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ABCの歌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ABCの歌
楽曲
1961年昭和36年)発売の「仲よし家庭音楽会」(ビクター・レコード)。古賀さと子の「ABCのうた」を収録している。

ABCの歌』(エイビーシーのうた)は、英語で使われるアルファベットラテン文字)を学習するための歌で、幼稚園や保育園で歌われることが多い。『アルファベットの歌』(: Alphabet song)とも呼ばれる。『きらきら星』のメロディに乗せて歌うものが最も良く知られているが、それ以外の『ABCの歌』も存在する。

初めて日本に紹介されたのは江戸末期で、ジョン万次郎の著した英会話本による。

The A.B.C.

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楽譜

「きらきら星」のメロディで歌うもので、日本やアメリカで『ABCの歌』と言えばたいていこれを指す。

ボストンに本社を置くチャールズ・ブラッドリー社(Charles Bradlee)により1835年に「The A.B.C. - フルートのための変奏曲『ドイツの旋律』簡単なピアノ伴奏付き」("The A.B.C., a German air with variations for the flute with an easy accompaniment for the piano forte") の題名で最初に著作化された。

歌詞

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さまざまな変奏曲のものが存在している。

以下では、" - "(ハイフン)により四分音符1個、" , "(カンマ)により休符1個を表すものとする。

アメリカにおいて最も一般的なもの[1]
a-b-c-d-e-f-g,
h-i-j-k-lmnop, ("LMNOP" の部分はエレメノピーと歌う)
q-r-s, t-u-v, ("S" と "T" の間に休符がある)
w--x--y-and-z, ("W" と "X" はそれぞれ2拍分ずつ使って歌う)
Now I know my ABCs, (これが私の知ってるABC)
next time won't you sing with me ? (次はあなたも一緒に歌わない?)
それぞれの連の最後がを踏んでいる。
アメリカ英語では "Z" は「ズィー」(zee) と発音されるが、他の英語圏では「ゼッド(ゼット)」(zed) と発音されるため、"zed" と歌った場合歌詞の韻が破れることとなる。これは "y and z" の部分が "i-grec, zed" となるフランス語の場合も同様である。しかしアメリカ以外でもこの曲に関してだけは "Z" を「ズィー」と発音して歌うことが多いため、韻が損なわれることはほとんどない。
\relative c' {
    \key c \major \time 4/4
    c4 c4 g'4 g4 \bar "|" a4 a4 g2 \bar "|"
    f4 f4 e4 e4 \bar "|" d8 d8 d8 d8 c2 \bar "|" \break

    g'4 g4 f2 \bar "|" e4 e4 d2 \bar "|"
    g8 g8 g4 f2 \bar "|" e4 e4 d2 \bar "|" \break

    c4 c4 g'4 g4 \bar "|" a4 a4 g2 \bar "|"
    f4 f4 e4 e4 \bar "|" d4 d4 c2 \bar "|."
   }
   \addlyrics {
     A B C D E F G,
     H I J K L M N O P,
     Q R S, T U V,
     W     X, Y and Z.
     Now I know my A B Cs.
     Next time, won't you sing with me?
   }
"Z"対策として歌詞を工夫したもの
a-b-c-d-e-f-g
h-i-j-k-l-m-n
o-p-q, r-s-t
u-v-w, x-y-z
Now I know my "ABC's",
Next time won't you sing with me
歌詞の2連目を短くし、その分4連目を長くしている(その分3連目の歌詞がずれている)。これにより "N""zed" で韻に近いものが作られている。

  \relative c' {
    \key c \major \time 4/4
    c4 c4 g'4 g4 \bar "|" a4 a4 g2 \bar "|"
    f4 f4 e4 e4 \bar "|" d4 d4 c2 \bar "|" \break

    g'4 g4 f4 f4 \bar "|" e4 e4 d2 \bar "|"
    g4 g8 g8 f4 f4 \bar "|" e4 e4 d2 \bar "|" \break

    c4 c4 g'4 g4 \bar "|" a4 a4 g2 \bar "|"
    f4 f4 e4 e4 \bar "|" d4 d4 c2 \bar "|."
   }
   \addlyrics {
     A B C D E F G,
     H I J K L M N,
     O P Q R S T U,
     V W     X Y and Z.
     Now I know my A B Cs.
     Next time, won't you sing with me?
   }
"V"から"Z"行までの韻を踏んだ歌詞
a-b-c-d-e-f-g
h-i-j-k-l-m-n
o-p-q-r-s-t-u
v-w you and x-y-z
a-b-c-d-e-f-g
I am singing A-B-C
さらに大胆な変更を加えたもの
a-b-c-d-e-f-g
h-i-j-k-lmnop
lmnop-q-r-s-t
u-v-w-x-y-z
x-y-z
Butter on your bread
If you don't like it
You'll have to go to bed.
"zed"と韻を踏むため、歌詞の改変が5連目以降にも及んでいる。
別の歌詞のもの(ドイツでも歌われている)
a, b, c, d, e, f, g
h, i, j, k, lmnop,
q, r, s, t, u, v, w
x, y, z ("z"は"zed"と発音)
Now I know my Alphabet
Come along and sing with me
これまでのものとは異なり、韻は踏まれていない。
主に日本で歌われていたもの
a-b-c-d-e-f-g
h-i-j-k-l-m-n
o-p-q-r-s-t-u
v-w, x-y-z
a-b-c-d-e-f-g
h-i-j-k-l-m-n
5連目と6連目は1連目と2連目の繰り返しとなる。やはり韻は踏まれていない。
近年は「アメリカにおいて最も一般的なもの」で歌われることが多い。

さらに "Now I know - " 以降の歌詞についてはさまざまなものが存在している[2][3]

アレンジ

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カノエラナは、「The A.B.C.」をモチーフとした「たのしいバストの数え歌」を2017年に発表した[4]

"The A.B.C."以外の「ABCの歌」

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「きらきら星」のメロディで歌われるもの以外にも「ABCの歌」はあり、その1つにフォニックス(音と文字の関係の規則性)を学習するためのものがある。

What does the A say? Ay Aa Ah (母音は完全に発音する)
What does the B say? B* B* B* (1種類しか発音のない子音は3回繰り返す)
What does the C say? S* and K*
What does the D say? D* D* D*
What does the E say? Ee and Eh
...
(以下各文字ごとに少しずつ違ったメロディが続く)
...
What does the X say? Ks Ks Ks
What does the Y say? Yuh* Ee* Eye*
What does the Z say? Zzz Zzz Zzz
What do you call these phones and sounds?
English alphabet letters.
Yeah!

この歌で教師は児童たちに、犬が「ワン」(英語では "woof")、猫が「ニャン」(英語では "meow")と鳴くのと同じように、"I" は「アイ」や「イー」と発音すると言った具合に各文字の名前と発音方法を教えていく。

各アルファベットが頭文字となる単語を歌詞に織り込む形の「ABCの歌」も存在する。その1つとして1948年に発表された、ブディ・ケイ (Buddy Kaye) とフレッド・ワイズ (Fred Wise) 作詞、シドニー・リップマン (Sidney Lippman) 作曲の "'A' - You're Adorable" がある。

脚注・参考文献

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