A・M・バレイジ
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アルフレッド・マクレランド・バレイジ(Alfred McLelland Burrage、1889年 - 1956年)は、イギリスの小説家である。通称A・M・バレイジ。別名義にEX-プライベート・Xがある。
人物・経歴
[編集]わずか16歳で職業作家となり、児童向け週刊新聞に筆を執った。彼はそれらジュヴナイル長編の後、主として第一次世界大戦に従軍した際の回顧録や、陽気な恋愛小説を執筆した。長編作品は9冊が刊行されている[1]。
また、それらの作品とは別に、(動機としては彼の趣味で)雑誌に寄稿されたゴースト・ストーリーがあり、現在ではそちらの作品によって記憶されている作家となっている[1]。それら怪奇物を含む短編作品は、イギリスにて短編集8冊に纏められており、全105編がある[1]。
作風
[編集]ヴィクトリア朝末期に生まれた彼の短編作品には、古きよき時代への郷愁が感じられ、怪綺談の枠を超えた懐かしさが漂っている[1]。
日本語訳作品
[編集]単数訳出作品
[編集]※『こわい話・気味のわるい話』は2011年に沖積舎から復刊している。
- 「遊び相手(Playmates )」 - 山本俊子/訳『『ハヤカワ・ミステリマガジン』1985年8月号(早川書房) → 『ロアルド・ダールの幽霊物語』(ハヤカワ・ミステリ文庫 1988年)に収録
※『ホームスイートホラー』 (ポプラ社・2006年)に再録されている。
- 「幻の貴婦人(One Who Saw )」 - 竹生淑子/訳『悪夢の化身 《恐怖の一世紀 -A Century of Horror 2》』(ソノラマ文庫・1985年)
- 「落葉を掃く人(The Sweeper )」 - 秋津知子/訳『ハヤカワ・ミステリマガジン』1985年8月号(早川書房) → 『ロアルド・ダールの幽霊物語』(ハヤカワ・ミステリ文庫 1988年)に収録
- 「殺人者のへや」 - 小坂和世/訳『幽霊たちの館』(青い鳥文庫・1986年)
- 「違う駅(The Wrong Station )」 - 西崎憲/訳『怪奇小説の世紀【第1巻】 夢魔の家』(国書刊行会・1992年)
- 「足跡(Footprints )」 - 西崎憲/訳『怪奇小説の世紀【第3巻】 夜の怪』(国書刊行会・1993年)
- 「青い服の少女(The Girl in Blue )」 - 尾之上浩司/訳『ハヤカワ・ミステリマガジン』2003年8月号(早川書房)
- 「今日と明日のはざまで(Between the Minute and the Hour )」 - 中野善夫/訳『怪奇礼讃』(創元推理文庫・2004年)
- 「見た男(The Man Who Saw )」 - 南條竹則/訳 『イギリス恐怖小説傑作選』(ちくま文庫・2005年)
- 「夏のワイン(Wine of Summer )」 - 仁賀克雄/訳 『ハヤカワ・ミステリマガジン』2018年5月号(早川書房)
- 「誰のものでもない家」 - 植草昌実/訳 『ナイトランド・クォータリー』vol.11 2017年11月(アトリエサード)
複数訳出作品
[編集]- 「Smee 」
- 「スミー」 - 宮尾洋史/訳 『イギリス怪奇傑作集』(福武文庫・1991年)
- 「13人の鬼の遊び」 - 笹瀬麻百合/訳 『13人の鬼あそび 《恐怖の一世紀 -A Century of Horror3》』(ソノラマ文庫・1985年)
- 「暗闇のかくれんぼ」 - 仁賀克雄/訳 『新・幻想と怪奇』(早川書房・2009年)
脚注
[編集]関連項目
[編集]- A・E・コッパード - 同時代の英国怪奇作家