドの旗 ジェイムズ・ミルナー 64分に交代退場 64分
CM 14 イングランドの旗 ジョーダン・ヘンダーソン キャプテン 85分に警告 85分
RF 15 イングランドの旗 オックスレイド=チェンバレン 46分に交代退場 46分
CF 11 エジプトの旗 モハメド・サラー
LF 10 セネガルの旗 サディオ・マネ 103分に交代退場 103分
サブメンバー
GK 22 イングランドの旗 アンディ・ロナーガン
GK 62 アイルランドの旗 クィービーン・ケレハー
DF 51 オランダの旗 キ=ヤナ・フーフェル
DF 66 イングランドの旗 アレクサンダー=アーノルド 107分に警告 107分 91分に交代出場 91分
MF 5 オランダの旗 ジョルジニオ・ワイナルドゥム 64分に交代出場 64分
MF 20 イングランドの旗 アダム・ララーナ
MF 23 スイスの旗 ジェルダン・シャチリ
MF 67 イングランドの旗 ハーヴェイ・エリオット
FW 9 ブラジルの旗 ロベルト・フィルミーノ 46分に交代出場 46分
FW 24 イングランドの旗 リアン・ブリュースター
FW 27 ベルギーの旗 ディヴォック・オリジ 103分に交代出場 103分
監督
ドイツの旗 ユルゲン・クロップ
GK 1 スペインの旗 ケパ
RB 28 スペインの旗 セサル・アスピリクエタ キャプテン 79分に警告 79分
CB 15 フランスの旗 クル・ズマ
CB 4 デンマークの旗 アンドレアス・クリステンセン 85分に交代退場 85分
LB 33 ブラジルの旗 エメルソン
CM 5 イタリアの旗 ジョルジーニョ
CM 7 フランスの旗 エンゴロ・カンテ
CM 17 クロアチアの旗 マテオ・コヴァチッチ 101分に交代退場 101分
RF 22 アメリカ合衆国の旗 クリスチャン・プリシッチ 74分に交代退場 74分
CF 18 フランスの旗 オリヴィエ・ジルー 74分に交代退場 74分
LF 11 スペインの旗 ペドロ
サブメンバー
GK 13 アルゼンチンの旗 ウィリー・カバジェロ
DF 2 ドイツの旗 アントニオ・リュディガー
DF 3 スペインの旗 マルコス・アロンソ
DF 21 イタリアの旗 ダヴィデ・ザッパコスタ
DF 29 イングランドの旗 フィカヨ・トモリ 85分に交代出場 85分
MF 8 イングランドの旗 ロス・バークリー 101分に交代出場 101分
MF 10 ブラジルの旗 ウィリアン
MF 16 ブラジルの旗 ケネディ
MF 19 イングランドの旗 メイソン・マウント 74分に交代出場 74分
MF 47 スコットランドの旗 ビリー・ギルモア
FW 9 イングランドの旗 タミー・アブラハム 74分に交代出場 74分
FW 23 ベルギーの旗 ミシー・バチュアイ
監督
イングランドの旗 フランク・ランパード
マン・オブ・ザ・マッチ

副審

フランスの旗 マヌエラ・ニコロシ

アイルランドの旗 ミチェル・オニール

第4審判

トルコの旗 クネイ・シャキル

VAR

フランスの旗 クレメント・トルピン

VARアシスタント

ドイツの旗 マルク・ボッシュ

イタリアの旗 マッシミリアーノ・イラーティ

フランスの旗 フランソイス・レテクサー

予備審判

試合ルール[15]
  • 試合時間は90分。
  • 90分終了後同点の場合30分の延長戦が行われる。
  • 120分終了後同点の場合PK戦が行われる。
  • 控えの登録人数は12人。
  • 最大交代人数は3人、延長戦では4人目の交代可能。

試合展開

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前半

序盤はプレッシングのハマったリヴァプールが優勢。16分にモハメド・サラーがペナルティーエリア内右からシュートを放つが、GKケパに至近距離で阻まれた。だが次第にオリヴィエ・ジルーにロングボールを蹴り込みプレッシングを回避し始めたチェルシーが攻勢に出た。22分、ペドロがジルーとワンツーで抜け出しシュートを打つがクロスバーに阻まれ、32分、今度はペドロのスルーパスにマテオ・コヴァチッチが抜け出したがGKアドリアンの対応に遭った。すると36分、クリスチャン・プリシッチがドリブルでDF陣を引きつけ、左に膨らんだジルーへスルーパス、抜け出したジルーはゴール右へ流し込み、チェルシーが先制した。40分にはエメルソンのスルーパスに抜け出したプリシッチがゴールを挙げるがオフサイドにより取り消され、前半は0-1とチェルシーリードで折り返す。

