2020年6月21日の日食
2020年6月21日の日食 | |
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日食の種類[1] | |
性質 | 金環日食 |
ガンマ値 | 0.1210 |
食分 | 0.9940 |
最大食[1] | |
持続期間 | 38.2秒 |
所在地 |
インド ナンダ・デヴィ国立公園東端付近[2] |
座標 | 北緯30度31.6分 東経79度41.3分 / 北緯30.5267度 東経79.6883度 |
食帯の最大幅 | 21.2 km |
時間 (UTC)[1] | |
(P1) 部分食始 | 03:45:53.8 |
(U2) 中心食始 | 04:49:04.5 |
最大食 | 06:39:59.3 |
(U3) 中心食終 | 08:30:55.1 |
(P4) 部分食終 | 09:33:57.5 |
参照 | |
サロス周期 | 137番(全70回の36番目) |
Catalog # (SE5000) | 9553 |
本項では、2020年6月21日の日食(観測地域により金環日食あるいは部分日食)について述べる。
概要
[編集]日食は、月が地球と太陽の間を横切る際に起き、地球から見た太陽の像が完全または部分的に隠れることで発生する。金環日食は、月の視直径が太陽のものよりも小さい時に起こり、太陽の光がほぼ遮られて、環のように見える。この時、その周辺の長さ数千 kmの地域で部分日食が見られる。
2020年6月21日の日食は、2020年代で初めて発生した日食であり、サロス周期は137番[1][3]。この日食での金環食帯は世界協定時(UTC)4時49分頃に、アフリカ大陸の中央部、コンゴ民主共和国とコンゴ共和国の国境付近で発生し、その後南スーダン、エチオピア、エリトリア、アラビア半島南部、パキスタン、インド北部、チベット高原、中国南部、台湾などを通過し、8時30分頃にグアム島の南東約320 kmの太平洋上で消滅した[2][4]。この日食で、金環食帯は約14,600 kmに渡って地球上を移動し、地球の表面全体の0.13%で金環日食が観測された[4]。同日3時46分頃から9時34分頃までは、アフリカの大部分、アジア中南部、日本、東南アジアなどの広い地域が部分食帯に入った[1][2]。
この日食の最大食は、インドと中国の国境付近にあるナンダ・デヴィ国立公園の東端付近に位置するが、この日食の金環食帯はかなり小さく、最大食の地域では約38秒、金環食帯の発生地点であるアフリカ中央部でも約1分22秒しか継続しない[2][4]。
この日食が発生する6月21日は夏至の日でもあり、夏至の日に日本国内で日食が観測されるのは1648年6月21日以来、372年ぶりである[5][6]。世界全体においても、夏至の日に日食が発生するのは2001年6月21日の日食以来、19年ぶりとなった[7][8]。
観測
[編集]2012年5月20日の日食以来、8年ぶりに金環食帯が通る台湾では金環食帯が通る金門県、澎湖県、嘉義県、嘉義市などからインターネット上へのライブ配信が行われた[9]。中国では、瀘州市、銅仁市、衡陽市、厦門市を金環食帯が通った[10]。インドで一般的な宗教であるヒンドゥー教では日食は不吉な出来事であると信じられており、祈りを捧げるヒンドゥー教徒の姿が見られた[11]。
日本国内での観測
[編集]日本では全国で部分日食となり、札幌で食分0.290、東京で0.471、大阪で0.538、那覇で0.837と、南西に向かうほど食分が大きくなった[12][10]。日本国内で最も金環食帯に近い先島諸島では、食分は0.9を超えた[10]。日本国内で次に日食が観測されるのは2023年4月20日の日食(九州南部、南西諸島など一部地域のみ)、全国で観測可能な日食に限ると2030年6月1日の日食になる[12][13]。
日本国内では梅雨前線や低気圧の影響で観測ができなかった地域もあったが、天候が安定していた日本海側を中心に、青森県、宮城県、新潟県、福井県、兵庫県、広島県、高知県、福岡県、先島諸島など各地で部分日食が観測された[14][15][16][17][18][19]。2019年末から急速に広まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を受け、国立天文台は日食を観察する際の他者との密集・密接をしないよう注意を呼び掛け、また、対策を施した上で観察会などを実施した観測施設もあったが、感染症拡大防止の為それらのイベントを中止した施設もあった[14]。
画像
[編集]-
