AFCチャレンジリーグ
AFCチャレンジリーグ AFC Challenge League | |
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開始年 | 2005年 |
主催 | AFC |
地域 | アジア |
参加チーム数 | 18 |
最多優勝 | レガール・タダズ(3回) |
サイト | 公式ウェブサイト |
備考 |
2014年までは「AFCプレジデンツカップ」として開催 2024年から「AFCチャレンジリーグ」として開催 |
AFCチャレンジリーグ(英: AFC Challenge League)は、アジアサッカー連盟(AFC)が主催する、クラブチームによるサッカーの国際大会である。
大会そのものは2024年に創設されたものであるが、記録・統計上は2005年から2014年まで開催されたAFCプレジデンツカップ(英: AFC President's Cup)を承継するものとされたため[1]、本項においてはAFCプレジデンツカップについても記すものとする。
概要・歴史
[編集]AFCプレジデンツカップ
[編集]2002-03年度から開催されたクラブチームによる国際大会であるAFCチャンピオンズリーグ (ACL) は、サッカー発展途上国の参加を辞退したチームが多かったことや、実力差に大きな開きがあったことから、出場枠を見直し、チャンピオンズリーグはAFCクラブランキング上位14カ国のリーグ戦、カップ戦の優勝チーム(最大28チーム)に絞り、その次のクラス(15〜28位)の国には「AFCカップ」の出場権を与えることにした。更に29位以下のサッカー発展途上国・弱小国のリーグ戦優勝チームの中から8カ国を選抜してセントラル方式(1カ国に集中して開催する方式)で2005年度から新たな国際大会を開催することになった。これが「AFCプレジデンツカップ」である。
2005年度はネパールで開催され、同国の他、台湾、キルギス、カンボジア、タジキスタン、ブータン、パキスタン、スリランカのリーグ戦2004年度の優勝チーム8チームが4チームずつ2組に分かれて1回総当りを行い、その後上位2位までの4チームで決勝トーナメントを行う。その結果、タジキスタンのレガール・タダズがキルギスのドルドイ・ディナモ・ナルインを下して初代優勝に輝いた。
2008年度以降はバングラデシュ、ミャンマー、トルクメニスタンが加わり、11カ国が参加して開催されていた。2011年度よりパレスチナの参加が決定したため、12カ国が参加しての大会となる。2012年度よりミャンマーはAFCカップに参加することになったためAFCプレジデンツカップには参加しなかった。また、新たにモンゴルが参加することとなった。2013年度よりタジキスタンが、2014年度よりキルギスとパレスチナがAFCカップに参加することになったため、AFCプレジデンツカップには参加しなかった。また、新たに北朝鮮が参加することとなった。
2013年11月25日、AFC大会実行委員会は2014年大会がAFCプレジデンツカップとして最後の大会になると発表した。AFCプレジデンツカップ2014の決勝ステージに進出した6チームはAFCカップ2015プレーオフへの出場資格を獲得する。また、2015年以降は集中開催方式で予選を行い、AFCカッププレーオフに進出する6チームを決定する[2]。
AFCチャレンジリーグの創設
[編集]2022年12月23日に開催されたAFC競技委員会で、2024/25シーズンよりACL及びAFCカップを以下の3階層に再編することが提案され[3]、2023年8月14日に行われたAFC実行委員会で決定した[4]。
- AFCチャンピオンズリーグエリート (AFC Champions League Elite, ACLE) - トップティア。24クラブが出場
- AFCチャンピオンズリーグ2 (AFC Champions League 2, ACL2) - セカンドティア。32クラブが出場
- AFCチャレンジリーグ (AFC Challenge League, ACGL) - サードティア。20クラブが出場。
これにより、AFCにおける新たな第3クラブ選手権として「AFCチャンピオンズリーグ」が創設されることとなった。ただし、統計上は2014年までのAFCプレジデンツカップを承継するものとされ[1]、事実上の「『AFCプレジデンツカップ』の10年ぶりの“復活”」という形になった。
開催方式
[編集]2005年-2007年
[編集]AFC加盟協会のうち、出場資格を持つ8協会から1クラブずつが参加する。AFCチャンピオンズリーグ・AFCカップと異なり集中開催を基本としており、全ての試合を同一会場で開催する。
グループステージは出場クラブを4クラブずつ2グループに分けて(東西は考慮されない)1回戦総当たりのリーグ戦を戦い、各グループ上位2クラブずつ4クラブによるシングルイリミネーショントーナメントで優勝者を決定する。
2008年-2010年
[編集]出場協会が11に増加し、各協会から1クラブずつが参加する。集中開催は同じであるが、各グループステージ及び決勝ステージはそれぞれ別の都市で開催されるようになった。
グループステージは出場クラブを3-4クラブずつ3グループに分けて1回戦総当たりのリーグ戦を戦い、各グループ最上位と2位のうち最も成績の良いクラブの計4クラブによるシングルイリミネーショントーナメントで優勝者を決定する。
2011年-2014年
[編集]グループステージは出場クラブを3-4クラブずつ3グループに分けて集中開催による1回戦総当たりのリーグ戦を戦い、各グループ上位2クラブが決勝ステージに進出。決勝ステージでは6クラブを3クラブずつ2グループに分けて、両グループとも同一都市での集中開催により1回戦総当たりのリーグ戦を戦い、各グループ最上位クラブ同士で決勝戦を行う。
2024/25年-