後半

後半からリヴァプールはロベルト・フィルミーノを投入。すると48分、ファビーニョの浮き玉パスに反応したフィルミーノが触り、こぼれ球をサディオ・マネが押し込んでリヴァプールが同点に追いついた。74分にチェルシーがタミー・アブラハムメイソン・マウントを同時投入する。その直後、リヴァプールは右CKからサラーが左足でシュート、ケパが左手一本で弾いたところにファン・ダイクが詰めるが、これもケパがセーブで難を逃れた。チェルシーは83分、ジョルジーニョのスルーパスに抜け出したマウントが左足シュートを決めたが、オフサイドで取り消された。86分にはリヴァプールもマネが決定機を迎えるがゴール左に外れ、試合は1-1のまま延長戦へ突入する。

延長戦

延長前半の95分、リヴァプールは高い位置でボールを奪うとフィルミーノの折り返しをマネが右足で決めて逆転に成功。98分のアブラハムの決定機はアドリアンが足で防いだものの、直後の99分、ペドロの折り返しに反応したアブラハムがアドリアンと接触して倒され、PKを獲得。これをジョルジーニョが決め、同点に追いついた。延長戦でも決着が着かず、試合はPK戦へ。

PK戦

PK戦は両チームとも4人目までは全員が成功した。5人目は、先攻のリヴァプールはサラーがゴール左に決めたが、後攻のチェルシーはアブラハムのゴール中央を狙ったシュートをアドリアンが右足一本で防ぎ、リヴァプールが2-2(PK5-4)でチェルシーを破り、14年ぶり3度目の優勝を果たした。敗れたチェルシーは2012、2013年に次いでスーパーカップ3連敗となり、21年ぶりの優勝とはならなかった。

脚注

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  1. ^ a b Madrid to host UEFA Champions League final in 2019”. UEFA (2017年9月20日). 2018年10月13日閲覧。
  2. ^ 来季CL決勝、アトレティコ新本拠地で開催…EL決勝はアゼルバイジャンで”. サッカーキング (2017年9月21日). 2018年10月15日閲覧。
  3. ^ UEFA club competition finals 2019: bid regulations” (PDF). UEFA (2016年12月9日). 2018年10月14日閲覧。
  4. ^ a b c d 15 associations interested in hosting 2019 club finals”. UEFA (2017年2月3日). 2018年10月15日閲覧。
  5. ^ a b Ten associations bidding to host 2019 club finals”. UEFA (2017年6月7日). 2018年10月15日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k UEFA club competition finals 2019 - bid evaluation report” (PDF). UEFA (2017年9月14日). 2018年10月15日閲覧。
  7. ^ Fillon zyrtarisht prishja e stadiumit Qemal Stafa”. RTSH-Radio Televizioni Shqiptar (2016年6月9日). 2018年10月15日閲覧。
  8. ^ a b Beşiktaş Stadium, Istanbul to stage 2019 UEFA Super Cup”. UEFA (2017年9月20日). 2018年10月13日閲覧。
  9. ^ a b VAR to be introduced in 2019/20 UEFA Champions League”. UEFA (2018年9月27日). 2018年10月14日閲覧。
  10. ^ a b c 欧州CLで来季からVAR採用、UEFA主要大会でも順次導入”. AFPBB News (2018年9月28日). 2018年10月14日閲覧。
  11. ^ UEFAがVARの導入拡大を発表…19-20シーズンからCL、ユーロ2020でも採用が決定”. Goal (2018年9月27日). 2018年10月16日閲覧。
  12. ^ UEFA confirms VAR in Champions League from 2019-20 season”. ESPN (2018年9月27日). 2018年10月16日閲覧。
  13. ^ UEFAがスーパーカップの主審を発表 史上初めて女性が指名される”. ライブドアニュース. 2019年8月15日閲覧。
  14. ^ UEFA主催男子大会で初の女性審判…リバプール&チェルシー両指揮官も歓迎「歴史的な瞬間」”. ゲキサカ. 2019年8月15日閲覧。
  15. ^ 2018 UEFA Super Cup regulations” (PDF). UEFA. 2018年10月6日閲覧。

外部リンク

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