フィリピン・サン・ホセ・デル・モンティで撮影された部分日食
-
宇宙から撮影された地球に映る月の影
出典
[編集]- ^ a b c d e “Annular Solar Eclipse of 2020 Jun 21”. NASA Eclipse Web Site. NASA. 2020年6月20日閲覧。
- ^ a b c d “Annular Solar Eclipse – 21 June 2020”. Eclipse Portal. 2020年6月20日閲覧。
- ^ “Solar Eclipses: 2011 - 2020”. NASA Eclipse Web Site. NASA. 2020年6月20日閲覧。
- ^ a b c “EclipseWise - Eclipses During 2020”. EclipseWise.com. 2020年6月20日閲覧。
- ^ “372年ぶり…『夏至に部分日食』 21日午後4時頃から6時頃の間 観測時は専用の日食グラスを”. FNNプライムオンライン 石川テレビ (2020年6月19日). 2020年6月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月20日閲覧。
- ^ “Five Millennium Catalog of Solar Eclipses: 1601 to 1700 ( 1601 CE to 1700 CE )”. NASA Eclipse Web Site. NASA. 2020年6月20日閲覧。
- ^ “Annular Solar Eclipse of 2001 Jun 21”. NASA Eclipse Web Site. NASA. 2020年6月21日閲覧。
- ^ Ann Wang (2020年6月21日). “Rare 'ring of fire' solar eclipse on the longest day of the year”. ロイター通信. 2020年6月21日閲覧。
- ^ “台湾で金環日食 8年ぶりの天体ショー、次は195年後”. フォーカス台湾 (2020年6月21日). 2020年6月21日閲覧。
- ^ a b c 天文年鑑編集委員会『天文年鑑 2020年版』誠文堂新光社、2019年、51-52頁。ISBN 978-4-416-71948-0。
- ^ “インドなどで金環日食、ヒンズー教徒が祈りを捧げる(21日)”. ロイター (2020年6月21日). 2020年6月21日閲覧。
- ^ a b “日本全国で部分日食(2020年6月)”. 国立天文台. 2020年6月20日閲覧。
- ^ 白石圭子 (2020年6月20日). “あす 夏至 夕方は全国で部分日食 今回を逃すと次は10年後”. 日本気象協会. 2020年6月20日閲覧。
- ^ a b “全国で部分日食 日本海側中心に観察”. 時事ドットコム (2020年6月21日). 2020年6月21日閲覧。
- ^ “部分日食、石垣島で9割 10年後には北海道で金環日食”. 朝日新聞デジタル (2020年6月21日). 2020年6月21日閲覧。
- ^ “日本列島各地で部分日食を観測 コロナ対策、密集・密接避けて”. 共同通信 (2020年6月21日). 2020年6月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月21日閲覧。
- ^ “部分日食くっきりと 青森県内でも観測”. Web東奥. 東奥日報社 (2020年6月21日). 2020年6月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月21日閲覧。
- ^ “列島各地で「部分日食」観察 リングに...台湾で「金環日食」も”. FNNプライムオンライン (2020年6月21日). 2020年6月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月21日閲覧。
- ^ “新潟でも「部分日食」観測 太陽が欠けて見える現象 次回は2023年”. FNNプライム (2020年6月21日). 2020年6月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月21日閲覧。
外部リンク
[編集]- “【特集】部分日食(2020年6月21日)”. AstroArts. 2020年6月20日閲覧。
- “[特設ページ]部分日食(2020年6月21日)”. 国立天文台. 2020年6月20日閲覧。