[編集]AFC加盟国を東地区と西地区に分け、AFCチャンピオンズリーグ2 (ACL2)に参加しない、AFCクラブコンペティションランキングの地区内11位以下の国が参加する。AFCの構想[3]では、20のクラブが4チームずつの5グループ(西地区3グループ、東地区2グループ)に分かれてグループステージを戦うものとし、グループステージでは集中開催による1回戦総当たりのラウンドロビンを戦い、東西4チームずつ(西地区はグループ1位+グループ2位の最上位、東地区はグループ上位2位チーム)が準々決勝に進出、ホーム・アンド・アウェー2回戦制(決勝のみ1試合制)によるトーナメントを戦うものとされた。ただし、2024/25シーズンは東地区でAFCクラブライセンスが発給されているクラブのある協会が8に満たず、各協会から1クラブずつの6クラブのみが参加し、プレーオフを省略した上でグループステージは3クラブによる総当たり戦に変更されている。
優勝チームは、国内大会の成績で翌シーズンのAFCチャンピオンズリーグエリートおよびACL2の出場権を得ていない場合、ACL2本大会の出場権を得る[5]。
賞金
[編集]2024/25シーズン以降の例[6]。
- 優勝: 100万ドル
- 準優勝: 50万ドル
また、各ラウンドに参加すると以下の配分金が与えられる。
- 準決勝: 12万ドル
- 準々決勝: 8万ドル
- グループステージ: 10万ドル
この他、グループステージにおいては試合に勝利すると2万ドルが、予選ステージにおいてはアウェーの試合毎に渡航助成費として5万ドルが与えられる。
結果
[編集]年度 | 優勝 | 結果 | 準優勝 | 決勝戦会場 |
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AFCプレジデンツカップ | ||||
2005 | レガール・タダズ | 3 - 0 | ドルドイ・ディナモ・ナルイン | ダサラス・ランガシャラ・スタジアム (カトマンズ) |
2006 | ドルドイ・ディナモ・ナルイン | 2 - 1 aet | ヴァフシュ・クルガン・テッパ | サラワク・スタジアム (クチン) |
2007 | ドルドイ・ディナモ・ナルイン | 2 - 1 | マヘンドラ・ポリス・クラブ | パンジャーブ・スタジアム (ラホール) |
2008 | レガール・タダズ | 1 - 1 aet (PK 4 - 3) |
ドルドイ・ディナモ・ナルイン | スパルタク・スタジアム (ビシュケク) |
2009 | レガール・タダズ | 2 - 0 | ドルドイ・ディナモ・ナルイン | メタルルグ・スタジアム (トゥルスンゾダ) |
2010 | ヤダナボン | 1 - 0 aet | ドルドイ・ビシュケク | トゥウンナ・スタジアム (ヤンゴン) |
2011 | 台湾電力足球隊 | 3 - 2 | プノンペン・クラウン | 国家体育場 (高雄) |
2012 | イスティクロル | 2 - 1 | マルカズ・シャバーブ・アル・アムアリー | パミール・スタジアム (ドゥシャンベ) |
2013 | バルカン | 1 - 0 | KRL | ハン・ジェバート・スタジアム (ムラカ) |
2014 | アシガバート | 2 - 1 | リミョンス体育団 | スガサダシュ・スタジアム (コロンボ) |
AFCチャレンジリーグ | ||||
2024/25 |
統計
[編集]クラブ別成績
[編集]クラブ名 | 優 | 準 | 優勝年度 | 準優勝年度 |
---|---|---|---|---|
レガール・タダズ | 3 | 0 | 2005,2008,2009 | |
ドルドイ・ビシュケク | 2 | 4 | 2006,2007 | 2005,2008,2009,2010 |
ヤダナボン | 1 | 0 | 2010 | |
台湾電力足球隊 | 1 | 0 | 2011 | |
イスティクロル | 1 | 0 | 2012 | |
バルカン | 1 | 0 | 2013 | |
アシガバート | 1 | 0 | 2014 | |
ヴァフシュ・クルガン・テッパ | 0 | 1 | 2006 | |
ネパール・ポリス・クラブ | 0 | 1 | 2007 | |
プノンペン・クラウン | 0 | 1 | 2011 | |
マルカズ・シャバーブ・アル・アムアリー | 0 | 1 | 2012 | |
KRL | 0 | 1 | 2013 | |
リミョンス体育団 | 0 | 1 | 2014 |
クラブ所在国別成績
[編集]国・地域名 | 優 | 準 |
---|---|---|
タジキスタン | 4 | 1 |
キルギス | 2 | 4 |
トルクメニスタン | 2 | 0 |
ミャンマー | 1 | 0 |
チャイニーズタイペイ | 1 | 0 |
ネパール | 0 | 1 |
カンボジア | 0 | 1 |
パレスチナ | 0 | 1 |
パキスタン | 0 | 1 |
北朝鮮 | 0 | 1 |
脚注
[編集]- ^ a b “Pivotal reforms approved by AFC Competitions Committee” (英語). AFC (2024年5月24日). 2024年12月14日閲覧。
- ^ “ACL: East vs West final proposed”. AFC (2013年11月25日). 2013年11月25日閲覧。
- ^ a b "AFC Competitions Committee recommends strategic reforms to elevate Asian club football" (Press release) (英語). AFC. 23 December 2022. 2023年11月25日閲覧。
- ^ “AFC Executive Committee approves biggest prize purse in Asian club football history from 2024/25; announces AFC Women’s Champions League”. AFC (2023年8月14日). 2023年8月20日閲覧。
- ^ “AFC Club Competitions - Entry Regulations (Edition 2023)” (英語). AFC. 2024年12月14日閲覧。
- ^ “AFC Challenge League 2024/25 Competition Regulations” (英語). AFC. 2024年12月14日閲覧。
外部リンク
[編集]- 大会公式サイト - AFC.com
- RSSSFによる記録